むかしむかしあるところに1匹のかいぶつが居ました。 そのかいぶつは人間を食べないと生きていけない怪物でした
でもそのかいぶつは誰も
殺したくなかったのです
本当は人間と仲良くしたかったのです。 でも人間は自分を見て逃げて行きます。
ある日のこと
いつものように森を歩いていると 木の下で本を読んでいる男の子がいました。
男の子は自分を見るなりこう言いました。
『僕を食べてよ』
と。
その顔は優しい笑顔の裏に少し恐怖感があって やっと死ねると思ったのか少し安心しているような
なんとも言えない顔でした。
するとかいぶつはこう言いました。
かいぶつ
そう言うなり男の子を家に招き入れ,服を作ってあげました。
すると男の子は
男の子
と言いました。
かいぶつは
かいぶつ
と言い,男の子にたくさんご飯を食べさせてあげました。
それからかいぶつは男の子に 【ティファニー】という名前をつけ
それからも適当に言い訳をつけてティファニーを 食べようとはしませんでした。
ふと、かいぶつはティファニーに聞きました。
『どうして俺に食べてほしいんだ?』
少しの間,沈黙が続いた後ティファニーは答えました。
『生きる意味がないからさ。』
そんなある日のこと
ティファニーは狩りに行ったかいぶつを 楽しみに待っていました
花の冠を大事に持って。
コンコンコン。
ノックの音と同時にトビラが開きました。
鎖に繋がれたボロボロのかいぶつでした。
後ろには,なにやらよく分からない大人の人が大勢居ました。
大人の人はティファニーにむかって
『可哀想だったな。』
『今助けるからな』
などと,訳の分からないことを言ってきました。
ティファニーはかいぶつに抱きついて
ティファニー
とひたすら泣き叫びました。
バンッ
1人の大人がかいぶつに向けて鉄砲を撃ちました。
ドサッ
かいぶつはその場で倒れてしまいました。
ティファニーは慌ててかいぶつに近寄って
ティファニー
ティファニー
と必死に叫びました。
するとかいぶつは小さな声でこう言いました。
かいぶつ
かいぶつは泣き崩れるティファニーの 頬に手を当てて言いました
『幸せになれ』
あれから10年後
ティファニーは立派な大人になりました。
あの日からずっと自分にとって 幸せとは何か必死に考えました。
答えは見つかりません。
はたして天国にいるかいぶつは これでいいと言ってくれるのでしょうか。。。
コメント
1件
かいぶつが出るストーリーなんて考えたことなかったなぁ。凄い!