るぅと
へぇ~
るぅと
ここがお店なんですかぁ~
さとみ
公園です本当にごめんなさい
るぅと
まぁ僕大人だから許してあげますけど
るぅと
彼女とかいたら終わりですよ?それ
るぅと
あ、もういたんですっけ?新しい彼女
さとみ
...るぅとくん、君は色々と間違えてるだろうから一から言うけどね
さとみ
ころんから別れ話を告げられて、俺たちは別れたんだ
さとみ
んで、その時に莉犬って子が近づいてきて、色々と相談に乗ってくれたんだよ
るぅと
はぇ~、なるほど
るぅと
好感度アップを狙ったって事ですかね
さとみ
...え?
るぅと
相手が傷ついてる時、自分が味方になってあげる
るぅと
そうする事によって、相手からの好感度は急上昇
るぅと
そこからその莉犬って子は告白して、さとみくんに漬け込んだんですね
さとみ
え、えっと...
るぅと
つまりは、さとみくん
るぅと
貴方は莉犬って子に印象操作をされていたって事ですよ
さとみ
印象操作?
俺が首を傾げると、るぅとくんは淡々と言葉を吐き出す
るぅと
さっきも言ってたとおり、さとみくんは傷ついていた
るぅと
そんな時、莉犬って見方が出来て、どう思いました?どう感じました?
さとみ
えっと...まず、嬉しかった
さとみ
それで、なんていうか安心もあった
るぅと
告白された時、どう思いましたか?
さとみ
......それは
るぅと
あの、さとみくん
るぅと
言っていいですか?
さとみ
...なんだ?
るぅと
さとみくんはきっと、莉犬さんの事が好きじゃありません
さとみ
っ__
るぅと
僕って、自分で言うのもなんですけど結構人懐っこい性格してるじゃないですか?
さとみ
まあ、そうだね
るぅと
だから、案外学校とかじゃ人気者なんです
さとみ
本当に、性格の分かれた兄弟だな
さとみ
ころんは確かに人気者だが、きっとるぅとくんとは違う意味での人気だ
るぅと
ふふっ...そうですね
るぅと
きっと僕はお兄ちゃんに比べたら子供だから
るぅと
でも、そんな子供でも
るぅと
多分恋愛に関してならお兄ちゃんよりも知ってる方だと思います
さとみ
そんなに彼女を作ったのか君は
るぅと
そんなわけないじゃないですか
るぅと
そんなプレイボーイに見えます?
さとみ
...どっちなんだろうな
るぅと
本当に迷わないでくださいよ...
るぅと
違いますよ、そういう意味じゃありません
さとみ
じゃあどういう意味なんだ?
るぅと
人気者故に、よく相談されるんです
るぅと
僕人身口が堅い方ですから、恋愛相談とかを
さとみ
なるほど、そこから得た恋愛知識か
るぅと
そういう事です
るぅと
だから付き合ってる時、さとみくんとお兄ちゃんが喧嘩してるのを見て、あるあるだなぁと思いましたし...
るぅと
...そこから別れちゃったのは少し納得がいきませんでした
さとみ
...どうしてだ?
るぅと
恋人っていうのは、喧嘩するものなんです
るぅと
相手の我儘に耐え切れなくなった、とか
るぅと
相手の言動にイラついた、だとか
るぅと
そんな感じに
るぅと
でもそれを乗り越えてこそ、恋人なんです
るぅと
喧嘩が原因で別れる事は多々ありますけど、それは個人の許容範囲が狭かったのが原因
さとみ
...俺より年下なのになんでそんなにあるかなぁ
るぅと
人から学びましたからね、お茶の子さいさいですよ
さとみ
苦労してるな
るぅと
僕なんて相談事を聞いてるだけですからね
るぅと
当事者の方がよっぽど苦労してると思います
さとみ
...まぁ、なんというか
さとみ
現に悩んで、悩んで、こうやって一人でほっつき歩いてるわけだからな
るぅと
あー、道理で休日にたった一人で街を歩いてたわけです
さとみ
る、るぅとくんだって一緒じゃないか!
