理緒
傷つくことにつかれて、
理緒
高い壁を作って、閉じこもることを選んだ
理緒
傷つけられることも、傷つけることもない
理緒
私だけの場所。
理緒
全てのドアをしめて、カギをかけて、
理緒
日の当たる場所に背をむけて。
理緒
誰にも愛されないまま、消えて行くのだとおもっていた。
理緒
閉ざされたドアの隙間からこぼれ落ちたかすかなひかり。
理緒
消えかけていた小さなきらめきを、彼だけが見つけてくれた。
理緒
彼だけが、ずっと、見ていてくれた。
理緒
1人になるとほっとする。
理緒
いつからそんな風に思うようになったんだろう。
理緒
別にいじめされてるわけじゃないし、教室に居場所がないわけじゃない。
理緒
どちらかと言うと、私は女子の中で、一番賑やかなグループにはいっている。
理緒
休み時間の度に集まって交わすたわいないおしゃべりと、笑い声が、教室を明るく照らすような
理緒
そんな子達の中に私はいる
理緒
はたから見たら、私はいつも笑顔で、その果てしないお喋りを楽しんでいるように見えるだろう。
理緒
でも、どうしても感じる違和感。
理緒
たくさんの人に囲まれているのに襲いかかる孤独
理緒
体はここにあるのに、心だけがどこか行ってしまっているかのような
理緒
虚無感。
理緒
そんなことはない、気のせい、考えすぎ、必死で否定するのに、しょっちゅう頭に浮かんでしまう思い、、、、、、、。
理緒
私はここにいるべき人間じゃない
理緒
分かってる、どんなに気づかないようにしても、それが真実。
理緒
急に消滅しても、誰も気づかない。
そんなそんな存在、、、、、、、。
そんなそんな存在、、、、、、、。
理緒
私なんていらない存在。
理緒
図書室の窓から見える校庭を見てよ、
理緒
午後4時。部活のある子はそれぞれの部活に、
理緒
部活のない子達はもうすでに学校を出ていて、ぽっかりと人けがなくなる時間だ
理緒
太陽が少し出ていて、はちみつ色の光があたりを満たしている。
理緒
校庭を取り囲むように植えられた桜はもうだいぶ散ってしまって、葉桜になりかけているなぁ、、、
理緒
写真とろ、
そのとき、さぁーと 風が吹いて、残り少ない花びらがふわりとまいあがった
理緒
わー
理緒
こういう神さまがくれた贈り物のような一瞬を形で残たい!
理緒
カシャ、カシャ、カシャ
そのとき
颯太
何とってんの?
理緒
きゃっ
颯太
あ、ごめん
颯太
写真好きなの?
理緒
、、、、、、、
颯太
どんなん撮ったの?見せて
理緒
そ、そんな、人に見せるような写真じゃないから、、、、、、、!
すず
理緒!ちょうどよかった、一緒にかえろ!
理緒
チア部おわったの?
すず
おわったよ!今日はこれからの活動の話し合いだもん!
理緒
そっか
チア部
すず、もうかえるの?
せっかくだしカラオケいこ!
せっかくだしカラオケいこ!
チア部
振り付けもしたいしさ、
すずはチア部の人達に囲まれている
理緒
先に帰るね
すず
えー(´・д・`)(´・д・`)
理緒
気にしないでバイバイ
翌日
すず
理緒も来れば良かったのに、カラオケ
理緒
カラオケは苦手
すず
えー、昔よくいってたじゃん
理緒
小学校の時、家族ぐるみで1回行ったら切りでしょ
すず
あれ?そうだっけ?
颯太
おはよう
理緒
おっと
理緒
お、おはよう
颯太
昨日、ごめんな
理緒
え?
颯太
俺、邪魔したかなって思って。
真剣に写真撮ってたのに、、、、、、、
真剣に写真撮ってたのに、、、、、、、
理緒
全然だいじょぶ!
すず
え?何写真って?
理緒
何でもないの。昨日ちょっと桜が綺麗だったから、撮ってただけ
すず
桜?ほとんど散ってるのに
理緒
そうなんだけとね
すず
始業式の日とかすごかったから私もとったよ。
理緒は?
理緒は?
理緒
とったかなぁ
すず
えー理緒ってば、散ってから撮ったてしょうがないでしょ
颯太
はは
すず
なに?
颯太
そういえば教室でよく理緒ー!て呼んでる声がするなって思って。本当仲いいんだな
すず
だって親友だもん!
ね、理緒?
ね、理緒?