クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
その声高な口上に
「なんだなんだ?」と ヒト集りができる。
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
”のあ”
”のあ”
駆け出そうとした”のあ”を
春太は腕を掴んで止めた。
”のあ”
”のあ”
春太
春太
春太
白凌
”のあ”
”のあ”は不安そうな目で姉を見つめる。
姉、とは言っても
”のあ”より一つか二つ年上なだけで
まだまだ幼い子だ。
泣いていたのだろう
円らな瞳が真っ赤に染まっている。
その子の首と手足には
縄が結び付けられており、
縄の先は店主がしっかりと握りしめていた。
白凌
春太
白凌
白凌
春太
白凌
白凌
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
クジ引きの店主
クジ引きの店主
あれよあれよという間に
長蛇の列ができる。
春太
白凌
春太
白凌
言われて店主を見る。
嬉しそうな顔で貨幣を受け取り、
クジの入った箱を差し出す。
貨幣を払った妖怪は
願いを込めて箱を振り、
出て来た棒の先を見て
残念そうに肩を落とす。
店主はケラケラと笑いながら
妖怪の肩を叩き
ハズレの景品を手渡していた。
春太
春太
春太
春太
春太
白凌
白凌
春太
春太
白凌
白凌
春太
春太
白凌
白凌
三人が並ぼうとして
煌緋(こうひ)
春太
春太が押し飛ばされる。
”のあ”
”のあ”
春太
春太
緋灯組の子①
緋灯組の子②
突如現れたのは、
綺麗な着物を纏った三人の女性たち。
見た目は綺麗なのだが、
どうにも口が悪い。
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
その言葉を聞いて
列を成していた妖怪たちは
一斉に道を開ける。
緋灯組。
女郎蜘蛛─緋奈(ひな)を頭とした
自身の子供だけで構成される組織。
美しい見た目とは裏腹に
過激派としても知られており
逆らうモノは容赦なく八つ裂きにされる。
と、もっぱらの噂である。
煌緋(こうひ)
煌緋(こうひ)
クジ引きの店主
店主は顔色を悪くさせる。
煌緋は呆れたようにため息をこぼし、
懐に入れていた財布の中から
大判金貨を二枚取り出すと、
店主の鼻先に押し付けた。
煌緋(こうひ)
クジ引きの店主
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
店主は大判金貨と
煌緋を交互に見やる。
緋灯組の子②
緋灯組の子①
緋灯組の子①
緋灯組の子①
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
店主は引き攣った笑顔を浮かべて
クジの入った箱を差し出した。
しかし、
案の定、
というべきだろうか。
箱の中のクジを全部引いたものの
”当たり”
と書かれた棒は一本として出て来なかった。
煌緋(こうひ)
煌緋(こうひ)
煌緋(こうひ)
煌緋が顔を上げると
店主はヒトの姿から狼に姿を変え
女の子の縄を咥えて逃げ出した。
緋灯組の子②
緋灯組の子②
緋灯組の子①
三人の女性たちは目の色を変え
追いかける。
春太
白凌
白凌
白凌
春太
春太は白凌から札を受け取ると
目にも止まらぬ速さで駆け出した。
白凌
白凌は”のあ”を背負う。
小豆洗いの平八
白凌
小豆洗いの平八
白凌
白凌
小豆洗いの平八
平八は大きく頷くと、
白凌に背を向けて走り出した。
白凌
白凌
”のあ”は頷き、
白凌の着物をギュッと握り締めた。
・
・
緋灯組の子らも
けして足が遅いわけではないのだが、
この場合春太の足が特別速いのだ。
彼は彼女たちをあっさりと追い抜き、
あっという間に狼に追いついた。
春太
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
春太
クジ引きの店主
春太
春太
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
クジ引きの店主
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
春太
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
春太
春太
クジ引きの店主
狼は口から火を吹く。
春太
春太
パタパタと髭に点いた火をはたいている間に
狼は建物の隙間に滑り込んだ。
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
良い感じに酔った妖怪たち
酒を片手に持った妖怪たちが
ぞろぞろと建物の隙間に入って行く。
その光景を春太は複雑な表情で見つめていた。
白凌
そこに白凌が追い付く。
春太
白凌
春太
白凌
白凌は抱えていた”のあ”を春太に渡す。
”のあ”
”のあ”
白凌
きっぱりと言い放つ。
白凌
白凌
春太
白凌
白凌
白凌
白凌
白凌
白凌
白凌
春太
春太
春太
春太
白凌
白凌
白凌
春太
トンッ
と地面を蹴ると
白凌の姿は一瞬で消えて無くなった。
”のあ”
春太
春太は自信満々に言ったが、
”のあ”の表情はけして晴れなかった。
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