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湊
僕が手をあげると、鏡の中のハルちゃんも手をあげる
訳がわからず、首を捻ると、また同じ動きをして見せた
湊
彼女の部屋には一度も来たことがない
小綺麗でこざっぱりしてて、ハルちゃんらしいといえば、ハルちゃんらしい部屋だ
すると突然、スマホの着信がなった
スマホの画面には湊と表記されていた
湊
湊
湊
湊
湊
春花
湊
春花
男声が上ずって、オネエのようだった
湊
湊
湊
春花
湊
湊
春花
湊
春花
湊
10分ほどが経過した
そろそろハルちゃんが来る頃だ、僕が来るというべきだろうか
ベッドに座りながら、細くて白い手を閉じたり開いたりした
とても非力な体だった、なんだかやけに不安になる
徐にスマホを取り出した
しかしパスコードを要求されて、開くことができなかった
そういえば、ハルちゃんはどうやって僕のスマホを使ったんだろう
と思ったが・・僕のパスコード は0805、僕の誕生日だ 開けないこともないだろう
試しに0409と打ち込んでみた ハルちゃんの誕生日だ
解除される事はなかった
そのタイミングで、ドアからノック音がした
湊
春花
ドアをあけると、そこには僕がいた
春花
春花
湊
急に家に上がって来たから、止めようと思ったが、ここはハルちゃんの家だった
湊
僕の姿をしたハルちゃんはコップを取り出し水を飲んでいた 飲み干してから息を吐くと神妙な顔つきでこちらを見た
春花
春花
湊
春花
春花
春花
ハルちゃんは捲し立てるように言葉を並べた、かなり焦って、落ち着かない様子だった
そうしてる間も、僕の姿、僕の声だ、とても不気味というか不思議な気分になる
湊
春花
春花
湊
春花
湊
春花
湊
春花
湊
湊
春花
行きたくなければ、どうするつもりだったのか・・
湊
春花
春花
春花
そう言って、ハルちゃんは深いため息をこぼした、ものすごく嫌そうだ
このままだと退職願いでも出されそうな勢いだ・・ いち早く解決方法を探さなければ
春花
春花
湊
春花
湊
ほとんどがハルちゃんの主導で決まったが僕も特に異論はなかった
気になったのはハルちゃんが昨日の出来事については一切、触れない事だった
やりとりがそっけないようにも感じる 焦ってるだけなのだろうけど
湊
ハルちゃんにとって、僕は今、恋人なのだろうか
こんな状況で、ふとそんな事が気になってしまった
春花
春花
湊
春花
湊
春花
スマホの中身と家の荷物を整理してハルちゃんは家を出ることにした
春花
片手に持ったバッグには大量の荷物が入っている 多分、僕に見られたくないものがたくさんあったのだろう
湊
湊
春花
春花
湊
湊
湊
春花
春花
春花
湊
春花
春花
湊
春花
湊
春花
湊
そうして、僕の姿をしたハルちゃんはドアの向こうへと消えていった
一つ一つの動作が女性らしかったが、僕が元々、女々しいからか、そこまで違和感はない気がした
あの様子なら、心配はなさそうだった
「僕らってまだ恋人なのかな?」
さっきはそんなことを聞こうとした
元に戻らない方がいいのかもしれない
ふとそんなことを考える
元に戻ってしまったら、2人の関係は終わってしまうのだろうか
僕は怖くなって それ以上は考えることをやめた