テラーノベル
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しばらくして部屋の空気がすっと冷えた。
ノックはない。
けれど気配でわかる。
無惨
無惨だった。
夢主はびくっと肩を揺らし反射的に布団を握る。
?
無惨は部屋に入り周囲を一瞥する。
特に荒れている様子もないのを確認してから視線を夢主に戻した。
無惨
?
正直な答えだった。
怖いはずなのに、心は妙に落ち着いている。
無惨は少しだけ眉を寄せる。
無惨
無惨
そう言ってから少し間を置き
無惨
その問いに夢主は一瞬言葉を失った。
“欲しいもの”なんて考えたことがない。
欲しがる前に、奪われる人生だったから。
?
小さく声を出し、逡巡してから、ぽつりと。
?
自分でも意外な願いだった。
無惨は一瞬目を細め次の瞬間には踵を返していた。
無惨
無限城の一角。
静かで、湯気の立ちのぼる場所。
?
無惨
無惨が名を呼ぶと奥から琵琶の音とともに女が現れた。
鳴女
鳴女は私を見てほんの一瞬だけ驚いたように目を見開く。
無惨
鳴女
無惨
私はこくこく頷いた。
無惨はそれだけ確認するとそれ以上は何も言わず空間から消えた。
残されたのは、夢主と鳴女だけ。
鳴女
鳴女はそう言って、ゆっくりと歩み寄る。
その声は低く落ち着いていてなぜか胸の奥にすとんと落ちた。
?
鳴女
鳴女
鳴女はそっと私の翼に視線を向ける。
鳴女
その言い方が、不思議と優しかった。
湯に浸かると体の奥まで温かさが染み込んでくる。
?
翼が、ふわりと広がる。
鳴女
鳴女は手慣れた様子で、翼をそっと支える。
鳴女
こくりと頷いた。
鳴女
そう言って鳴女は私の髪を丁寧に洗ってくれる。
引っ張らない。
乱暴にしない。
それだけで、胸がぎゅっとなった。
湯上がりふわふわの布に包まれて部屋に戻された。
鳴女
鳴女は私の頭を、軽く撫でてくれた。
鳴女
扉が閉まる。
一人になった部屋で私は布団に座り込んだ。
翼を抱え輪の淡い光を見つめながら。
?
?
わからないまま
でも確かに
ここが初めて“拒絶されない場所”だと感じてしまった。
はーとおねがいします🙏🏻 ̖́-
コメント
8件
もう好きなんよ
鳴女優しい!!!!!最高
ゆめさんの作品最高ですね(((o(*゚▽゚*)o)))私ゆめさんの作品大好きです(*´﹀`*)