コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
レイナとの幼稚な約束を交わし、翌日屋上に向かうと先にレイナが屋上で待っていた
アキト
アキト
レイナ
レイナ
レイナ
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
レイナ
アキト
屋上に続く階段前でそんな会話をした後屋上に入って昨日と同じベンチでお昼を食べる
変わらず彼女は空や街並みに視線を向けていた
アキト
アキト
レイナ
アキト
レイナ
レイナ
アキト
レイナ
アキト
レイナ
アキト
アキト
アキト
アキト
レイナ
アキト
それから僕はお弁当を黙々と食べていき、彼女もそれ以降はずっと街並みや校庭を眺めていた
恐らくこの関係も今日で終わりだろう
なぜなら今日は相手方のお願いを聞いた日
昨日は僕の幼稚なお願いを聞いて貰った日だ
つまり、これで貸し借りはなくなった
もう共にいる理由付けはないのだ
今日が終わればまたいつもの『日常』が帰ってくるだけ
機械的に動くだけの日々が……
別にこの変な関係値を続けていたいわけではない
なくなるならそれはそれだ
明日からはまた屋上前の階段で黙々とご飯を食べて、時間をつぶし次の授業に備えるだけ
それだけなのに、不思議とこの関係値を壊したくないとも思えてしまう
理由はたぶん簡単だ
僕とレイナの境遇が似ているから、故に唯一の理解者で話ができる人だと勝手ながらにそう思っているからだ
でも、それは僕のエゴでしかない
僕のわがままに彼女を付き合わせる道理は何もない
ここは僕が大人しく手を引いた方がきれいに終われる
変に居心地のいい場所を求めてはいけない
そこにきっと依存してしまうから……
僕はそう自分に言い聞かせ食べ終えたお弁当を鞄にしまう
それとほぼ同時に彼女がこちらを振り返り僕に話かける
レイナ
レイナ
アキト
レイナ
アキト
アキト
アキト
レイナ
そう返事をした彼女はどこか悲しい顔をしていた
これはお互いのためになると思って僕は先ほどの言葉を彼女に投げかけたのだ
一度思案したように、互いにこの関係に特別な何かを見出せばそれに依存してしまう
そしてそれが崩れたとき多大なるダメージをお互い負うことになるのだ
もとより僕も彼女も死ぬことに対してはそれほど恐怖心は持っていないと勝手ながらに思っている
しかし、そんな僕らでも悲しいことに情は持ち合わせている
だから、この関係が崩れたらきっと互いに心に負担を背負ってしまう
死ぬ間際でさえもし今日のことを思い出したら?
それが心残りにでもなったら、きっと後悔してしまう
出会わなければ素直に死ねたのに、何も感じず逝けたのに
そう僕は考えてしまったからこそ、早い段階で僕はこの関係をやめることを提案したんだ
なのに、それなのに彼女はすでに今日含めたこの経った三日の出来事が記憶にこびりついて忘れられなくなっている
ダメだ、今ここで関係を切らないと沼になる
なしくずしで続けるのが優しさとは限らない
断ることもそれは時に優しさになるのだ
だから……だから僕は……
アキト
アキト
レイナ
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
アキト
レイナ
レイナ
レイナ
アキト
アキト
結局僕は妥協案を出してしまった
僕も知らぬ間に彼女とのこの関係にハマっていたのかもしれない
互いに取り繕う必要もなく、礼儀もいらない
そんな一見するとドライに思えるこの関係に経った三日で依存してしまっていたのだ
これでもう戻れない、あの何もない日常から
映るすべてが灰色の世界からこの時だけ色彩が灯る世界にと変わる
決められたサイクルが壊れるような、そんな音が僕の心から聞こえた気がした