テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ひろし視点です
砕けた氷の破片が、床に降り積もる。 屋敷の空気は、刺すように冷たかった。
童磨は胸元の亀裂をなぞり、静かに笑う。
童磨
その声から、さっきまでの余裕は消えていた。
次の瞬間、 童磨が扇を大きく振る。
--ゴォォッ!
爆風のような冷気が屋敷を駆け抜け、ひろしの体を吹き飛ばした。
野原ひろし
壁に叩きつけられ、視界が一瞬暗くなる。 床に落ちた拳が、小さく震えた。
童磨
童磨の背後で、巨大な氷の塊が形を成す。
童磨
野原ひろし
ひろしは床に手をつき、息を整えながら立ち上がった。 体中が悲鳴を上げている。
野原ひろし
それでも、足を前に出す。
野原ひろし
近くに転がっていた、折れた柱を掴む。
野原ひろし
柱の表面が、みるみる凍っていく。
野原ひろし
ひろしは歯を食いしばり、童磨をにらんだ。
野原ひろし
--ドガァァン!!
柱が氷を砕き、童磨を押し下がらせる。
童磨の体に、新たな亀裂が走った。
童磨
童磨は小さく息を吐く。
童磨
ひろしは柱を落とし、拳を握り直す。 血と霜が、指にこびりついていた。
野原ひろし
童磨の目が、細く光る。
童磨
冷気が渦を巻き、 二人の距離が、さらに縮まる。
戦いは、 最後の一歩手前まで来ていた。
コメント
3件
すげぇ!!!ひろし頑張れ!!!