太中、性癖集

性癖を詰め込んだ短編集

r18 暴力描写

地雷さん回れ右

すたーと

綺麗に円を描いてシュートが入った。

そこに群がる後輩、友達。

それに照れ臭そうに笑う"あの子"

クラスメイトと楽しそうに話す、"あの子"

彼女らしき子と一緒に帰る"あの子"

全部

全部

ぜーんぶ

…

いつもの帰り道

いつも一緒に帰る友達

いつも通りの光景。なはずだった

だが、何故か変な胸騒ぎがする。

どん。

嫌な音がして友達の方を向くと

其奴の胸からナイフが飛び出ている

胸には血華が咲き、出血が止まらない

すると倒れた其奴の背後から、楽しそうな太宰が現れた

その瞬間、俺は理解した。

太宰が此奴を刺した。ということを

突然笑んだ太宰に、目の前が揺れた

スマホを取り出そうとすると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた

其奴が太宰の腕に手を絡ませる

目の前の状況に頭が痛くなる

どういうことだよ

彼奴がようやく足元の死体に気がつく

俺は自分の手の中の血塗れのナイフを見た

さっき友達の体から咄嗟に引き抜いたが…

弁明しようと女に近づく

叫んで抵抗しだした

次の瞬間

抵抗した女の腕が当たり、女にナイフが刺さった

女の叫びが当たり一帯に響く

名前を呼ばれ振り返る

そこには最悪なタイミングで通りかかった後輩がいた。

そう叫びながら後輩は逃げて行ってしまった

目の前の状況に理解が追いつかない

足元には、自分が殺した恋人、友達の遺体

後輩には誤解され、逃げられ、

咄嗟に目の前にいた太宰に助けを求める

頭痛が止まらない。過呼吸になってしまう。

太宰に抱きしめられる。

その温もりに涙が出てくる

泣きながら俺はそう言った

太)はぁ…、本当馬鹿だなぁ、笑

私が態々君の恋人に色目を使ったのも

君が友人と帰る日に、毎回尾行したのも、

態と後輩が通るルートに君達を誘導したことも、

ぜーんぶ、私無しじゃ駄目にするため

他の奴らじゃ満足出来ないようにするため。

…ねぇ、中也

お呪いが解けちゃったね(笑)

私無しで、幸せになれるって信じてたお呪いが、ね。(笑)

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