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かわいい妹

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かわいい妹

1 - かわいい妹

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7

2022年05月04日

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柚陽

この物語は、都市伝説として、つくっています。

柚陽

本当にあるわけではありません。

そして、ぼそりとなにか言った

少女

.........ちゃんみたい

ユウキ

え?

ただそれだけだったのに、少女の目から突然、涙がポロポロとこぼれだした

ユウキ

(えーー!?何で泣く?)

ユウキ

ど、どうしたの?!

少女

いえ、なんでもないです。

ユウキ

と、とりあえず外に行こうか

少女

はい

ユウキ

落ち着くまで公園で休んでく?

少女

はい

ユウキ

(って、これじゃ俺、まるでナンパ師か誘拐犯みたいじゃね?)

少女

ごめんなさい

ユウキ

いや、俺は平気だけど、大丈夫?

少女

はい

少女が泣き止んでいるのを見て、ユウキはホッとした

けれど、よく考えてみたら、彼女は妹と同学年のはずだ

ユウキ

(ヤバイヤバイ.妹の同学年泣かせたら、あいつに何て言われるか。クズのサイテーだの、散々怒鳴られるんだろうなぁ)

すると、少女がポツリと話しだした。

少女

お兄さん、私のお兄ちゃんに似てるんです

ユウキ

君の、お兄ちゃんに?

少女

はい。優しい所とか、よく笑う所とか

ユウキ

そうなんだ.俺、別にそんな優しくもないけどな、ははは

ユウキ

えっと......お兄さんて、俺と年が近いの?

少女は黙ったままだった

少女

私のお兄ちゃんは.........もう

ユウキ

(マジか!)

この様子だと、彼女の兄はもうこの世にいないのだろう。

ユウキは、少しでも慰めたいとおもった。

ユウキ

あ、あのさ、俺、よくここ来るんだ.だからまた話そうよ

すると、少女は遠慮がちに入った

少女

じゃあ、[お兄ちゃん]って呼んで言いですか?

ユウキ

いいよ、勿論

少女

また会ってくれるんですか?

ユウキ

うん

少女

ありがとうございます.嬉しい

ユウキ

(もしまたコンビニであったら、その時は話をしてあげればいいんだ)

それから数日後

少女

お兄ちゃん!

少女

今、帰り?

ユウキ

はい

少女はにこにこと嬉しそうに笑っていた。

ユウキ

また公園に行く?

少女

はい!

三十分ほどおしゃべりをして、二人は別れた

次の日に登校すると、友達の智也がにやにやしながら寄ってきた

智也:見たぞ、お前~。コンビニで女子と密会してるだろ

ユウキ

別に変な仲じゃねーよ。名前も知らないし

ユウキ

ただ妹みたいな存在っていうか

すると智也が、なにかを思いだしたらしく、ふいに表情をくもらせた

智也:その子、お前の事[お兄ちゃん]って呼んでるの?

ユウキ

そうだけど

智也:それさ、ヤバイやつかもよ

ユウキ

えっ?

智也:最近、SNSで見たことあるんだ

ユウキ

どういう事だよ

智也:[かわいい妹]で検索してみ。

放課後、ユウキは早速[かわいい妹]と検索してみた

ユウキ

まったく。何が怪しいって?

[知ってる?お兄ちゃん、って呼んで来る女[

[見た目は中学生くらいで、かわいらしい感じなんだよな。]

[++市にも出たってよ]

[そいつ、足を切り落とされて、死んだ状態でみつかったってよ]

[その妹ってやばくね?]

なかでも一番詳しく書いてあったのが

[親戚から聞いたんだけど、近所にある女の子が住んでて、年の離れた お兄ちゃんにいつもいじめられてたんだって。何かあって、その子の家が火事になって、皆んな死んじゃったらしい。その子だけは生きてるらしい]

[いじめられていた反動で、理想のお兄ちゃんを探して、さ迷ってるんだよ]

ユウキ

いやいや、釣りだろ、こんなの。都市伝説だよ

万が一、この[かわいい妹]が実在するとしても、あの少女であるはずがない

あの子は[お兄ちゃんは優しかった]と言っていたのだ

ユウキ

(今日はコンビニに行かなくていいや)

ユウキ

......!?

ユウキ

な、何で?

