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どういうことだ?

僕が手をあげると、鏡の中のハルちゃんも手をあげる

訳がわからず、首を捻ると、また同じ動きをして見せた

この部屋はハルちゃんの部屋?

彼女の部屋には一度も来たことがない

小綺麗でこざっぱりしてて、ハルちゃんらしいといえば、ハルちゃんらしい部屋だ

すると突然、スマホの着信がなった

スマホの画面には湊と表記されていた

僕からの電話・・

もしかして・・

もしもし!

もしもし・・

もしかしてだけど・・

春花

湊?

やっぱハルちゃんなんだね・・

春花

なんなのこれ・・?

男声が上ずって、オネエのようだった

わからない・・

あ!

ちょっと待って!会社は!?

春花

それどころじゃないでしょう

まずいよ・・

今日は本社から視察が・・

春花

ちょっと待ってて、湊、そっち向かうから

それよりも会社に・・

春花

会社には電話しとくから!

え、ちょっと

10分ほどが経過した

そろそろハルちゃんが来る頃だ、僕が来るというべきだろうか

ベッドに座りながら、細くて白い手を閉じたり開いたりした

とても非力な体だった、なんだかやけに不安になる

徐にスマホを取り出した

しかしパスコードを要求されて、開くことができなかった

そういえば、ハルちゃんはどうやって僕のスマホを使ったんだろう

と思ったが・・僕のパスコード は0805、僕の誕生日だ 開けないこともないだろう

試しに0409と打ち込んでみた ハルちゃんの誕生日だ

解除される事はなかった

そのタイミングで、ドアからノック音がした

大丈夫・・?

春花

はぁはぁ・・

ドアをあけると、そこには僕がいた

春花

いや、大丈夫じゃないよ、これ、

春花

水・・

あ・・

急に家に上がって来たから、止めようと思ったが、ここはハルちゃんの家だった

これ、どこかに相談に行った方がいいのかな

僕の姿をしたハルちゃんはコップを取り出し水を飲んでいた 飲み干してから息を吐くと神妙な顔つきでこちらを見た

春花

私もそうしようかと考えたけど・・

春花

やめといた方がいいかも・・

なんで?

春花

こんな妙な状況、誰かに相談なんてしたら、変に注目されるでしょう・・

春花

そういうのに巻き込まれるのは1番いや

春花

ていうか、信じてもらえるかも、分からないし・・

ハルちゃんは捲し立てるように言葉を並べた、かなり焦って、落ち着かない様子だった

そうしてる間も、僕の姿、僕の声だ、とても不気味というか不思議な気分になる

じゃあどうするの

春花

・・・分からないけど

春花

こういうのって大体、元に戻るじゃん、漫画とかでも

それまで、普通に暮らす?

春花

そう

会社は?

春花

そんなに会社が心配?

いや、ごめん・・

春花

・・・

あ、じゃあ、会社には有休を取っておいてよ・・

ある程度は・・融通利かせてくれると思う

春花

それ聞いて安心した、会社だけは絶対にいきたくないと思ってたから・・

行きたくなければ、どうするつもりだったのか・・

あ、でも有休期間も過ぎたら・・

春花

分かってる・・

春花

そこまで解決しなければ

春花

私も覚悟する・・・

そう言って、ハルちゃんは深いため息をこぼした、ものすごく嫌そうだ

このままだと退職願いでも出されそうな勢いだ・・ いち早く解決方法を探さなければ

春花

それじゃあ、決めた事まとめるね

春花

とりあえず、湊は、いつも通り私として過ごしてもらって、バイトは多めに入れてもらって

・・うん

春花

私は今の状況について色々調べてみる

わかった

ほとんどがハルちゃんの主導で決まったが僕も特に異論はなかった

気になったのはハルちゃんが昨日の出来事については一切、触れない事だった

やりとりがそっけないようにも感じる 焦ってるだけなのだろうけど

・・・

ハルちゃんにとって、僕は今、恋人なのだろうか

こんな状況で、ふとそんな事が気になってしまった

春花

あ、そういえばスマホ・・

春花

ごめん、勝手に解除したけど

いや、大丈夫

春花

私のスマホ使うよね・・

そう・・だね

春花

ちょっと貸して

スマホの中身と家の荷物を整理してハルちゃんは家を出ることにした

春花

それじゃあ、色々とお願いね

片手に持ったバッグには大量の荷物が入っている 多分、僕に見られたくないものがたくさんあったのだろう

うん・・

ねぇ、ハルちゃん

春花

なんか、私に名前呼ばれるのって変な感じ

春花

なに?

・・・

いや、何にもない

早く戻る方法見つけないとね

春花

・・・

春花

うん

春花

色々探ってみる

あ、スマホのパスコードは?

春花

あ、ごめん

春花

8459

8459・・わかったありがとう

春花

あんまり弄らないでね

・・うん

春花

じゃあね

うん

そうして、僕の姿をしたハルちゃんはドアの向こうへと消えていった

一つ一つの動作が女性らしかったが、僕が元々、女々しいからか、そこまで違和感はない気がした

あの様子なら、心配はなさそうだった

「僕らってまだ恋人なのかな?」

さっきはそんなことを聞こうとした

元に戻らない方がいいのかもしれない

ふとそんなことを考える

元に戻ってしまったら、2人の関係は終わってしまうのだろうか

僕は怖くなって それ以上は考えることをやめた

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