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と、いうわけだ
木
俺は声の主からここの説明を受けた
曰く、ここは人里から離れた森林地帯であること
ここには、俺や声の主以外にも 多くの、意識を持った植物がいること
ここでは思念というのを送り合い、擬似会話を行えること
定期的に、もともと意識のない植物に 俺のような転生した魂が入り込むのか、意識のある植物に変わったり 種もないのに、いきなり生えてくること
この声の主は、そんな意識を持ち始めたばかりの植物をまとめる ボスのような存在であること
1ヶ月に一回ほどのペースで、人間が植物を採取や伐採しにくること
そして、この6つともう1つ
ここでは光合成を最大限行うこと
これだけは絶対に守れと、念を押して言われた
というのも、ここら一帯の植物は 不思議なことに、光合成や呼吸を行わなくても大丈夫なのだ
それは本当に植物なのかと思うが、割りきるしかないのだろう
ということで、早速光合成を行っているのだが
木
日光浴のようなぽかぽかとした感じはない
あるのは、プラシーボ効果からくると思われる暖かさと少しの無機質さ
木
人だった頃に見ていたライトノベルなんかの作品で 植物に転生した題材のものがあった
それには、心地よいなんて表現が使われていたが 実際は全然だ
木
木
木としての生に少しの憂鬱を感じながら 俺は、酸素をだし続ける
木
空はもう暗く、夜になっているのが分かる
木
そう、動くことのできないこの体で ただ光合成をするというのは、退屈だろうなと思っていた
しかし、風の音や鳥のさえずりなど 人の頃には落ち着いて聞けなかったものを聞いて
風情とでもいうのか
木
そう思えた
少し感傷に浸っていると
女性
男性
恐らくカップルであろう二人組がこの森にやってきた
木
この人生、いや植生では初めての人間だ
女性
男性
今の季節や時間を考えて肝試しなのだろう
木
生憎、俺は前世では彼女がいなかった
木
別にこれは嫉妬などではない 森を舐めていると危ないので、気を引き締めさせようとするだけだ
決して、羨ましいとかの嫉妬などではない
木
俺は驚かせるため、葉の部分をわさわさと揺らそうと意識したが
木
残念なことに、できなかった
木
落胆する この心の奥に燻った怒りはどうすればいいのだろう
木
このままなにもしないのも悔しいので 俺は二人の話に耳を傾ける
女性
男性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
女性
男性
女性
男性
二人が遠くへ行ってしまったから、もう聞き取れなくなってしまったが
ある程度は理解できた
木
一部聞き取れなかったが
ここは、何かある
木
木に転生してまだ一日目だというのに、イベントが多い
退屈はしないだろうが、楽しめもしないんだろうなと
俺はこの後のことを思うと、また憂鬱になってきた
明日は、謎を解きにいこう 第二歩を踏み出そう