青
ほんとにあの、
青
橙崎財閥の息子なの、?
青
橙くんが、?
紫
俺、聞いたことがあるの。
青
え?
紫
橙崎財閥のおぼっちゃまは
紫
とってもわがままで
紫
お茶目で可愛い性格の人だって、
紫
それにイケメンで優しい。
紫
狙う人は多いって。
紫
そりゃあ、誰だって惚れちゃうよね。
紫
それが橙くんの事だとは
紫
知らなかったけどね。
青
そんな噂があったの、?
紫
うん。
紫
周りでみんな言ってるよ。
紫
「俺もそんなにモテたいな〜」って言ってた。
橙
お金持ちやからって、
橙
みんなが思ってるほど幸せちゃうで、
青
え?
青
どういうこと?
紫
橙くん、
橙
わかっとる。
橙
話すから。
紫
ゆっくりでいいからね。
橙
おん。ありがとう。
青
(;`ω´)ゴクリ
橙
さっきも言った通り、
橙
俺は橙崎財閥の息子やねん。
青
うん。
橙
みんなからしたら
橙
お金持ちで好きな物買って貰えるし
橙
幸せやと思っとると思う。
青
僕もそのイメージが強いわ。
紫
俺も。
紫
違うの?橙くん。
橙
俺も最初はそうやった。
青
最初は、?
紫
橙くん、
橙
子供頃は周りの子とかに自慢とかもしとった。
橙
両親も優しくて、この家庭に産まれて良かった。
橙
そう思っててん。
青
・・・
紫
橙くん、?
橙
( ・ ・̥ )
橙
あ、ごめん、つい、
橙
昔の事を思い出してしもうて、
橙
続けるな、
紫
橙くん。
紫
俺の事ぎゅってして。
橙
え?どしたん、紫くん。
紫
はやく!
橙
お、おん。分かった。
橙
(`・ω・)ω-*)ぎゅ
橙
これでええ?
紫
もっと力込めて!
橙
お、おん。
橙
んっ!
紫
よしよし。
紫
それでいいよ。
橙
紫くん、
橙
いきなりどしたん?
紫
安心できるでしょ?
橙
え?
紫
俺じゃ抱き心地悪いかもしれないけど、
紫
抱き締めてた方が安心出来るかなって。
橙
紫くん、ありがとう。
橙
ほんとにおれ、
橙
紫くんの恋人になれて良かった、
橙
(でも それも)
橙
(もうすぐ終わるんよな、)
紫
橙くん?
紫
どうしたの❓
紫
大丈夫?
橙
あぁ、ごめん。
橙
続けます。
橙
紫くん、ごめんやけど、
橙
このままで喋ってええ?
紫
うん!
紫
もちろんいいよ!
紫
俺だって橙くんの役に立ちたいもん。
橙
紫くん、
橙
ほんまにありがとう。
紫
大袈裟だってば。
紫
俺は大丈夫だよ。
青
紫くんって本当に優しいね。
紫
うふふ。ありがとう。
紫
橙くん、俺はまだ分からないけど、
紫
多分、橙くんにとって辛いことを
紫
話そうとしてくれてると思う。
紫
でも、安心して。
紫
どんな事情でも俺は受け入れるよ。
橙
紫くん、
紫
青ちゃんだってそのくらいで離れるくらいの浅い人じゃないよ。
紫
誰だってなりたくてなってる人なんか居ないし、
紫
生きたくて生きているわけでもない。
紫
どんなに辛いことがあっても
紫
環境だけは憎んじゃダメだよ。
紫
みんな、同じ人間なんだから。
紫
なんでも周りにせいにしちゃだめだよ。
紫
十人十色っていうじゃん。
紫
十人居れば10種類の考え方がある。
紫
みんな一緒の考え方なんかしてないよ。
紫
でも、みんな人間だから。
紫
傷つく時は傷つくし、
紫
悲しい時は涙を流す。
紫
感情がそれぞれ絶対にあるから。
紫
どこで傷つくかは人によって違うけどね。
橙
紫くん、ありがとう。
橙
俺、全部話し、ます。
紫
うん。
紫
なんでも言って?
紫
俺だって護られてばっかじゃないよ。
紫
俺だって橙くんの事、護りたい。
橙
分かった。
橙
全部話すわ。
橙
ほんま、今日は紫くんに慰めて貰ってばっかやなぁww
橙
情けねぇなww
青
橙くん、
青
話逸れちゃったけど話してくれる?
青
僕も、橙くんの事ちゃんと知って、
青
本当の橙くんの友達になりたい。
橙
青、ありがとう。
橙
分かった。
橙
全部、包み隠さず話します。
紫
はい。
青
お願いします。
橙
俺が中学に上がったすぐから
橙
両親の態度は180度変わった。
橙
跡継ぎをしろとうるさくなった。
橙
俺が断っても聞いてくれんくなった。
橙
前までは俺が最優先やからって、
橙
周りの人がどう言おうとも変わらんかった。
橙
俺は、そんな両親が大嫌いになった。
橙
なんで俺の人生やのに、
橙
自分で決められへんのやろ、
橙
俺はその日から毎日毎日、考えるようになった。
橙
その時、その日から俺の人生は最悪となった。
橙
そこで両親は俺のやる気がなくなったら
橙
財閥も小さくなってしまう。
橙
それで、両親は2年間の有余を俺に寄越した。
橙
そこで俺は紫くんに出会った。
橙
今覚えば、紫くんに会わんほうが良かったなって思ってる。
紫
え、?
橙
紫くんと会ったのが要らんことやったと言うよりも
橙
紫くんに迷惑をかけたくなかったから。
紫
橙くん、
橙
その猶予がもうすぐ切れる。
青
え、?
紫
もうすぐ切れる、?
青
切れたらどうなるの、?
橙
酷い事をするらしい。
紫
酷い事、?
橙
おん。
橙
でも、どうなるかは俺も知らん。
橙
けど、両親のことやから
橙
俺が喜ぶことは絶対にしいひんやろな。
青
そりゃあ、そうだよね。
青
喜ぶことなんかする訳ないもん。
紫
誰が捕まってるの?
橙
俺にとって一番大切な人が
橙
人質に取られてるんよ。
橙
でも別に監禁とかされてるわけやなくて。
橙
両親は人質の場所を知ってるから。
橙
監禁は必要ないみたいやねんて。
青
橙くんにとって一番大切な人、?
青
それって、?
青
まさか、
橙
そう、
橙
俺が大切な人は
紫
おれって、こと、?
橙
そう、なるな、
青
紫くんが、?
両親「逆らったらどうなるか、」
両親「分かってるわよね。」
橙
・・・
青
うそ、
橙
だから、
橙
紫くん、青、
橙
もう俺に、
橙
関わらんとってや、
橙
みんなに迷惑かけたくないねん、
青
橙くん、
紫
・・・
これで、良かったんや、
紫くん、ごめんな、