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こりん
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ゆ59
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コメント
1件
うわあ、これ良すぎるんだけど…! 卒業式の切なさと、美術室での最後の告白、めっちゃ沁みたわ。特に「もう卒業したからいいよね」って先生の台詞、ずるいって思ったけど、確かにそういう関係性の変化が丁寧に描かれてて、すごく刺さった。ずっと待ってたって言われたときの主人公の気持ちを想像するとこっちまでドキドキしたよ。続き読みたい、めっちゃ気になる!
緑黄
先生×生徒
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桜の花びらが校庭をピンクに染める今日 俺たちはこの学び舎を卒業する。
体育館は厳かな空気に包まれていて 式が進むにつれ周りからは啜り泣く声が聞こえてくる
でも俺の胸の中にあるのは悲しみだけじゃない
ただ、もう明日からあの人に会えなくなるんだ という言葉にできない焦燥感だけだった。
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すち先生 美術の先生で俺の担任。
そして学校でいちばんモテる先生。
そして俺がずっと、胸の奥で密かに想い続けている人
「卒業生、退場」
拍手に包まれながら体育館を後にする
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俺の視線は列の先頭で優しく微笑みながら拍手を送る すち先生の姿に吸い寄せられるように固定されていた
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先生と目が合った気がして
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慌てて俯いた
先生にとって、俺は唯の生徒のひとり。
沢山いる生徒の中のその他大勢。
それでも、優しく名前を呼んでくれるあの声が 明日からは自分に向けられないと思うと胸が チクチクと痛んだ
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式が終わり教室での最後のホームルームも解散になった
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教室では、先生と写真を撮ろうとする女子生徒達で ごった返している
すち先生は困ったように眉を下げながらも一人一人に優しく応じていた
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俺は宛てがわれた卒業証書の筒を強く握りしめ その輪に入れないまま
ガ ラ ラ ラ ラ ッ
静かに教室を後にした
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そんな贅沢な願いを抱えながら 夕暮れに染まり始めた校舎の階段を上る
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向かったのは、放課後によく残って二人で補習や雑談をした思い出の美術室だった
鍵の開いていたドアをそっと開け、誰もいない室内に足を踏み入れる
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いつもの席に腰掛け、オレンジ色に沈んでいく校庭を眺めていると視界がじんわり滲んできた
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小さく呟いたその時、
ガ ラ ラ ラ ラ ッ
背後の扉が静かに開いた
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心臓が跳ね上がる
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振り返るとそこには少し息を切らせた先生が立っていた
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先生はいつもの優しい笑みを浮かべ俺の隣の席へ 腰掛けた
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ふわっ
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ふわりと先生の香水の匂いが鼻をくすぐる
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少しだけ拗ねたような声になってしまった俺に先生は
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と苦笑いした
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先生の綺麗な瞳が真っ直ぐに俺を捉える。 その眼差しがあまりにも優しくて温かくて俺は耐えきれずに視線を落とした
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声が震える。 必死に涙を堪えようと唇を噛み締める。
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ポロポロと堪えていた涙が頬を伝い落ちる
どうせ届かない恋だ。 明日からはもう先生と生徒やない
だったらこの溢れそうな想いを最後に ぶつけてしまいたかった
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コ ト ッ
泣きじゃくる俺の手から卒業証書の筒が転がり落ちる
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それを拾うことなく先生は俺の涙で濡れた頬に そっと大きな手を添えた。
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驚いて目を見開いた俺の視界に夕日に照らされた先生の見たこともないくらい切なげで 愛おしそうな表情が飛び込んでくる
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先生の長い指が優しく俺の涙を拭う
ド キ ッ ド キ ッ
その手の温もりに心臓が爆発しそうな程激しく脈打った。
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すち先生は悪戯っぽくでもこの上なく優しく微笑んで 俺の顔にゆっくりと自分の顔を近づけた
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吐息が触れ合うほどの距離で、先生の低い声が鼓膜を揺らす
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夕暮れの静かな美術室。
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チ ュ ッ
先生の手が俺の後頭部を優しく包み込み ゆっくりと唇が重なった
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それはこれまでの先生と生徒という境界線が 綺麗に溶けていくような
甘くて少しだけ苦い、初めてのキスの味だった。
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