死神と幹部

未だ重い体を半ば無理やりおこし、手元を探る

ちょうど、枕元に置かれた仮面を被り、私の一日が始まる。

5:20〜5:50 新薬投入 5:50〜6:10 痛覚実験 6:10〜6:15 朝食 (ただし毒の耐性を付ける為、毒入り) 6:15〜8:55 訓練 8:55〜9:50 一般兵強化訓練 9:50〜10:50 B国の国王暗殺任務 10:50〜11:20 B国の中央基地破壊 (この際、国諸共消し飛ばしても良い) 11:20〜1:00 訓練 1:00〜1:05 昼食(朝食同様) 1:05〜1:45 会議 1:45〜3:00 訓練 3:00〜3:05 昼休み 3:05〜4:00 wrwrd国との外交護衛

あぁ、そろそろ5:20になる、急いで支度して実験室に行かないと……

一人、呟いた声は誰の耳にも届くことなく消えていった。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

ﾌﾟｽ

何度も何度も訳の分からない薬を投与され、 襲い来る痛みに耐えねばならない。 嫌だと言ってもお構い無し、拷問よりも苦しく激しい痛み……

ここ数年、泣いたことは無かったけれど、 目からは生理的な涙がポロポロと落ちていく。

ﾌﾟｽ、ﾄﾞﾛｯ

目の前で、新しい毒薬が調合され、注射器の中に込められる

そう必死に泣き叫んでも無駄、首へ注射器を刺され…

ドクドクと毒が流れ込んでいく。

あぁ、痛みなんて……いらないと初めて思った。

あの後、きっちり訓練や任務をこなし、 今は誰も使っていない、旧訓練所にいる。

まず、声を変えて、仮面を外して……

声を変えるのに変声機は使わないのかって？ あぁ、要らないよ。私は実験台だから、簡単に変えられるんだ。

いつもより数倍低い声を出し、ゆっくりと正門へ向かう。

……なんっっっっで三強いるんですかねぇ？？？？

え？総統閣下のグルッペン･フューラーに？ 書記長であり、右腕のトントンさん、 外交官であり左腕のオスマンさん、 そしてその護衛のひとらんらんさん…

詰んだくね？？？？

いや、今はこっちに集中しよう。 鋭いオスマンさんがいらっしゃるんだ。少しの油断も命と…………り？

……あぁ、なるほど、もう一人居ますね

…ゾムの事は……絶対に気付かれないと全員が思っていた。 恐らく、インカム越しに聞いている基地にいる幹部達も動揺しているだろう。

驚きを隠すように言ったが、恐らく声が少し震えてしまった。 だって、暗殺に向いているゾムの存在を気付く事が出来るなんて… 正直、神ですら難しい。

その時、微かにオスマンの口角が上がっているのが見えた。

あぁ、オスマンすらも気に入るとは…本当に…面白い

そういうと、ゾムは静かに俺達の前に姿を表した。

その後、一時間ほど話し込み、Q国との外交は幕を閉じた。