るぅと
馬鹿言わないでください
るぅと
僕は友達と帰宅してる最中に貴方を見かけてわざわざ友達と別れて声をかけたんですよ?
るぅと
貴方からお兄ちゃんの事を聞きたくて
さとみ
な、なるほど、そういう事か
考えてみたら人気者なら休日に友達と遊ぶ事も少なくないよな
さとみ
だったらさ、るぅとくん
るぅと
...なんですか?
さとみ
俺は、どうしたらいいと思う?
さとみ
俺は...どう行動したら......
るぅと
...さぁ、どうでしょうかね
さとみ
えぇ!?
さとみ
えっと...なんで?
るぅと
あのですねぇ...
るぅと
そんなに大事な事を僕なんかに聞いてどうするんですか?
るぅと
僕は貴方たちの騒動になんら関わってません
るぅと
関わってるとしたら、今この瞬間だけ
るぅと
そんな僕に答えを求めてどうするんです?
さとみ
えっと...それは
るぅと
それに、僕はお兄ちゃんの弟
るぅと
それ故に情が邪魔して、どうしても莉犬さんを応援出来ません
るぅと
だから僕が答えを出すなら、「お兄ちゃんと復縁する」
るぅと
...それしか言えません
るぅと
ぶっちゃけ莉犬さんの性格も分かりませんしね
るぅと
まぁやってる事から察するに、貴方にぞっこんで
るぅと
さとみくんを勝ち取るためなら手段を選ばないって感じの子ですかね?
るぅと
そういう子って、本当にその人の事しか見えてないんです
るぅと
好きで好きでたまらなくて、その人以外はどうでもいいっていう...
るぅと
そんな感じの人なんです
るぅと
さとみくんは、莉犬さんが他の人と喋ってるの見た事ありますか?
さとみ
...ない
るぅと
じゃあ尚更、さとみくんいだけいい子ちゃんでいて、他の人に対しては冷たい反応なんでしょうね
るぅと
...つまり莉犬さんは今きっと、さとみくんに依存してる状態だって事です
るぅと
憶測でしかありませんけどね
さとみ
依存したら...駄目なのか?
俺が恐る恐る聞くと、るぅとくんは首を横に振って答えた
るぅと
...そういうわけじゃありません
るぅと
でも、別れた時、駄目になるのはその子って事です
るぅと
当分の間、立ち直れないんじゃないですかね?
るぅと
...それで、あの質問に答えてなかったと思いますけど、どうなんですか?
るぅと
貴方は、莉犬さんの事が好きなんですか?
さとみ
それ、は
さとみ
分からないんだ、俺は
さとみ
彼を凄くいい恋人だと思ってるし、よく俺の事も考えてくれるし...
さとみ
でも
さとみ
俺のこの気持ちが恋なのか、分からないんだ
るぅと
...でしょうね
るぅと
きっと、さとみくんは流れで付き合ったんですよ
るぅと
味方でいてくれる彼を、裏切れなかった
るぅと
貴方はあまりにも心細かったから、味方が欲しかったんですよね?
さとみ
...るぅと、くん...
さとみ
...あれ?
さとみ
なんでだ...あれ?
さとみ
どうしてこんな時に、涙が...
るぅと
さとみくん...ずっと一人で抱え込んでたんですね
るぅと
振られて、味方がいなくて
るぅと
でも突然味方が現れて、その味方を裏切れなくて、付き合って...
るぅと
でも、頭にはお兄ちゃんがいて、段々と分からなくなっていって...
るぅと
そして、それが今なんですよね?
さとみ
あぁ...そうだ...俺は...
さとみ
...俺は、どうしたらよかったのか、わからない...
るぅと
...そうですね