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さっさと僕を連れてって。

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さっさと僕を連れてって。

4 - 名乗っていいのはただ1人

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2022年01月30日

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ある日の夜……

ピンポーン

糸吉

ん?…誰?母さん、ちょっと見てくるね

わかったわ、気をつけてね

糸吉

はーい、どちら様で…

昭吉

や、久しぶりだな

昭吉

元気にしてたか?

糸吉

………!

糸吉、どうした…って、…‼︎
あなたじゃない

昭吉

明子も久しぶりだな。元気そうで何よりだ

糸吉

…何しに来たんだよ!!

昭吉

なんだ?息子と妻の様子を見に来るのは悪いことなのか?

い、糸吉も落ち着いて。
あなたも、ここに来るなんてどういう心変わり?

昭吉は俺の父親。だが、俺が生まれてすぐに若い女と夫婦になり、 俺と母さんを捨てた。母さんはたった1人で俺をここまで 育ててくれた。だから、こうして機嫌がいい時しか近づいてこない 父親を、俺は嫌っている。

昭吉

俺は昔から変わっちゃいねえよ、明子と出会ったときからな

糸吉

…るっせえよ!
俺と母さんに近づくな!

糸吉

俺の親と名乗っていいのは、母さんただ1人だ!

昭吉

ふ、その威勢の良さ、若い時しか出ねえもんな

昭吉

あ、糸吉にとっては義理だが弟ができたぞ。
見に来てもいいからな

そう言って、あの男は去っていった

…大丈夫よ。私は、糸吉さえいればいいのだから

糸吉

…でも…。

母さんの言っていることが嘘っていうこともバレバレだ。母さんの 握った拳は、汗をかいて震えている。

そんな父親を潰すためなのか、俺はネットの世界にのめり込んでいった

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