目が覚めても
病院で .
やっぱり ,
夢じゃなかった
あ ~ あ
菫 .
菫 .
私は病院着から私服に着替え
病室を後にした
菫 .
なんて言っても
誰も返事は返ってこない
靴を脱ぎ
家に足を踏み入れた
自分の部屋で
荷物をまとめた
まとめ終えた頃
兄が入ってきた
菫 .
菫 .
私は兄の横を素通りして
部屋を去った
靴を履き
つま先を地面に打ちつける
逃げるように扉を開け
外に飛び出した
散歩がてらに
海沿いを歩いた
荷物をベンチに置き
靴を脱いで手に持ち
海に足をつける
冷たさと同時に
涙が溢れた
カゾクだって 認められてないのは
知ってた
けど ,
もう少しだけ
優しくしてくれると
思ったのにな .
お金になれ . なんて
そこまで言わなくても
いいじゃんか .
靴をギリギリ 濡れないところに
並べて置き
海にずかずかと入っていた
ドボンと
深い所まで 落ちてしまった
海水が目に染みるけど
目を開けずには いられなかった
泳げるけど泳ごうなんて
1㍉も思わなかった
もう忘れてしまったけど
記憶の中にある
私の手をとってくれた
貴方は
誰だったっけ ?
息が吸えなくなって
意識が朦朧とする中
誰かの腕に
抱かれた
気がする . . .
ん 、あれ ?
空が見えた
眩しさで思わず
目を手で覆った
菫 .
葛葉
菫 .
叶
叶
叶
菫 .
菫 .
菫 .
灰
葛葉
葛葉