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【ファミレス】
その夜は、 私の入学祝いで 家族でファミレスへ 外食に出かけた。
もちろんお兄ちゃんも 一緒だ。
佑一郎
こはるの母
こはるの母
こはる
佑一郎
こはるの母
こはる
私はぎくりとして、 慌てて口元を拭った。
佑一郎
佑一郎
こはる
こはるの母
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはるの母
こはるの父
パパがメニュー表を指さす。
こはるの母
こはるの母
こはるの母
佑一郎
こはるの母
私は慌てて声をあげた。
こはる
こはるの母
こはる
佑一郎
こはるの母
佑一郎
こはるの母
こはるの母
こはる
【こはるの部屋】
こはる
ファミレスから帰宅した 私は、自室のベッドに 倒れ込んだ。
こはる
まだ口の中が 酸っぱい気がする。
マルコのときから、 梅干しは大の苦手 なのだ。
その時。
佑一郎
軽くノック音がしたのち、 お兄ちゃんが 声をかけてきた。
こはる
佑一郎
体を起こした私を、 お兄ちゃんが心配そうに 見つめてくる。
こはる
佑一郎
お兄ちゃんは何かの袋を 差し出す。
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
私はお兄ちゃんから 受け取った袋を開け、 早速チーズを頬張った。
桜チップの香りの、 スモークチーズだ。
佑一郎
こはる
佑一郎
こはる
どう答えていいものか わからず、私は 沈黙した。
お兄ちゃんになら、 前世がマルコだって 知られてもいいけど……
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
前の飼い主に 飼育放棄されて育った マルコは、
お兄ちゃんの家に 引き取られて二年後に、 病気で死んだ。
お兄ちゃん――佑一郎と 一緒に過ごせた期間は けして長くはないけど、
それまでの辛い日々を 補って余りあるほどに、
マルコは佑一郎と 幸せに暮らしたのだ。
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
こはる
こはる
こはる
佑一郎
佑一郎
佑一郎
こはる
佑一郎
佑一郎
こはる
こはる
佑一郎
こはる
こはる
こはる
こはる
こはる
こはる
こはる
佑一郎
お兄ちゃんが腕を伸ばす。
そして私の肩に 手を置いて、 そっと引き寄せた。
佑一郎
こはる
私は目を瞑って、 お兄ちゃんの肩に おでこを預ける。
佑一郎
こはる
こはる
こはる
思わず声を上げてしまう。 そんな私を見て、 お兄ちゃんは 悲しげに 眉根を寄せた。
佑一郎
こはる
私はそのとき、たぶん 無意識だったんだと 思う。
とにかくぶんぶんと、 すごい勢いで首を振って、 否定した。
そして。
こはる
ひと声、吠えたのだ。
お兄ちゃんは驚いたように 目を見開いてから、
やがて満面に 笑みを浮かべる。
佑一郎
お兄ちゃんが 大きく腕を開いて、 私はそのまま 抱きしめられてしまう。
こはる
生まれ変わった人生でも、 私はお兄ちゃんの ワンコなのだった。