放課後、俺は佐原さんたちに呼び出され部室へ向かった。
佐原
赤葦
赤葦
屈しないつもりだったのに声が震えた。くそ。
松平
佐原
不意打ちで鳩尾を殴られ崩れ落ちる。
赤葦
腹を抱えてむせる俺に先輩たちは容赦なく殴りかかってくる。
体に力が入らない。
佐原
腕を押さえつけられた。
佐原
赤葦
佐原
人差し指に手がかけられた。ゆっくりと力が加えられて、指の痛みが大きくなっていく。
赤葦
バンッ!!
木兎
開け放たれた扉の先に、見慣れた5人が立っていた。
猿杙
松平
鷲尾
佐原
小見
ゴキッと嫌な音が鳴って激痛が走り、俺は堪らず叫んだ。
赤葦
木葉
木葉さんと小見さんが部室に飛び込んで来て、押さえてたやつらをすっ飛ばした。
木兎
木兎さんが俺を抱き起こす。
指だけじゃなく全身が痛んで俺は意識が飛びそうだった。
木葉さんは佐原さんの胸ぐらを掴んで怒鳴った。
木葉
佐原
木葉
佐原
次の瞬間木葉さんが殴られ、派手な音を立てて近くの棚ごと倒れた。
赤葦
木葉
木兎さんは頷き、俺を抱える腕に力を込めた。
猿杙
鷲尾
猿杙さんと鷲尾さんも加わり、殴り合いになりながらもなんとか佐原さんたちを取り押さえると、周りにいた数名は逃げ出した。
小見
そう言って笑った先輩たちはそれぞれがどこかを怪我していた。
赤葦
猿杙
赤葦
木兎
松平
木兎さんは松平さんたちを鋭く睨みつけた。
木兎
芯の通った強い声で言い放った木兎さんは、すごく頼もしく見えた。
その檸檬色の瞳は俺の姿を捉えると、優しい光を帯びた。
それから木兎さんたちによって全てが明らかにされ、主犯の数名は退部処分、1週間の自宅謹慎を食らっていた。
指の骨は折られていたが、ちゃんと治療すれば元どおり治ると言われた。
俺と家族は同級生や先生に何度も謝られた。
何より嬉しかったのは、再び部活に参加できるようになったことだ。
久しぶりに体育館に入ると、みんなが笑顔で迎えてくれた。
輪の中に入り俺は自覚する。
_俺は、このチームが大好きだ。
赤葦
誰にも聞こえないくらい小さな声で言ったつもりだったけど、あの5人は俺を振り返り、太陽みたいに暖かく笑いかけた。
−fin−
コメント
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とーといね
きゃアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア