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アタシは、ヴァロさんの館に着いて、いよいよ眠ろうというところだった。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんは不安な少女を置いて行こうとするのだ。
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロさんは吸血鬼なので、生物を見ると噛みつきたくなる。
吸血鬼だからっていうのもあるけどドSだからってのも大きな理由だろう。
メリエン
まだアタシも八つだった。本来ならばまだまだ親に甘えたい年頃で一人、街に出てきた。
だからこそ、この親代わりのような吸血鬼に甘えたいこともあるのだ。
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロさんは、アタシとおんなじなんだ。
そんな安心感があった。
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
真っ暗な森の中を、アタシは駆け抜けた。ヴァロさんはもう追いかけてこない。
きっと、どうでもよかったんだ。
アタシのことなんてさ。
だから、アタシは家に帰るの。
走っても走ってもファーデンの町は見えてこなかった。
ずっとずっと、闇のような森の中に風景が溶け込んで、影絵を見ている気分だった。
月明かりが、不思議なほどに不気味なの。
そして、見覚えのある道に着いた。
もしかしたら、ママとよく来た散歩道かもしれない。
そろそろ、そろそろファーデンに着くのよ!
見覚えのあるお地蔵様。そして、向こうに見えるファーデラ・ブリッジ。
アタシ、ファーデンに帰ってきたの!
メリエン
フィリア
メリエン
フィリアおばちゃんは、優しくてクッキーをよく焼いてくれる、近所のおばちゃん。
ちょっと最近ボケ気味だけど……
フィリア
フィリア
フィリアおばちゃんは、アタシが街に出たことも忘れてるみたいなの。
メリエン
フィリア
フィリア
メリエン
フィリア
メリエン
部屋に明かりがついていない。
メリエン
返事が聞こえない。
部屋に入ると、誰かが横になっていたの。
メリエン
病気なのかも。
メリエン
メリエン
ママは横たわったままだった。
アタシは走り出した。薬草を探すの。
アタシは、来た道を戻りだした。
真っ暗な道だ。
ずっと歩いていくと、明かりが見えてきた。
そこを通り過ぎてアタシはリーファーへ行こうとした。
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
そして、打ち捨てられた森に戻ってきたの。
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
聞き覚えのある歌。
もしかしてこれ、精霊の儀式の歌?
ヴァロ
ヴァロ
ここからはアタシも完璧に覚えてる。 歌わなきゃ。
ヴァロ
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
これは、伝説の花。
確か、どんな病でも治すという。
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
???
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
???
ヴァロ
ヴァロ
???
化け物は私に、容赦なく牙を剥いた。
私は化け物の突進をかわすと、刃を抜いた。
200年来の錆びた刃は弱々しい光を放つ程度で強さを微塵も感じられない。
嘲るように化け物はつまずいた私を踏み潰す。
肋骨から嫌な音が聞こえた。口の中で血の味がした。
化け物は、威嚇するように咆哮を上げた。
???
踏みつけられた私。これで終わりか。
体を起こす力は残っていない。化け物が私を喰らおうと、ごくりと唾を飲んだ音が聞こえる。
ヴァロ
途端足に電撃のような痛みが走った。
やはりこれが、私の最期か?
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
???
メリエン
???
メリエン
メリエン
何これ。なにこれ。骨が歩いてる。
そして、いきなりアタシに向き直ってそいつは棒切れを振りかざしたの。
メリエン
メリエン
ヴァロ
足の傷はすぐに完治した。そして、体を起き上がらせると錆びた刃で彼奴を切り裂いた。
魔物の血の香りが充満して私は理性を失った。
しかしなんだか声が聞こえてくるもので、私の理性も目覚め始めた。
ヴァロ、わたしはいいの。
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ。
ヴァロ
貴方が何を考えてるかはわかる。
ヴァロ
貴方は、守ってくれないの?
ヴァロ
ヴァロ
ならば仕方がないわ。
貴方を呪ってやるの。
ヴァロ
あの子が死んだら貴方も死ぬの。
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
じゃあやめましょう。
あの子を守り続けることができれば、 貴方の不死鳥の呪いを解く。
これでどう?
ヴァロ
ヴァロ
ありがとう。
じゃあわたしは今から邪霊になるわ。
わたしという邪霊から あの子を守って……
???
メリエン
ヴァロ
あの約束を守るため。
あくまで呪いを解くためだが、 私は全てをかける。
ヴァロ
あの女ではなく、私が私を動かしている。ならば勝てる!
ヴァロ
錆びた刃に炎のお嬢様が情熱的に踊り舞う。
それは、まるで昔の私の館の広間で舞う、あの少女を連想させた。
月明かりに吼える。
私は刃をその邪神に振りかざした。
ヴァロ
メリエン
メリエン
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
ヴァロ
メリエン
メリエン
この時おどけてみせたけど、アタシ、無理してたんだと思う。
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
メリエン
やっぱり、死んだのね。
現実を受け止めた途端、なんだか涙が溢れてきたの。
ヴァロ
ヴァロ
優しげな声に安堵したアタシは、ヴァロさんに泣きついた。
メリエン
そうは言ったものの、涙は止まらなかった。
メリエン
ヴァロ
ヴァロ
メリエン
泣き笑いでアタシは言った。
もう大丈夫。ママ、心配しないで。
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ
ヴァロ