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夕暮れの空は、薄い群青色に溶けかけていた。
駅前の通りには赤い提灯が並び、屋台の明かりが人の波を照らしている。 焼きそばの匂い、りんご飴の光沢、金魚すくいの水音。 遠くから、太鼓の音が一定のリズムで響いていた。
百鬼夜行祭。 名前だけは物騒だが、ただの地域の夏祭りだ。
ぺいんと
ぺいんとが周囲を見回して言う。
しにがみ
しにがみ
トラゾー
クロノア
小さく笑いがこぼれる。
しにがみくんが射的の屋台を見つけて立ち止まる。
しにがみ
ぺいんと
トラゾー
しにがみ
しにがみ
クロノア
しにがみ
いつもの調子。
誰かが軽くいじって、誰かが笑って、空気が柔らかく流れていく。
特別なことは何もない。
ただの祭りの夜。
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
クロノア
石段の上にある小さな社。
普段は固く閉ざされ、しめ縄が張られている場所だ。
ぺいんと
しにがみ
トラゾー
しにがみ
また笑いが広がる。
そのとき。
太鼓が、ひときわ強く鳴った。
どん。
どん、どん。
胸の奥に直接響くような低い音。
クロノア
ぺいんと
スマホを確認する。
ぺいんと
0時前。
太鼓が一段と大きく鳴る。
どん。
その瞬間、空気がわずかに重くなった。
提灯の灯りが揺れる。
しにがみ
トラゾー
俺は空を見上げた。
月が、赤い?
ぺいんと
ぺいんと
トラゾー
しにがみ
ぺいんと
トラゾー
冗談めいた声。
けれど、俺の胸の奥に小さな違和感が残る。
太鼓が鳴る。
どん、どん、どん。
……同じリズム。
さっきも聞いた気がする。
ぺいんと
しにがみ
その瞬間。
提灯の灯りが一斉に強く揺れた。
赤が濃くなる。
ほんの一瞬だけ。
俺は振り返った。
参道の下。
さっき転んだ子どもが、また同じ場所で転んだ。
同じ声。同じ泣き方。
クロノア
トラゾー
クロノア
トラゾー
ぺいんと
しにがみ
クロノア
トラゾー
トラゾー
しにがみ
クロノア
ぺいんと
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
クロノア
クロノア
それにしても説明できない。
でも確実に。
この瞬間を、知っている。
太鼓が鳴る。
どん。
どん、どん。
空の赤い月が、わずかに歪んだ気がした。
…ん?石段の上…
閉じられていたはずの社の扉が、少し開いている。
しめ縄が切れていた。
クロノア
ぺいんと
トラゾー
しにがみ
クロノア
三人が、少しだけ真顔になる。
クロノア
ぺいんと
クロノア
理由はないけど…
でも、胸の奥がざわつく。
トラゾー
しにがみ
誰も大きく反対はしなかった。
石段を上がる。
一段、また一段。
祭りの音が、背後で遠くなる。
太鼓が鳴る。
どん。
どん、どん。
さっきと、まったく同じリズムで。
赤い月が、静かに見下ろしていた。
夜は、まだ終わりそうになかった。
てるてる坊主
てるてる坊主
てるてる坊主
てるてる坊主
てるてる坊主
クロノア