テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

沙織

……

沙織

……さて

沙織

とりあえず、上手く行くかは置いておいて……

沙織

計画も一応練ったし

沙織

いざ、やってみるか……

沙織

……

沙織

……というか

沙織

昨日の電話、渡瀬からだっていう確証が無いんだよな

沙織

……

沙織

……まぁ、まずはショートメールで聞いてみるか

沙織

……

沙織

……

沙織

「誰?」……っと

沙織

送信……

沙織

……

沙織

……

沙織

でも、今は午前中なんだよな

沙織

まだ学校の時間だし、返事はいつになることやら

沙織

……

スマホ

ピロリン♪

沙織

おっと、返事が速いな

沙織

えぇっと……

その電話の持ち主です

沙織

……ふむ

沙織

っていうことは、渡瀬本人で良いのかな?

沙織

でも、不用意に渡瀬沙織17歳のエロ動画を送るわけにはいかないから……

沙織

ここはしっかり、確認しておかないと

沙織

……

沙織

「名前は?」……っと

沙織

返信……

沙織

……

沙織

……

スマホ

ピロリン♪

渡瀬沙織といいます

沙織

……ふむ、本人か

沙織

それじゃ計画通り……

沙織

「学校とクラス、出席番号は?」……っと

沙織

返信……

沙織

……

沙織

……

沙織

……

スマホ

ピロリン♪

南白川高校、2年A組、35番です

沙織

……気味の悪い質問だったのに、真面目に答えてきたな

沙織

ここまでは、想定通り……

沙織

それじゃ、動画1ファイル目のURLを張って……

沙織

返信……

沙織

とりあえず、俺も同時視聴しておくか

スマホ

……

スマホ

……

動画内の沙織

(南白川高校、2年A組)

動画内の沙織

(出席番号35番の、渡瀬沙織です❤)

沙織

……

沙織

……

沙織

……

沙織

よし、再生終了

沙織

……

沙織

……

沙織

よし、次のショートメールを送るか

沙織

……

沙織

「続きの動画は、あと5ファイル」

沙織

「2年A組の残り33人にバラまかれたくなければ」

沙織

「こちらの指示通りに動くこと」

沙織

送信……

沙織

……

沙織

……

沙織

……ふぅ

沙織

さすがに、渡瀬も色々考えるだろうから

沙織

その間に、俺も外に出る準備をしておこう

沙織

出来るなら、今日のうちに出発させたいからな

沙織

……

沙織

……

沙織

うぅ……

沙織

何であたしがこんな目に……

沙織

一体、誰なの……

沙織

見つけたら、絶対に許してやらないんだから……!

沙織

……

沙織

……よし、家を出たな

沙織

しっかり大荷物を持っていたから

沙織

俺が指示する限り、しばらくは戻って来ないだろう

沙織

……

沙織

「電車に乗って、北白川駅のホームを写して送れ」……っと

沙織

……あ、ショートメールだと写真を送れないか

沙織

ここからは、普通のメールアドレスでやり取りしよう

沙織

送信……

沙織

……

沙織

……

沙織

よし、家に入っちゃうか

沙織

渡瀬のお母さん、いませんように……

沙織

……

沙織

リビングには、誰もいない……

沙織

キッチンにも、誰もいない……

沙織

人の気配もしない……

沙織

……

沙織

渡瀬のお母さん、いないのかな?

沙織

……

沙織

……ん?

沙織

これは、渡瀬の書き置き……?

しばらく家を出ます。 学校には病欠ってことにしておいて。

沙織

……

沙織

……ふむ

沙織

この書き置きは、捨ててしまおう

沙織

しばらくは、俺が渡瀬に成りきるぞ

沙織

……もとい

沙織

あたしが、沙織なんだから!

沙織

……

沙織

……

沙織

とりあえず、渡瀬の部屋に行くか

沙織

……よし、wi-fiの設定も完了

沙織

えぇっと……

沙織

……お、渡瀬から返信が来てるな

沙織

添付されてるのは、北白川駅のホームの写真……

沙織

よし、ちゃんと電車に乗って移動してるな

沙織

それじゃ、電車代と宿泊費を電子マネーで送って……

沙織

今日の目的地をメールに書いて……

沙織

送信……

沙織

……

沙織

よし

沙織

あとは渡瀬を、家に戻らないようにしながら

沙織

渡瀬のお母さんを、どうにかしないと

沙織

……

沙織

……

沙織

帰ってくるまで、家の中を探索しておくか

沙織

記憶喪失の設定を使うにしても

沙織

大体の配置くらいは、知っててもおかしくないからな

奈津子

……

奈津子

……ふぅ

奈津子

ただいまー

奈津子

……

奈津子

って言っても、返事はないのよね……

奈津子

はぁ……

沙織

お……

奈津子

きゃっ!?

奈津子

さ、沙織ちゃん?

沙織

おかえりなさい……

奈津子

え?

奈津子

……え?

奈津子

た、ただいま……?

沙織

……うん

沙織

おかえりなさい

奈津子

は、はい……

奈津子

沙織ちゃん、どうしたの?

沙織

あのー……

沙織

……お母さん

奈津子

えっ!?

奈津子

……

奈津子

……

奈津子

何か、困ったことでもあった?

沙織

えぇっと……

沙織

ちょっと、頭が痛くて

奈津子

え!? 大丈夫!?

沙織

ちょっと、記憶があやふやで……

奈津子

大変! 救急車を呼ばないと!

沙織

あんまり大事にはしたくないから……

沙織

タクシー、呼んでも良い?

奈津子

ええ、大丈夫よ!

奈津子

慌てないで、落ち着いて!

奈津子

きっと大丈夫だから!

奈津子

心配しないで!

