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一方、その頃。

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へぇ、これだけの豪邸だと目立っていいな。

????

案内がなくてもたどり着けたぜ。

突如とした現れた男。

爺からの報せを受け、七星はエントランスへと降りてきた。

七星

休日も平日も構わずに襲撃されると、学校もへったくれもなくて困るな。

七星

出席日数が足りなくなったら、どう責任を取ってくれるんだ?

七星

この騒動に巻き込まれる前は、皆勤賞だったのだがな。

????

そいつは失礼。

????

ちょっと血がたぎってよ。

????

俺の名前は十一月二十九日って書いて【つめづめ】っていう。

十一月二十九日

本来なら存在しないはずの苗字らしいが、現にこうして存在してんだよなぁ。

十一月二十九日

で、あんたが七星か――。

十一月二十九日

どうやら、色々と金を使って俺達のことを調べていたみたいだな。

十一月二十九日

だったら、わざわざ俺がここに来た理由を話す必要はないな。

七星

――爺、下がっていろ。

幾度となく襲撃されている七星邸。

屋敷の人間としては、おいそれと赤の他人を招き入れることは嫌なのであろう。

七星は自分の前に出ようとした爺をたしなめると、改めて十一月二十九日のほうへと視線をやる。

七星

貴様の目的は分かっている。

七星

私の持っている絵本だな?

十一月二十九日

話が早くて助かるわ。

十一月二十九日

世の中の女ってのは、回りくどくて面倒くせぇ。

十一月二十九日

察しろって感じのやつばかりだからな。

十一月二十九日

はっきり物事を言える女は嫌いじゃない。

十一月二十九日

それに、なんというか普通にいい女だな、お前。

十一月二十九日

俺の女にならないか?

七星

見たところ成人しているように見えるが。

七星

――未成年に手を出したら犯罪になるのではないか?

十一月二十九日

そう言えば、さっきも学校がどうこう言ってたな。

十一月二十九日

いや、マジで女子高生かよ。

十一月二十九日

あんた、女子高生とは思えない貫禄あるぜ。

七星

それは褒め言葉と受け取っていいのか?

十一月二十九日

あぁ、そうだな。

七星

まぁ、ごたくはもういい。

七星

さっさと始めようじゃないか。

十一月二十九日

――本当に話が早くて助かるぜ。

十一月二十九日の言葉と同時に辺りの景色が変わった。

七星

ここは……。

十一月二十九日

廃れたライブハウスだ。

十一月二十九日

別に場所はどこでもいいんだが。

十一月二十九日

まぁ、広々と使えたほうがいいような気がしてな。

七星は天井にぶら下がるライトに視線をやる。

ライトからは赤色の光が降り注いでおり、辺りが真っ赤に染まって気持ち悪い。

七星

勝負には関係ないのかもしれないが、この照明――どうにかならないのか?

十一月二十九日

あ?

十一月二十九日

あぁ、そっちのほうでいじれると思うぜ。

七星

貴様が作り出した世界なんだ。そう言った調整も、自分だやればいいのに。

七星は文句を言いながらも、十一月二十九日が指差した小さなミキサー席へと向かう。

照明のボタンは分かりやすく、ぱっと見ただけでも、どのボタンを押せばいいのか分かった。

七星

これでいいか。

ボタンを押すと、真っ赤だった辺りが暖色系の色に包まれた。

別に真っ赤なままでも構わないのであるが、気持ち的な問題というのがある。

七星

それで、どんな勝負をするんだ?

十一月二十九日

ははっ、本当に話に無駄がねぇなぁ。

十一月二十九日

まず、ここにある絵本は合計で4冊だ。

十一月二十九日

俺のかぐや姫と、あんたの持ってる3冊。

七星

人魚姫、浦島太郎、オオカミ少年――だな。

十一月二十九日

あぁ、まずはこの絵本を1冊ずつコピーさせてもらう。

十一月二十九日が言うと、両者のそばから離れた絵本達がひとつにまとまり、そして8冊に分かれた。

その絵本が4冊ずつ、それぞれのそばへと戻った。

十一月二十九日

さて、こうして4冊ずつに分かれた絵本にナンバーを振る。

十一月二十九日

【1】【2】【3】――そして【0】だ。

十一月二十九日

ゲームは先攻と後攻に分かれ、交互に絵本を出すだけ。出す絵本はどれでも構わない。一度出した絵本だとしても、何度も出して構わない。

十一月二十九日

これを繰り返して、合計の数字を【7】にしたほうの勝ち。

七星

思ったよりもシンプルだな。

十一月二十九日

だが、シンプルだからこそ駆け引きが面白い。

十一月二十九日

特に【0】があるのがポイントだな。

十一月二十九日

それじゃ始めようぜ――カウントアップゼロをな!

見知らぬ本屋と12冊の呪われた絵本

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