テラーノベル
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ザクッ、という音と共に倒れる
……これで全部か
そう思って顔を拭う
全く、家の中まで入らないでくれ
そう思いつつ、刀を仕舞う
風魔
風魔
風魔
未門
未門
風魔
風魔
桃香
桃香
未門
未門
桃香
未門
未門
桃香
俺の名前は、「沙羅未門」
八大陸という大陸の主である沙羅家の
跡取りである
沙羅家
それは、代々神の使いと呼ばれる者の中から
自然の神の使いだけがなる事が出来るものである
俺の前の代が初代で
俺が2代目自然の神の使い
そして……
未門
未門
隣で座ってる子
この子が、俺の妹……のような子
桃香である
この大陸では沙羅家以外が苗字を持たない
故に苗字は、俺しかない
まぁ、得られるとすれば
俺と結婚すること
それ以外は無い
だが、残念なことに俺には婚約者が居る
それも、隣で座ってる桃香だ
……というより
話すと長くなるのだけど
実は俺と桃香は昔、違う世界で暮らしていた双子だったのだ
まぁ、その頃はそんなこと知らずに育って
知らずに恋をして
知らずに結婚挨拶に行って
そこで、初めて聞かされて
俺達は、結婚も出来ず早死をした
しかも、気がついた時にはこの世界で捨てられていて
俺の事を桃香はからかって「お兄ちゃん」と呼ぶようになり
挙句の果てには周りから
「え、あの二人兄妹なのに結婚するの?」
と、周りの仲間からびっくりされ
やむを得なく説明をして
まぁ、今に至る訳だ
2人の空気は、そんなに変わらず
時に兄妹
時に恋人
……時に、婚約者だった
未門
未門
そんな独り言を呟きつつ、刀をしまう
この刀は、「白刀・白雪」という
自然の神の使いしか使えない刀で
他の神の使い達が持っているのとは訳が違う
未門
未門
風魔
未門
風魔
未門
未門
風魔
風魔
未門
風魔
風魔
風魔
風魔
未門
未門
未門
風魔
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
未門
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
桃香
風魔
桃香
桃香
未門
風魔
風魔
未門
風魔
風魔
風魔
未門
未門
風魔
未門
この大陸に、「かつて存在した厄災」
それは、俺達が皆で束になってようやく討伐に成功した
俺達が今相手をしているのはその残党達で
……あの戦いで、皆、死んでしまった
今日は、あの日から丁度4ヶ月が経った日
あと二ヶ月後に、俺と桃香は結婚する
だが、当の本人達はそんな気分になれなくて
……もっと、時間が欲しくて
けど、そんなこと言ってられなくて
結局、2人とも責任感に負けた
……いや、結婚自体はいいのだけど
時期を、考えたかった
2人とも、精神的にただ苦しい
けど、本当に、そんなこと、言ってられなくて
……はぁ、ただ、忙しいの一言に尽きる
今日も、明日も、明後日も
きっと、変わらない
斬って、斬って、斬って
その他の、書類だけが溜まって
……はぁ、辞めよう
皆の前だ
未門
未門
風魔
風魔
風魔
未門
風魔
未門
未門
風魔
そう言って、自分で線香に火をつける
風魔にも渡して、二人で手を合わせた
金木犀の、香りのする線香
昔、桃香が選んだものだ
「死んだ後、安らかに眠るには好きな花じゃないと」
そう言って、皆で確かにと思い
皆が納得した香りが金木犀だった
脳に響くような、忘れられない香りがする
ただ、疲れた顔でにこっと笑って
そのまま、皆に背を向けた
未門
きっと、明日も苦しい
桃香も、きっと苦しい
2人を支えなくてはいけない風魔も、ただ苦しいだろう
それでも、生きて
……ただ、生きて
皆に、笑ってあえるように
誇らしいと、思われるように
クルト
「少女」
「少女」
クルト
クルト
クルト
クルト
クルト
「少女」
「少女」
「少女」
クルト
「少女」
「少女」
「少女」
クルト
「少女」
クルト
「少女」
クルト
クルト
「少女」
「少女」
「少女」
「少女」
クルト
クルト
「少女」
クルト
今回のストーリーの主な変更点
まず、初めにこの世界の根本は「全てが逆になった世界」。関係性だけではなく、世界そのものが逆。
八大陸の主な変更点としては至ってシンプル。サラナが普通に悪い奴。妖怪達が人間の負の感情から出てくる為斬っても切っても無駄。「安全」という言葉が仕事してない。
キャラの変更点としては以下の通り。 ・桃香→まず、主人公では無い。今回は妹である。出てこなかったが「太陽の神の使い」りまた、「黒刀・蓬莱」も扱えるが今回の世界線では「黒刀・蓬莱」が存在しない。余談だが前世(全部嘘みたいだな…)まで逆にしているので桃香が病んでない。明るい女の子故にシンプルな絶望を前に精神的に参っているのが今回。 ・未門→沙羅家当主。この世界線だと主人公。沙羅家の跡取りであり桃香の婚約者。「白刀・白雪」の主。「自然の神の使い」。サラナにトドメを刺した張本人。前世が変わっているのでこの世界の未門は絶望の中で希望の光が当たらないように生きている。希望の光に当たりたくない。それを知ってさらに絶望したくない、もう諦めたいとくっそ鬱。桃香に申し訳ないと言う感情を抱えている。 ・風魔→今回も「風の神の使い」。サラナ戦では後方支援をしていた為生き残った。皆で2人を支えていたからその責任を背負わなくてはいけないと思い張り詰めてる。桃香に明確な恋愛感情を抱いていて未門が少しでも遠慮しそうなら横から掻っ攫うつもりしかない。母からの愛情を受けて育ち、純粋な性格をしている。(本編では真逆。母から愛情を受けておらず、神の使いとして育てられ甘える暇なく母は亡くなっている)。
以下、細かい変更点 ・星奈、月詠か闇落ちしてない。強い人が寝返ってないので取り返す必要性がなく、主人公ポジのキャラが修練を怠る。 ・小雪と喧嘩してない。上記と同じ理由で主人公ポジのキャラが修練を怠る。 ・クルトと出会ってない。クルトは「調停者」に止められ大人しく自分の国に居る。(最後の会話は本編軸。3人が起きないから心配して少女を問い詰めに行っている)。 ・この後、本当なら「百鬼夜行の華」が始まるがサラナと相打ちでは無い&夜桜岩永がいがみ合う理由がない(黒刀・蓬莱が無い)のでそもそもここで2人の物語が終わる。「百鬼夜行の華」まで読んでくれた人なら分かるかもだけどあの話を挟まないと未門と風魔が「陰りの段位」に触れられなくてハッピーエンドにいけない。あの話がないとこの世界の何もかもを知れずに終わる。
唯一の共通点 ・沙羅家が存在する。 ・主人公が2代目。 ・「白刀・白雪」が存在する。
コメント
2件
姉弟設定が兄妹設定に変わっているだけじゃなくて世界そのものが変わっている世界……しかもサラナ討伐は出来ても風魔さん以外の皆はもう……辛すぎる世界だね……😭😭 こんな最悪な世界を見せるなんて「少女」さんも酷なことをするね…… 全てが繋がっている桃香さんたちの物語は何か一つでも世界観が違うと新たな物語が続くことはないんだね……😢😢