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夕暮れの空は、薄い群青色に溶けかけていた。

駅前の通りには赤い提灯が並び、屋台の明かりが人の波を照らしている。 焼きそばの匂い、りんご飴の光沢、金魚すくいの水音。 遠くから、太鼓の音が一定のリズムで響いていた。

百鬼夜行祭。  名前だけは物騒だが、ただの地域の夏祭りだ。

ぺいんと

うわ、人すご……

ぺいんとが周囲を見回して言う。

しにがみ

あ、ぺいんとさん去年来てないのか

しにがみ

百鬼夜行祭めっちゃ人多いんですよー

トラゾー

にしても、去年より多くないか?

クロノア

それ、毎年言ってる笑

小さく笑いがこぼれる。

しにがみくんが射的の屋台を見つけて立ち止まる。

しにがみ

あ!あれやりたい!!

ぺいんと

お前絶対当たらないだろ笑

トラゾー

まあ当たらんだろ笑

しにがみ

やる前から否定してないでよ!!笑

しにがみ

クロノアさんは僕の味方ですよね!?

クロノア

シニガミクンナラデキルヨ(棒

しにがみ

ちょっと棒読みすぎない!?!?

いつもの調子。

誰かが軽くいじって、誰かが笑って、空気が柔らかく流れていく。

特別なことは何もない。

ただの祭りの夜。

トラゾー

そういえばさ、奥の神社、今年は社が開くらしいぞ

ぺいんと

え、あの閉まってるやつ?

しにがみ

特別公開って書いてありましたね

クロノア

へぇー珍しいな

石段の上にある小さな社。

普段は固く閉ざされ、しめ縄が張られている場所だ。

ぺいんと

絶対なんか仕掛けあるやつじゃん笑

しにがみ

ホラー系だったら僕帰るよ?

トラゾー

しにがみさん、まさか怖いの?(ニヤッ

しにがみ

いーや、怖くないけど?

また笑いが広がる。

そのとき。

太鼓が、ひときわ強く鳴った。

どん。

どん、どん。

胸の奥に直接響くような低い音。

クロノア

……ねぇぺいんと、今何時?

ぺいんと

今っすか?今は…

スマホを確認する。

ぺいんと

23時59分

0時前。

太鼓が一段と大きく鳴る。

どん。

その瞬間、空気がわずかに重くなった。

提灯の灯りが揺れる。

しにがみ

あれ?風、吹いてる?

トラゾー

いや、吹いてないね

俺は空を見上げた。

月が、赤い?

ぺいんと

どうしたんすか?クロノアさn、って

ぺいんと

え、今日満月じゃん!

トラゾー

いや、でもなんか色濃くないか?

しにがみ

赤っぽい…?

ぺいんと

今日なんちゃらムーンとかなんじゃない?

トラゾー

なんだよ、なんちゃらムーンって笑

冗談めいた声。

けれど、俺の胸の奥に小さな違和感が残る。

太鼓が鳴る。

どん、どん、どん。

……同じリズム。

さっきも聞いた気がする。

ぺいんと

あ、0時になった

しにがみ

日付変わっちゃいましたね

その瞬間。

提灯の灯りが一斉に強く揺れた。

赤が濃くなる。

ほんの一瞬だけ。

俺は振り返った。

参道の下。

さっき転んだ子どもが、また同じ場所で転んだ。

同じ声。同じ泣き方。

クロノア

……今の

トラゾー

どうした?

クロノア

さっきもあの子ども、あそこで転んでなかった?

トラゾー

え?そうか?

ぺいんと

いや、子どもが転ぶとかよくあるじゃないですかー

しにがみ

クロノアさん気にしすぎですよー

クロノア

えーそうかなぁ…?

トラゾー

なんかクロノアさん疲れてない?

トラゾー

さっきから難しい顔してますよ笑

しにがみ

まさか、、僕が射的で猫のぬいぐるみ取れなかったから…?

クロノア

いやいや、違うよ笑

ぺいんと

俺は言ったよ?絶対当たらないって

しにがみ

でもぺいんとさんも当たってないですよねー?

ぺいんと

はぁー?あれは絶対銃が壊れてた!!

しにがみ

うわー言い訳ですか?見苦しー

クロノア

あー2人ともケンカしないの笑

クロノア

ほら子どもがすごい目で見てるよ

それにしても説明できない。

でも確実に。

この瞬間を、知っている。

太鼓が鳴る。

どん。

どん、どん。

空の赤い月が、わずかに歪んだ気がした。

…ん?石段の上…

閉じられていたはずの社の扉が、少し開いている。

しめ縄が切れていた。

クロノア

……あそこ、開いてるよね?

ぺいんと

あ、ほんとだ

トラゾー

さっき閉まってなかったか?

しにがみ

特別公開ってやつじゃない?

クロノア

…違う

三人が、少しだけ真顔になる。

クロノア

行こう

ぺいんと

え、今?

クロノア

なんか……嫌な感じがする

理由はないけど…

でも、胸の奥がざわつく。

トラゾー

……じゃあ、見に行くだけな

しにがみ

すぐ戻るからね??

誰も大きく反対はしなかった。

石段を上がる。

一段、また一段。

祭りの音が、背後で遠くなる。

太鼓が鳴る。

どん。

どん、どん。

さっきと、まったく同じリズムで。

赤い月が、静かに見下ろしていた。

夜は、まだ終わりそうになかった。

てるてる坊主

はじめまして

てるてる坊主

てるてる坊主と申します

てるてる坊主

初めてなので続くかわかりませんが

てるてる坊主

読んでくれると嬉しいです

てるてる坊主

🙇‍♀️

クロノア

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終わらない百鬼夜行【ncj.d!】

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