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灰谷くんが転校してきて早1週間
明日から夏休みが始まる
担任
担任
先生の声はほとんど入って来なかった
窓の方を向くと灰谷くんと目が合った
灰谷 竜胆
相変わらずなんて綺麗な目で私を見るのだろう
なんでもないよ、と口パクで返す
灰谷 竜胆
彼は微笑んでそっかと口を動かす
灰谷くんとはあれから一緒に登下校したり、 時々連絡を取り合ったりしている
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
担任
クラスメイト
そんなクラスメイトの話を聞いて やっぱりモテるんだと思うと同時に
なんでこんなに私に構ってくるのかと 不思議に思う
灰谷 竜胆
あの目で窓を見つめて何を考えているんだろう あの目に何をうつしているんだろう
遥
いつもより早く帰れたことに 胸を弾ませる
明日から涼しいクーラーの効いた部屋で 過ごせるなんて幸せすぎる
店員
1人じゃあんまり寄らないコンビニで 新作のアイスを選ぶ
これは1学期がんばった私へのご褒美
店員
アイスを開けて蓋をそのままコンビニの ゴミ箱に捨てて帰る
遥
さっき買ったお気に入りのグミを鞄にしまい 新作のアイスを口にいれる
遥
夏にぴったりの爽やかなアイスは 私の帰り道を彩る
灰谷 竜胆
遥
またこいつは、
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
遥
もう一緒に居ることに違和感はほとんどない
窓見てたさっきの灰谷くんは何処に行ったの
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
遥
灰谷くんは私がよそを向いた間に アイスを食べる
遥
灰谷 竜胆
遥
関節キスじゃんこんなの
遥
アイスを取られたことよりも 灰谷くんとの関節キスが恥ずかしくて どうしたらいいか分からない
灰谷 竜胆
目の前の灰谷くんが何も気にしていないところが またむかつく
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
これ以上どーしたらいいか分からなかった私は 素直に灰谷くんにジュースを奢らせた
灰谷 竜胆
遥
ベンチに腰をかけていると灰谷くんが りんごジュースをくれた
遥
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
遥
きっと全然反省していない彼を横目に ジュースを流し込む
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
じっと私が飲んでいるジュースを見つめている彼に 質問してみた
遥
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
遥
そーいえば1週間ずっといるけど 彼のことなんにも知らないな
知ってるのは、目が綺麗で、アイスが好きで、近くに住んでること
灰谷くんは沢山私に質問をするけれど 私は何もきかない
バイクのアイコンだけど好きなのか、 あの写真は誰なのかも知らない
誕生日も、好きな食べ物も、嫌いな映画とか 性格とか、家族構成も、名前の由来も。
転校してきた理由もしらない
遥
灰谷 竜胆
遥
知らないことが多すぎて 何を聞けばいいのか分からない
遥
灰谷 竜胆
遥
遥
もっとほかにあっただろ、
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
灰谷くんなりの気遣いが優しかった
遥
遥
遥
灰谷 竜胆
灰谷 竜胆
遥
少しずつ、少しずつ 彼のことを知っていく
ちょっとだけ、夏も楽しいかも
灰谷 竜胆
遥
灰谷 竜胆
遥
遥
遥
灰谷 竜胆
こんなに色々知って、 毎日話している彼のことを今更 苗字でなんて呼べる気がしなかった
遥
母
荷物を置いて床に腰を下ろす
遥
お礼しとこっかな
遥
なんてタイミングのいい人なのかな
竜胆くん
はるか
はるか
灰谷 竜胆
なんて返せばいいのか分からなくて いつも通り既読をつけて閉じた
遥
もうちょっと話題振れば良かったかな
遥
遥
明日から学校休みじゃん
遥
なんてタイミングなんだろう
なんでだろう あんなに待ち遠しかった夏休みが まだ来ないで欲しいと思ってしまうのは