RYUSEI
さぁ、第三問は某県にございます、とあるホテルにて起きた事件がベースになっております。

RYUSEI
どんなことが起きるのか……というVTRを見ていただく前に、こちらに俗称、錯覚館と呼ばれるホテルの模型を用意しました。

スタジオの中央に置かれた台の上には、いかにもといった具合の布がかけられている。
RYUSEI
それでは、こちらが模型になりまーす。

そう言ってRYUREIが布を取ると、その下に段ボールで作ったであろう模型が姿を現した。
それこそ、小学生の低学年が作った、夏休み明けの工作のほうが、まだクオリティーが高いと思えるような、雑な作りの模型だった。
RYUSEI
私、かなり手先が不器用でして、事件の現場となった【ロの字回廊】の部分だけの模型となります。

RYUSEI
さぁ、みなさん席から離れてこちらへ。

RYUSEI
ご自由に観察していただいて結構です。

RYUSEI
ちなみに……隙を見て私を襲ってやろうなんて、ヤボなことは考えずに。

RYUSEI
ここからずっと出られなくてもいいのであれば、止めはしませんけど。

軽い牽制を入れたのちに、RYUREIは自ら作ったという模型へと九十九達を促す。
九十九
ったく、こういうところに金をかけろよ。

九十九
クオリティー酷いな。

長谷川
まぁ、努力の片鱗が見えなくもないが。

茜
なんか、夏休み明け直前まで宿題やってなくて、本当は全体像を作るつもりが、途中で完成品とした工作みたい。

RYUSEI
やれやれ、酷い言われようですねぇ。

眠夢
でも、こうして模型まで作ったってことは、きっと次の問題には、この構造が関係してくるはず。

あえて事件……と言わなかったのは、場の空気を悪くしないようにするための、眠夢の気遣いなのであろう。
数藤
ふむ、そもそもなぜ、これが【ロの字回廊】と呼ばれているのか?

RYUSEI
ご覧の通り、回廊がロの字になっていて、その中央部は中庭になっているのです。

茜
この模型通りなら、部屋が北の中庭側に5部屋、南の中庭側にも5部屋あることになるのか。

RYUSEI
その通りです。

RYUSEI
南側の部屋から中庭を見ると、向かいに北側の部屋の窓が見える。

RYUSEI
同じく、北側の部屋の窓から外を見ると、中庭の向かいに南側の部屋の窓が見える構造ですね。

九十九
で、そもそもホテルはどうして、錯覚館なんて呼ばれるようになったんだ?

九十九
わざわざ、その情報を引っ張り出してきた辺り、問題にも関わってくるんだろ?

RYUSEI
その通りです。

RYUSEI
実はですね、この【ロの字回廊】なのですが、北側と南側の廊下の長さ、部屋の数などは同じなのですが、南側の窓から中庭を見ると、北側の廊下の長さが短く見え、北側の窓から中庭を見ると、なぜか南側の廊下が長く見えてしまうのです。

RYUSEI
構造的には同じ長さの廊下なのに、除く窓によって長さが異なっているように見える。

RYUSEI
それゆえに、このホテルは俗称で錯覚館と呼ばれるようになったのです。

数藤
それで、具体的にはどんなことが起こったのだね?

RYUSEI
それは、これから見ていただく再現VTRを確認していただければと思います。

RYUSEI
それでは皆さんは席にお戻りください。

RYUREIに促され、それぞれが自分の席へと戻る。
九十九
(RYUREIのやつ、何を考えてる?)

九十九
(いつまで俺達にこんなことをやらせるつもりなんだ?)

ふと、空席になってしまった、ふたつの解答席を見て、九十九は強く拳を握りしめたのであった。