瞼を開くと見慣れた天井が 網膜に写った
隣を見ると愛する人
壁の方を向いていたので
私
小さく呟いて後ろから抱きしめた
亮
私
寝ぼけた声もほんのり感じる パジャマ越しの体温も
貴方の選んだ柔軟剤の匂いも
全部全部、大好きだ
亮
私
亮
私
驚きのあまり、飛び起きた
だって、彼がたまに作ってくれる フレンチトーストは絶品だから
亮
私
亮
私
亮
亮
何故か彼は顔を真っ赤にして
目を反らしてベッドから降りた
私
亮
私
亮
私
リズミカルに卵を溶いていく亮
父子家庭だった彼は 昔から料理を任されたそうだ
私
彼の背中を ぎゅっと抱きながら聞いた
亮
私
亮
私
平然を装うも
無意識に声が しょんぼりしてしまう
亮
私
亮
朝から屈託のない 爽やかな笑みを見せつけられた
……そんなの
行かないわけ無いじゃん!
私
私
亮
私
亮
亮はいつも気を使ってくれる
優しくて、人の暖かさを感じる
そんなところを好きになったんだ
私
亮
亮
私
ふわりとかけられた上着に キュンとする
やっぱり、その優しさが大好き。
私
私
亮
私
笑いながら言うと
亮
照れ笑いをして頷く貴方がいた
私
亮
朗らかに笑う彼も
美味しそうなフレンチトーストを 頬張っていた
私
亮
私
亮
私
他愛ない会話と美味しい朝食
普段とは少しだけ贅沢な なんでもない日常
私
亮
私
私
亮
薄く笑ってみせる貴方は 何処か心配そうで
心配性で人に優しい 彼らしいな、と思った
私
軽く見えるように笑うと 彼も安心したように微笑んでいた
亮
亮
さっきとは打って変わって 真剣な表情になる彼
私
私
隣に座っている 彼の腹部に腕を回す
暖かくてほんのりと 香水の匂いがした
そっと香る柑橘系の匂い
彼が私の頭に手のひらを置いた
亮
私
顔を上げると にこやかに笑う彼がいた
それが凄く安心して 何故か
泣きそうになってしまった
私
亮
言い回しが回りくどいなぁ
でも、それでも
私
私
亮がどこにも行かないように 離れないようにと
回した腕をぎゅっと抱きしめた
瞼を朝日の光がノックする
まるで、起きるのを 急かしているみたいだ
私
無理矢理こじ開けた瞼
さっきまでの 夢の余韻に浸っていた
私
なんとなく言葉にして 二酸化炭素を吐く
隣を見ても貴方はいない
家中を探し回っても 貴方はいないんだ
私
少し広くなった 布団のシーツを握りしめた
それと同時に涙が溢れてくる
貴方の体温がいない
貴方の匂いがいない
周りを見渡せば貴方の欠片は いくらでもあるのに
私
私
あの日 彼と別れた日
笑って受け入れたフリをして
少し名残惜しかったのは その時に伝えるから
コメント
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物語作るのうますぎやしませんかぁ!?!?🥺💫
フレンチトースト食べたい((※冒頭しか見ていません
昔の思い出がずっと夢に出てくるくらい好きだったんだなと思うと本当に切ないです。すぐ冷めるのにずっと一緒だなんて軽く言わないでほしいと思ってしまいます…悲しいです