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#一次創作
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由良に絡まれてから約一ヶ月が経った。
初めはただ一方的に話しかけられているだけで、ウザいなとしか思わなかったが、 だんだんと時間が経っていくうちに由良との会話が心地良くなっていた。
由良
春太
最近では僕から話しかけることも多くなり、関係も結構上手くいっていると思う。
由良との会話がきっかけで僕もだんだんとクラスに馴染めるようになっていた。 ボサボサだった長い髪も切り、眼鏡もコンタクトにし、見た目に気を使うようになった。
春が終わり、夏が近づいて来た。
あの時から僕の気持ちは始まっていたのだろう。
由良
夏の湿気が肌にしつこくまとわりつくような日だった。 僕は驚きで思わず自分の持っていた本を落としてしまった。
春太
少し声が裏返ってしまった。動揺が隠し切れなかった。 由良は一瞬目を逸らした後、照れたように小さく声を捻り出した。
由良
前田さんか、彼女は少し大人びていて、清楚で綺麗な人だったので学年でのマドンナ的存在だった。
春太
由良
春太
純粋にそう思った。由良が彼女を好きになった理由がただ知りたかった。
由良
春太
由良は顔を赤くしながら冗談を言う時のように少しおどけた声を出した。
由良
僕は相槌を打ちながら必死に由良の言葉を頭に入れていた。
由良
しばらく沈黙が続いた。僕は一瞬呆れたような顔をした後、こう言った。
春太
由良
くすぐったい雰囲気が終わり、いつも通りの由良に戻っていた。 でも僕の心には何か、変な気持ちが燻っていた。
『なんで僕は由良の恋を素直に喜べ無いんだろう』
そんな気持ちでいっぱいだった。