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キーンコーンカーンコーン。 放課後を告げるチャイムが鳴ると同時に、紗花は「また明日ね!」と部活のジャージ姿で教室の窓の外から手を振り、嵐のように去っていった。 教室の生徒たちが一人、また一人と帰路につき、オレンジ色の夕日が机の列を長く染める頃。 教室に残っていたのは、窓際でスマホをいじっている壱也と、廊下側の席で静かにカバンを片付けている吏玖の二人だけだった。
御影壱也
静寂を破ったのは、壱也の声だった。 スマホをポケットにしまい、壱也はゆっくりと立ち上がって吏玖の席へと歩いてくる。 その表情は、いつものお気楽な親友の顔ではなく、どこか真剣で、少しだけ戸惑いを含んでいた。
榛野吏玖
吏玖はカバンのチャックを閉め、いつもの気怠げな調子で顔を上げた。
御影壱也
壱也は吏玖の前の席の椅子を反対向きに引き、そこにドカッと腰を下ろした。 そして、親友のクールな瞳を真っ直ぐに見据える。
御影壱也
その直球の問いに、教室の空気がピキッと張り詰めたような気がした。 壱也にとって、絃花は物心ついたときから一緒にいる特別な幼なじみだ。 傷つけていい存在ではないし、ましてや自分の親友が、からかい半分で近づいているのだとしたら黙っていられない。 けれど、吏玖は動じなかった。 少しだけ目元を細めると、ふっと小さく息を吐いて、カバンを肩にかけ直す。
榛野吏玖
御影壱也
壱也の眉が、ピクリと動く。
御影壱也
榛野吏玖
吏玖の声が、少しだけ低くなった。 おだやかだけど、絶対に引かない強い意志が、その言葉にはこもっていた。
榛野吏玖
御影壱也
榛野吏玖
吏玖は椅子に座る壱也を見下ろし、静かに、でも確実にとどめを刺すように言葉を続けた。
榛野吏玖
御影壱也
壱也がハッとしたように息を呑み、目を見開いた。 中2の夏、自分が紗花と付き合い始めたあの日のこと、そしてその時の絃花の笑顔が、壱也の脳裏をよぎったのかもしれない。
榛野吏玖
夕日に照らされた吏玖の表情は、いつもの掴めないクールさとは裏腹に、驚くほど真っ直ぐで、格好よかった。
榛野吏玖
吏玖はそれだけ言うと、呆然と立ち尽くす壱也の肩をポンと叩き、おだやかな足取りで教室を後にした。 残された壱也は、オレンジ色に染まる誰もいない教室で、自分の手のひらを見つめながら、小さく呟いた。
コメント
1件
いやもう、吏玖かっこよすぎるだろ…!普段クールなやつが本気で想い語るところ、グッときたわ。壱也が気づかなかった絃花の痛みを代弁して、「俺の隣で笑ってほしい」って言い切るの、最高すぎる。幼なじみの立場と本気の恋心、両方ちゃんと見えてる吏玖、推せるわ🔥