森崎
気持ちよく鼻唄を歌っていると
少女
少女が蝶々を追いかけている様子が、目にはいった
森崎
その様子を微笑ましいな、と思っていると
プップー!!
蝶々を追いかけて車道にでていた少女に、 トラックがクラクションを鳴らした
少女
少女は大きな音に驚いたのか硬直している
トラックは減速していない このままだと、、、
森崎
俺は、自分でも驚くほどの足の早さを発揮し
ドン!
少女
少女を押し飛ばした
森崎
そして、トラックは俺の方へ
勢いよくぶつかった
森崎
俺は空中へと舞いながら
森崎
なんて、関係のないことを考え
ドサ…
地面に叩きつけられた
唐突だが思う
俺はトラックに吹っ飛ばされ、そのまま逝ったはずだ
地面に叩きつけられてからの記憶がないからだ
でもこうして、俺は意識を持っている
もしかして、異世界転生的なやつか?
まさか本当に実在するとは思わなかった
というか、視界が真っ白だ
それに、目を開けている感覚がない
まるで、目がないみたいな…
・・・
え?もしかして、そういう感じ?
嘘でしょ!?
俺はこんな真っ白な世界は嫌だ!
景色が見たい!色とりどりの世界がいい!
ああ!神様、仏様、女神様!!
俺に美しい景色を見せてくださーい!!
う、うん?
おお!景色だ!木々がいっぱいだ!
ふーー!やったぜ!
それに、もしかしてここは異世界なのか?
そうなると、未知の生物とかはいるのかな?
とりあえず、この辺りを探索しよう!
あれ?
動かない
なんでぇ!?
・・・
てか、今気がついたが
なんか、視界がおかしい
下を見下ろしたら高さはざっと5m以上あるし…
それに、口で喋っている感覚がない
ずっと頭の中で喋っているような感覚だ
ゾッとする
まるで、自分が生物ではなくなったような 薄気味悪さ
落ち着こう
大丈夫、俺は大丈夫だ
現に今、こうやって思考できているじゃないか
とりあえず、現状を把握しよう
よし、大体わかってきた
信じられないが
木
俺は木に転生?したらしい
木
喋っているように思えるが、実際は喋れていない
だって、木に口なんてないから
動けないのも、足がないから
目だってないはずだが、視界は見える
現在進行形で、この身で不思議体験を味わっているが
木
人から木って… せめて、動物が良かった
細かく言うなら、鳥とかライオンとかが良かった
木
今さら何をいっても変わらない
木
おい、そこのお前、新入りか?
木
何だ?この声
頭に直接話しかけられているような
あー、多分戸惑っているな
これはな、思念のようなもんだ
木
そうだ、今お前が使ったものだ
木
さっきからずっと、お前は頭の中で喋っていると勘違いしてたんだろうが
思念でお前の独り言は聞こえてきたぞ
木
え?つまり…
丸聞こえってことだ
木
恥ずかしくて死にたくなってくる
まぁ、そう悶えるな
俺も最初はそうだったからな
木
最初、つまり今俺に思念を送っているのは
木
まぁそんなところだ
ビンゴ!
木
ああ、いいぞ
もともと、そのつもりでいたからな
よし!
そうして、俺は木に転生して初めの一歩を踏み出した