ずっと離れたくないと訴えていたあすみさんは
昨夜、夢の中に現れた優真さんの姿に
離れることを決意した
本当はずっとそばにいたい
その気持ちをグッと堪え
それが優真さんにとってどれ程辛い決断だったか
その全てをわかった上で
離れていく愛しき人に愛を誓う
井川あすみ
井川あすみ
井川あすみ
三村優真
三村優真
三村優真
優真さんは再び
あすみさんの手の甲に口づけをする
まだ傷の残る痛々しい彼女の手
そこに優しく触れる唇は
彼女のことを大切に思う気持ちで溢れていた
話が一段落したところで
私は一人病院を後にした
ほぼ徹夜状態だった優真さんを心配して
梶原智香
梶原智香
優真さんにも一旦、帰るようにと促したが
三村優真
三村優真
私一人で帰ることになった
数時間しか眠ることができなかったため
歩きながらのあくびが止まらず
事務所に戻ってすぐ
机に突っ伏して眠ってしまった
沢田マリカ
辺りを見渡すと
遠くの方に人影が見えた
若い男女だろうか
楽しそうにしているその男女の手には手錠が……
沢田マリカ
沢田マリカ
更に別の方向に目を向けると
切ない目でその男女の姿を見つめる男性の姿が……
沢田マリカ
沢田マリカ
辺り一面を覆い尽くす漆黒の闇
井川静(じん)
井川静(じん)
沢田マリカ
井川静(じん)
静さんは先の尖った何かを手に
二人の元へ走る
沢田マリカ
井川あすみ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
顔を上げるとそこは事務所の自分のデスクで
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
とてもリアルな夢だった
優真さんの隣で幸せそうに笑うあすみさんのことを
悲しそうな目でじっと見つめる静さんの姿
静さんはそれだけあすみさんのことを想っていて
決して叶うことのない静さんの想いが
私の心をぎゅっと締め付ける
静さんはきっと今も
あすみさんのことを想い続けているのかもしれない
大切な妹を母親から守るために傷つけ続けた
心の中で何度も"ごめん"を繰り返しながら
泣き叫ぶ彼女の声に悔し涙を流す日々
来月には裁判が始まる
鑑別所の中で
静さんは何を思いながら過ごしているのだろう
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