少女

お兄ちゃんが、いつものところに来ないから

ユウキ

(まさかこの子、後をつけてきたのか?)

ユウキ

(いやでも、そんなわけないよな.俺、疑心暗鬼になってる)

ユウキ

(よくよく見ると、あの話に当てはまってることがおおいんだよな)

アカリ

ただいま、なにしてんの、お兄

ユウキ

あ、アカリ!

[じゃあ、またね]と立ち去った

アカリ

お兄、女子中学生とつきあってんだ。キモ、超キモ!

ユウキ

はぁ?!ちげーよ

ユウキ

そう言う関係じゃねーから

アカリ

ていうかさ、私の友達がこの前、制服盗まれたんだよ。絶対、変態の仕業だよ。本当サイテー

ユウキ

ちょ......それ、俺とまったく関係ねーし

ユウキ

(待てよ。制服が盗まれた?)

ユウキ

盗まれたって、お前の学年の制服?

アカリ

そうだよ

ユウキ

あのさ、さっきの子、知ってるだろ?お前と同学年の...

アカリ

ハァ?知らないよ。あんな子、見たことないし。

あの日以来、ユウキは例のコンビニを避けるようになった

ユウキ

(噂の[かわいい妹]があるわけないよなぁ...)

それを確かめてみたい気持ちはあったが、正直、会うのも怖くなってしまったのだ。

その日も注意深く歩いていると、スマートフォンがなった。アカリからの、電話だった

アカリ

あ、お兄?今、帰り?

ユウキ

そうだけど

アカリ

コンビニでお菓子とジュース、買ってきてよ~

ユウキ

お前な、いい加減にしろよ

アカリ

だって今、お兄の彼女が遊びに来てんのに、だすものなにもないんだもん

ユウキ

か、彼女?

アカリ

ほら、ショートボブの

ユウキ

家のなかに入れたのか?

アカリ

うん。いれたけど

ユウキ

アカリ、その子を...

電話は切れていた

ユウキ

まさか、電話をきられた!?

ユウキ

アカリ!

家に帰り、リビングに行くと、あの少女が一人、ポツンと椅子に座っていた

少女

お兄ちゃん!

ユウキ

アカリは?

少女

お菓子買ってきてくれた?

ユウキ

あ、アカリは?

少女

私、チョコ系じゃなきゃ食べないよー

ユウキ

アカリは!?うちの妹はどこ行ったんだ!?

少女は、不思議そうに目を丸くして、ユウキの顔を除きこんだ

少女

妹ならここにいるじゃない。お兄ちゃん

少女

ここにいるでしょ、お兄ちゃん

ユウキ

俺はあんたの兄じゃないっ!!

少女

どうして?私はただ、お兄ちゃんに優しく抱きしめてほしいだけなのに

少女

私、助けてくれたり、支えてくれる、お兄ちゃんの腕が大好きなのに......

ユウキ

ごめん。軽はずみに兄貴扱いしていいって言ってごめん

少女はだまっていた。

ユウキ

謝るから、もうやめてくれ、お願いだから!

少女

分かった。お兄ちゃんがそう言うなら、わたしもう目の前に現れない

ユウキ

本当?

少女

本当よ

彼女は、小さな斧を握っていた

ユウキ

あんた、なに持ってるんだ

少女

目の前には現れないよ。そのかわり、一つだけほしいモノがあるの

少女が斧を振り上げた

ユウキ

や、やめろ!!

その直後、ユウキの悲鳴が家じゅうに響いた

アカリが買ったお菓子を、ユウキが食べることは二度とない

なぜなら........。

あの公園のブランコに、ショートボブの少女が座っていた。

少女の体をバックハグするように、制服を着た少年の腕が包んでいた

少女

私を見つめてくれた、優しい瞳。一緒に歩いてくれた足。

少女

ウフフ。お兄ちゃんって優しいよね...

少女

お兄ちゃんって、妹がほしがるモノはなんでもくれるのよ。なんでもよ?

少年の体は、肩から、上がなかった。

ブランコの下の地面は、切断面から溢れた大量の血で真っ赤に染まっていた。

血溜りのなかには、小さな斧が転がり、鈍く光っている。

少女

大好き。お兄ちゃん

柚陽

これで終わりです。

柚陽

少女秘密が明らかになりました。

柚陽

また今日も、優しい兄を求めて、どこをさ迷っているでしょう。

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