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ピクシブから飛んできました笑 なるほどなー、2人はそういう間柄だったのか!人物それぞれが丁寧に描かれており、シーン数は少ないながらも情景や人物がイメージとして頭の中でふくらんでいくようでした! これを踏まえてつづきを読むとまた新しい読後感に触れられそうです。
凄い…凄く面白かったです😭民話や古典文学の世界のようです…! 白凌も春太も、台詞のやり取りだけでそれぞれの性格が読み取れて、「いつもこんなやり取りしてるんだろうなあ」と微笑ましくなす。 お話も先が気になる展開で一気に読んでしまいました。このお話の後もこの世界は続いていくんだろうなぁ続きが読みたいなぁと感じさせるラストが流石でした。本当に面白いです、書いてくださってありがとうございます!!!
古びた荷車を引くのは、
骨と皮だけとなった老いた馬。
手綱を引くのは、
くすんだ灰色の骸骨だった。
腰に申し訳ない程度の襤褸を巻いている。
荷車に乗っているのは、
青みがかった黒髪の青年と、
白と黒の二本の尾を持つ、
ぶち猫だった。
その一人と一匹には
立派な手枷と足枷が付けられていた。
荷車はガタゴトと悪路を走る。
走り出してからどれほどの時間が経っただろうか、
骸骨が手綱を引っ張って
老いた馬を停める。
骸骨
骸骨は手綱を離し、
己の鎖骨に引っかけていた鍵を取る。
そして、その鍵を使って
一人と一匹に付けられていた枷を外した。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
手首を回しながら
辺りをグルリと見渡す。
古びた掘っ立て小屋が並ぶ集落のようだった。
ヒトの気配はあるものの、
皆、息を潜めているのか
その姿を目で見て確認することは出来ない。
骸骨
骸骨
骸骨
骸骨が指差した先には、
他の掘っ立て小屋と大差無い
貧相な平屋があった。
春太
骸骨
春太
春太
骸骨
骸骨
骸骨
春太
骸骨
骸骨
骸骨
春太
骸骨
骸骨
白凌(ハクリョウ)
骸骨
骸骨
骸骨
骸骨
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
骸骨
骸骨
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
骸骨
骸骨
白凌(ハクリョウ)
骸骨
骸骨
骸骨
骸骨が投げ渡してきた刀を受け取り、
鞘から抜いてみる。
春太
骸骨
骸骨
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
骸骨
骸骨
骸骨
白凌(ハクリョウ)
骸骨は再び老いた馬の手綱を手に取ると、
ゆっくりとした足取りで進みだした。
荷車を見送ってから
白凌(ハクリョウ)
と白凌は前を向いた。
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
姿は見えないが、
多くの視線を感じる。
酷く飢えた視線だ。
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
そんな会話をしながら
集落の中を歩く。
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
二人は足を止める。
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
目の前にある平屋の扉には、
無数のお札が貼りつけられていた。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌は一歩前に出て、扉を叩いた。
程なくして、
扉が細く開き、
ギョロリとした目が
一人と一匹を見つめる。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
静眺
その言葉を聞いて
扉が開かれた。
迎えてくれたのは腰の曲がった
老いた小鬼だった。
静眺
静眺
消え入りそうなほど小さな声で言い、
二人を平屋の奥へと案内する。
・
・
お須和
奥の部屋に居たのは、
長い青髪で顔を隠した鬼女が一人。
古びた平屋の中で、
彼女の着ている着物だけは
煌びやかで
浮いて見えた。
静眺
静眺
お須和
声には覇気が無く、
何とも弱弱しい。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
お須和
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
お須和
白凌(ハクリョウ)
静眺
お須和
お須和
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
お須和
お須和
静眺
・
・
白凌(ハクリョウ)
春太
話しを聞いた二人は、
平屋の前にある石に腰を下ろしていた。
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
