カナエ
どの辺に家があるのかしら〜?
朔
えっと…(記憶にないからなんとも言えないな…)
しのぶ
家の周りの特徴だけでも教えて
朔
…周りに木がたくさんあって、花が道を示すように咲いている
朔
(!?)
カナエ
うーん…山?森?
朔
(何で…?)
しのぶ
この辺りでそんな場所あった?
朔
(今、口が勝手に動いた)
カナエ
分からないわね〜
朔
(憑依前のこの子の記憶、
みたいな?)
みたいな?)
しのぶ
他にはなにかないの?
朔
(そっか…あくまでもこれは憑依。元の体の記憶や習慣はそのままってことか。)
しのぶ
ちょっと、聞いてるの!?
朔
え、あ……何?
朔
(完璧に集中していたな…)
しのぶ
他に特徴はないの?
朔
えっと…わかんない…
しのぶ
はぁ!?
カナエ
まあまあ、しのぶ、落ち着いて
しのぶ
でも、姉さん!
朔
…もう暗いし、家帰りな…?
カナエ
駄目よ。朔ちゃんを家に送るまでは帰らないわ。
しのぶ
そうよ!
朔
そっ…か…
朔
でも、大丈夫。何となく道思い出してきたから!
カナエ
でも…
しのぶ
じゃあ家まで送るよ
朔
ッ……鬼が出るよ?
カナエ
鬼…?
朔
そう、人喰い鬼。
しのぶ
…信じてるの?
朔
うん!だから、カナエさん達が食べられちゃうのは嫌!
朔
(本気なのが伝わればいいけど…)
カナエ
あら〜…そこまで言うなら先に帰るわね。危ないと感じたら私達の家に来なさい。いいわね?
朔
うん。分かった!
しのぶ
朔も気をつけてね。その人喰い鬼ってやつに。
朔
うん。気をつける。
カナエ
それじゃあ、しのぶ、帰りましょうか
しのぶ
…うん。わかった
カナエ
また明日にでも
遊びに来て欲しいわ〜
遊びに来て欲しいわ〜
朔
わかった!行けたら行くね!
カナエ
ふふ、それじゃまた明日。
しのぶ
また明日ね。
朔
うん!
朔
(多分、最初の所に戻ってみれば道がわかる)
朔
(この子の習慣だったなら、帰れるはず…だよな?)
最初に居た所に戻り、少し周りを散策した
女の人
咲良〜
朔
(…誰か探してる…?)
男の人
咲良〜!どこいったんだ〜!?
朔
(…俺じゃない、よな?)
女の人
ねぇ、そこの君。
咲良を知ら…な…
咲良を知ら…な…
男の人
どうした…って…
俺を見て黙る仲が良さそうな男女
朔
…?
女の人
咲良…?
朔
え…?
朔
(俺が…咲良ってこと…?)
男の人
でも、髪色も目の色も違う…
女の人
どうしちゃったの…?咲良、よね…?
朔
(あ、そうだよな。この体にだって親は居て、名前だってあるし、もともと生きていたんだよな…)
朔
そう、だよ…?
女の人
何で髪や目が変わってるの?
朔
わかんない…
男の人
…とりあえず、家に帰ろう。
もう暗いからな
もう暗いからな
女の人
え、えぇ。そうね