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咲蓮
小萩
咲蓮
小萩
小萩
お兄ちゃんは大きなため息をつくと、 床に座り込んでしまった。
顔は腕で隠れていてよく見えないが、 顔どころか耳まで赤く染まっているように 見える。
小萩
咲蓮
お兄ちゃんの顔がさらに赤くなる。
しばらく経ったころ。
小萩
咲蓮
ちょうど温かいものが欲しかったので、 お茶を汲んで待つことにした。
咲蓮
小萩
咲蓮
咲蓮
小萩
小萩
小萩
小萩
小萩
小萩
そこで言葉は途切れてしまったが、 その続きもあるような気がしたので、
私は迷わずに言った。
咲蓮
図星を指されたらしいお兄ちゃんは、 顔を僅かに下に向けたあと、私の方を 向き直った。
小萩
小萩
咲蓮
咲蓮
小萩
小萩
小萩
小萩
小萩
私は霞とはとても仲が良かった。
だから、お兄ちゃんが今教えてくれた ことはすぐには信じがたく、
飲み込むのには時間がかかった。
小萩
覚えている。
たしか、お兄ちゃんが風邪を 引いていたときだった。
霞がひとりで看病しているのを見て、 居ても立ってもいられなかったから、
一緒に看病したのがきっかけだっけ。
小萩
小萩
小萩
小萩
小萩
小萩
咲蓮
いつの間にか口から勝手に 言葉が出ていた。
せっかく言葉にできたんだ。
だからその勢いを失わないように、 私はさらに言葉を続ける。
咲蓮
咲蓮
咲蓮
咲蓮
小萩
咲蓮
咲蓮
小萩
小萩
小萩
咲蓮
小萩
その言葉にはっとした。
咲蓮
言葉がしどろもどろになっている 私を見て、兄も私の心の内を察した のだろう。
すると、兄は私をみて柔らかい笑みを 浮かべた。
小萩
それを聞いて、私の中の混ざった気持ちが 晴れていくような気がした。
咲蓮
小萩
咲蓮
私が笑いかけると、兄も頷いた。
空は夕日の光を受けて、七色にきらめいて いる。
風がそっと吹き抜けるたび、色は茜から 紫へと静かに移り変わっていく。
足元では草花が涼しげに揺れ、遠くからは 鳥の鳴き声がかすかに聞こえてくる。
頬を撫でる風はひんやりとしていて、 昼間の暖かさが少しずつ遠ざかって いくのを感じた。
胸の奥がそわそわと弾む。
どんな景色が待っているのだろう。
どんな出会いがあるのだろう。
家の外へと足を踏み出そうとした、 そのときだった。
ビュウウゥゥ…!!
咲蓮
小萩
風が、大きな羽で包み込むように私たちの 周りをやわらかく舞い上がった。
見間違いかもしれないけれど、その中には 桃色、水色、紫色の花たちが 散りばめられているようにも見えた。
風が収まり、次に目を開けたとき、
私たちは目の前の景色に驚かずには いられなかった。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