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おもち
おもち
おもち
おもち
【第1話】 さよならの朝、はじまりの朝 #2
Time:07:16 Place:スターライトポラリス クリニック リビング
KOTTARO
kuni
くには伸びをしながら「ふわぁ」と大きなあくびをしてソファに寝転がった
relu
relu
KOTTARO
KOTTARO
relu
そう言うなり、れるも"ぐでーっ"とソファに身を投げた。
KOTTARO
relu
KOTTARO
KOTTARO
こったろはこえが寝てる病室へ向かった。
Time:07:20 Place:病室 Side:こったろ
こえのベッド。カーテン越しの薄明かりの中、布団が小さく上下してる。
KOTTARO
返事がない。 代わりに、枕の濡れた跡が目に入る。
KOTTARO
KOTTARO
ちむの頬には乾きかけた涙の跡がある。 でも、本人は無意識なのか、すやすやと眠っている。
KOTTARO
俺はちむの肩を揺らした
coe
ちむは眠たそうに目を開ける。ぼんやりとした視線だ。
KOTTARO
coe
自分が泣いていたことに、気づいてない。 枕、こんなに濡れてるのに…。
KOTTARO
KOTTARO
coe
ちむは少し考えてから小さく頷いた
KOTTARO
Time:07:28 Place:リビング
- バタンッ -
玄関のドアが鳴り、ゆうがコンビニから帰ってきた。
YOU
コンビニの袋を片手に持ち、ゆうがリビングへ入ってくる。 れるとくにはソファで"ぐでーっ"と寝転がっていた。 くには伸びをしながら「ふわぁ」と大きなあくびをして起き上がった。
kuni
kuni
目をこすりながら、ぼんやりとゆうのほうを見やる。 れるはソファからぼんやりとカーテンの隙間から外を眺めている。
relu
朝の光がカーテンの隙間から差し込み、少し肌寒いリビングの空気をほんのりと明るく染めていた。
kuni
ソファの向こうから、小さな声が返る。
coe
ふらふらと歩いてくるこえは、まだ半分寝ぼけているようだった。
relu
coe
こえはこったろの後ろをちょこちょことついていきながら、ふとテーブルの上を見た。コンビニの袋が広げられ、中にはいろんな種類のパンやおにぎりが詰まっている。 こえはまだ完全に意識が覚めきっていないのか、テーブルの上のコンビニ袋を"じーっ"と見つめる。 ゆうがその視線を感じ取った。
YOU
YOU
すると、こえの目がぱっと開く。
coe
coe
こえは一気に目を輝かせて、ゆうに駆け寄った。 ついさっきまでぼんやりしていたのが嘘のようだ。 ゆうは思わずクスッと笑いながら、袋の中を探った。
YOU
ゆうが袋からいちごサンドを取り出し、こえに渡す。 「やったぁー!」と声を上げ、ぴょんっと跳ねた。
coe
kuni
coe
ゆうがテーブルに、パンとおにぎりを並べる。
YOU
KOTTARO
KOTTARO
「いただきまーす!」🙏
kuni
kuni
KOTTARO
くには一瞬でおにぎりを食べてしまった。 その隣で、こえは頬をいっぱいに膨らませながら、口の端にクリームをつけてもぐもぐしている。 一方、れるは袋も開けずに、テーブルの端でうつむいて座っていた。
YOU
YOU
れるの肩が、ぴくっと小さく動いた。
relu
coe
こえは、クリームを付けたままの口を動かしながら、れるをじっと見つめた。 れるは昨日の夕飯のときも、れるはほとんど手をつけていなかった。
YOU
ゆうの声は優しく、それでいてほんの少しだけ、焦りがにじんでいた。
relu
れるは指をぎゅっと握り、視線を落としたまま動かない。 「食べなきゃいけない」と思う気持ちと、「食べたくない」という気持ちが、胸の中で絡み合う。喉が詰まりそうな気がする。 でも、このまま何も食べないのもよくないことは分かってる。
kuni
くには手に持っていた新しいおにぎりを半分に割り、そっとれるの前に置く。 れるは一瞬、迷うように指を動かし__ゆっくりと、おにぎりの端に手を伸ばした。
YOU
こったろはその様子を見つめながら、ゆっくりとコーヒーを口に運んだ。 深く静かな味が、喉を落ちていく。 みんな、それぞれのペースで朝食をとる。 ふと気づけば、こえがほっぺにクリームをつけたまま、夢中で食べている。
kuni
coe
KOTTARO
coe
YOU
relu
__今日が4人で過ごす最後の朝になる。 でも、それを感じさせないくらい、いつも通りのにぎやかな朝だった。 カーテンの隙間から差し込む朝の光が、ぼんやりとテーブルの上を照らす。 笑い声と、パンをかじる音と、湯気の立つコーヒーの香り。 「いつも通りの朝」だけど、いつかきっと、思い出す朝。 れるがそっと、おにぎりを口に運ぶ。 その小さな仕草を、ゆうは安心したように見守っていた。
Time:07:50 Place:ダイニング
子どもたちが各々「ごちそうさま〜」と手を合わせる。 テーブルの上には、食べ終えたパンの袋やおにぎりの包みが散らばっている。 こえとくには自分のゴミをかき集めて、"どっちが先にゴミ箱へ入れるか"競争を始めていた。元気よく椅子を引き、ゴミを両手に抱えると、ゴミ箱へと走っていった。 一方で、れるは手元に残った野菜ジュースの紙パックを指先で転がしていた。
YOU
relu
れるは"はっ"と我に返って、手に持っていた紙パックをそっとゆうに渡した。
coe
coe
relu
その様子を見ながら、こったろとゆうは自然と片付けを始める。 テーブルの上に残ったゴミを集めながら、ふと目を合わせた。
KOTTARO
YOU
KOTTARO
KOTTARO
YOU
YOU
KOTTARO
二人は少し考え込むように視線を落とした。
YOU
KOTTARO
YOU
KOTTARO
KOTTARO
KOTTARO
YOU
子どもは大人が思っている以上に察しが良い。 大人たちが焦ってることくらい、すぐに分かる。 だから普段は、子どもたちの近くでこんな話はしない。 そんな会話が聞こえてきたら、子どもたちも不安になってしまうから。 だから『心配』だなんて、言わない。 それでも今、ここで口に出てしまうくらい、心配だった。
YOU
KOTTARO
YOU
YOU
KOTTARO
こったろはゴミ袋の口をしばりながら、少しだけ安心した様子で言った。
KOTTARO
KOTTARO
YOU
二人はゴミ袋をまとめながら、ちらりと子どもたちの方を見た。 こえとくにはソファの上でじゃれ合い、れるはその様子をぼんやり眺めながら歯ブラシを動かしている。
KOTTARO
coe & kuni
relu
coe & kuni
KOTTARO
YOU
こったろは静かに缶コーヒーをもう一口飲んだ。 ぬるくなった苦味が、ほんの少しだけ甘く感じた。
おもち
おもち
おもち
次回投稿日:3月下旬
次回 【第1話】 さよならの朝、はじまりの朝 #3
おもち