ピクリと春太の耳が反応するのと
白凌が立ち上がったのはほぼ同時だった。
白凌(ハクリョウ)
一人と一匹は飛んで屋根まで上がると
屋根を蹴って広い庭に降り立った。
お須和
ドスの利いた声がして
障子が弾け飛び、
部屋から転がり出てきたのは
ボロボロの甲冑を纏ったモノ。
その輪郭は朧気ではっきりとしない。
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
お須和
春太
お須和
お須和
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
お須和
お須和
春太
春太はサッと白凌の背後に隠れる。
庭に倒れていた”霊鬼”がゆっくりと起き上がった。
お須和
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌は刀を鞘から抜き取ったが、
刀身はところどころ錆び付き、
遠目からでも酷い刃こぼれをしているのが見て取れた。
お須和
春太
春太
お須和
気がつけば春太はお須和の隣に立っていた。
春太
お須和
お須和に向かって一直線に走ってくる”霊鬼”。
白凌が素早く足払いをするも
脛から下が揺らめくだけで
何の意味もなさなかった。
お須和
お須和
言いながら懐から札(フダ)を取り出すお須和。
その眼前で
”霊鬼”の頭が宙を舞った。
お須和
刎ねたのは
白凌が持っている
あの錆び付いた刀だった。
───ゴトンッ
良い音を立てて縁側に落ちた頭は、
頭部を失い
動きを止めた胴体を見つめる。
”霊鬼”はゆっくりと腕を伸ばし、
頭を掴み
振り返ると
青白い炎渦巻く瞳に
さらに斬りかかって来る
白凌の姿が映った。
しかし、
振り下ろされた刀は、
パキンッ
と軽い音を立てて
呆気なく折れてしまった。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌は苦笑いを浮べる。
お須和
白凌(ハクリョウ)
”霊鬼”が頭を元に戻そうとしたが、
その頭と首の隙間に
白凌は折れた刀を素早く刺し込んだ。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
”霊鬼”が何かに気が付いた時にはもう、
手遅れだった。
白凌(ハクリョウ)
白凌がそう呟いて
”霊鬼”に触れた瞬間、
それは頭部だけ残して
霧散した。
お須和
お須和
春太
白凌(ハクリョウ)
折れた刀を持ったまま、
白凌は二人のもとにやってくる。
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
お須和
春太
お須和が春太を押し飛ばす。
お須和
お須和
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
お須和
お須和
春太
お須和
白凌(ハクリョウ)
お須和
お須和
お須和
お須和
お須和
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
お須和
ジリジリと近づいてくるお須和。
ジリジリと離れる白凌。
お須和
白凌(ハクリョウ)
春太
咄嗟に春太を抱え上げ、
白凌はお須和の前に盾のように掲げた。
お須和
お須和
春太
春太
お須和
お須和
春太
春太
?
お須和
お須和
一人と一匹は勢いよく首を横に振る。
?
?
声は下から聞こえた。
皆が視線を落とすと、
そこには”霊鬼”の頭部があった。
お須和
?
?
お須和
お須和
古慧
古慧
お須和
お須和
古慧
古慧
お須和
お須和
お須和
古慧
古慧
古慧
古慧
古慧
お須和
苛立ったように霊鬼の頭を踏み潰すと、
ぐぇっという声をあげて消滅した。
お須和
お須和
お須和
顔を上げると、
そこには白凌と春太の姿は無かった。
お須和
静眺
お須和
・
・
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
お須和
春太
背後から声が聞こえて
ゆっくり振り返ると、
そこには長い青髪を垂らし、
顔を隠したお須和が立っていた。
お須和
お須和
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌が春太をヒョイッと抱き上げる。
お須和
お須和は逃がすまいと手を伸ばしたが、
その手が白凌に触れる前に、
彼の身体は春太共々霧散した。
お須和
お須和
お須和
お須和
・
・
・
《麓桜堂(ろくおうどう)》にて
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌はお猪口に入った酒を一気に飲み干す。
春太
春太
そう言いながらも春太はみたらし団子を口に運ぶ。
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太
白凌(ハクリョウ)
春太
春太はジッとみたらし団子を見つめ、
そして、そっと白凌の前に押し出す。
春太
白凌(ハクリョウ)
白凌は笑ってみたらし団子を口に運んだ。
・
・
『青鬼』 ─了─