退院の日
約束通りいっちゃん達は来てくれた
児童相談所の人たちが来て
樋口(児童相談所職員)
沢村(児童相談所職員)
退院の手続きを済ませ
児童相談所に向かう車に乗り込む直前
美結
私はいっちゃんに抱きついた
離れたくなかった
病院に搬送されて目を覚ましてからずっと
いっちゃんは私のそばにいてくれた
最初は知らないお姉さんと思っていたけど
今は違う
いっちゃんもたっくんも
私にとって大切な存在
郁美
涙が溢れて止まらない
気がつくといっちゃんも泣いていた
たっくんはもっと泣いていて
児童相談所の人たちは
私たちのことを気遣って
車に乗るのを少し待ってくれた
美結
郁美
拓郎
美結
最後にもう一度
三人で指切りをして
私はやっと車に乗り
郁美
拓郎
沢村(児童相談所職員)
樋口(児童相談所職員)
郁美
拓郎
児童相談所に向けて出発した
すぐに私は振り返り
二人の姿が見えなくなるまで手を振った
郁美
微かに聞こえたいっちゃんの声が
どんどん遠くなっていく
寂しくて不安で涙が止まらなくて
職員の樋口さんがハンカチを貸してくれた
樋口(児童相談所職員)
沢村(児童相談所職員)
樋口(児童相談所職員)
沢村(児童相談所職員)
樋口(児童相談所職員)
樋口(児童相談所職員)
私を見送ったあと
いっちゃんは決意していた
郁美
拓郎
郁美
郁美
郁美
拓郎
郁美
そしてその足で
この騒動の後一度も行っていなかった
いっちゃんの実家へと向かった
車で三時間の距離を
たっくんの運転で進んでいく
拓郎
郁美
郁美
拓郎
郁美
郁美
郁美
たっくんは必死に落ち着こうとしたけれど
襲い来る緊張の波に押し潰されそうになっていた
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