奈津子

私も準備しないと! えっと、保険証は……

奈津子

きゃぁっ!?

沙織

こ、転ぶほど急がないで良いから……

奈津子

沙織ちゃんはのんびりしすぎよ!?

沙織

……

沙織

……

沙織

あれから一週間

沙織

強引にベッドに寝かせられてはいるものの

沙織

当然、俺は元気なわけで……

沙織

……

沙織

……

沙織

でも、渡瀬のお母さんが心配だな

沙織

本気で心配してくれて……

沙織

……

沙織

……

沙織

俺の父親は、厳しいだけだったからな

沙織

ちょっと、嫉妬……

沙織

……

沙織

……

沙織

……よし、渡瀬は引き続き

沙織

遠いところを放浪中だな

沙織

……

沙織

……

沙織

そろそろ本格的に、仕掛けるか

沙織

お母さーん

奈津子

あら、沙織ちゃん……

奈津子

何か、思い出した?

奈津子

お医者様は、一過性のものじゃないかって言ってたけど……

沙織

心配かけて、ごめんね

奈津子

……っ

奈津子

ううん、大丈夫よ

沙織

あたし、身体は何ともないから

沙織

家のお手伝い、するね

奈津子

えっ!?

奈津子

む、無理はしないで良いのよ……?

沙織

大丈夫、大丈夫!

沙織

何をすれば良い?

奈津子

えぇっと……

奈津子

ああ、そろそろお昼の時間ね

沙織

それじゃ、あたしが作るね

奈津子

えっ!?

奈津子

沙織ちゃん、お料理は出来たかしら……?

沙織

……

沙織

……えーっと

沙織

レトルトでも、良い?

奈津子

……

奈津子

……うふふ

奈津子

それじゃ、一緒に作りましょうか

沙織

本当?

沙織

お母さん、色々教えてね!

奈津子

……っ

奈津子

……沙織ちゃん

奈津子

沙織ちゃんはね、昔はママって呼んでくれていたのよ

沙織

あ、そうだったんだ……

沙織

それじゃ、ママって呼ぶね!

奈津子

……っ

奈津子

ありがとう、沙織ちゃん……

沙織

何で泣くのよー、ママ~っ!

沙織

……

沙織

わーっ、焦げちゃった!?

奈津子

これくらい、大丈夫っ!

奈津子

沙織ちゃんは、焦げていない方を食べてね!

沙織

ううん、美味しい方はママが食べて!

奈津子

……っ

奈津子

沙織ちゃんは、優しいね……

沙織

だから、何で泣くのよ~っ!?

沙織

夕飯も、美味しかったね!

沙織

さすがママ!

奈津子

うふふ♪

奈津子

沙織ちゃんに褒められるなんて、本当に嬉しい……

奈津子

……

奈津子

あ、大変。そろそろドラマの時間じゃない?

沙織

ママ、ドラマ観てるの?

奈津子

私じゃなくて、沙織ちゃんが好きだったのよ

奈津子

テレビ、つける?

沙織

ううん

沙織

今は、ママとたくさん喋りたいなぁ

奈津子

……っ

奈津子

そ、それじゃそうする?

奈津子

でも、早めに寝ないとダメだからね?

沙織

うん、分かった!

沙織

……

沙織

……

沙織

……ふぅ

沙織

ママ、俺と喋ってると本当に嬉しそうだよなぁ

沙織

ちょっとしたことに、いちいち喜んで……

沙織

……

沙織

……

沙織

渡瀬とは、上手くやれてなかったんだろうな……

沙織

……

沙織

……

沙織

俺としては、付け込む隙があって嬉しいんだけど……

沙織

……

沙織

……

沙織

俺は父子家庭で、母親がいなかったから……

沙織

何だかこのまま……

沙織

親子、していたいなぁ……

沙織

……

沙織

……

沙織

でも、最終的に

沙織

俺が渡瀬沙織という立場に残るには

沙織

危ない賭けも、しないといけないんだよなぁ……

沙織

……

沙織

……

沙織

ねぇ、ママ

奈津子

どうしたの? 沙織ちゃん

沙織

お話したいことがあるの

奈津子

何か、悩み事?

沙織

うん

沙織

……

沙織

あたし、記憶を無くしてから3週間が経つでしょ?

奈津子

そ、そうね……

沙織

最初はね、ママのことも分からなかったの

沙織

ううん、今も昔のことは思い出せないんだけど……

奈津子

私は、そんなこと気にしないから!

奈津子

不安だよね。でも本当に大丈夫だから!

沙織

……ママに謝らなきゃいけないことがあって

奈津子

ど、どうしたの……?

沙織

実はね、ママとあたしの

沙織

親子鑑定をしたの

奈津子

えっ!?

沙織

そしたらね、本当の親子だって!

奈津子

……

奈津子

それはそうなんだけど……

奈津子

そんなに心配していたのね……

奈津子

気が付かなくて、ごめんね……

沙織

ううん、あたしこそごめんね

沙織

でも、ママと本当の親子で嬉しかったよ!

奈津子

……っ

奈津子

ママも……

奈津子

沙織ちゃんが私の子供だっていうのは嬉しいけど……

奈津子

何よりも、最近はママと話してくれて……

奈津子

本当に、嬉しい……

沙織

ごめんね、ママ

沙織

きっと昔のあたし、ママを苦しめていたんだよね

沙織

本当に、ごめん

奈津子

ううん、大丈夫!

沙織

……

沙織

……最近ね

奈津子

うん?

沙織

とっても怖い夢を見るの

奈津子

怖い夢……

奈津子

記憶喪失と、何か関係があるのかしら

沙織

あたしと同じ顔をした子が、あたしを殺そうとしてくるの

奈津子

沙織ちゃんを……?

沙織

何回も、何回も

沙織

繰り返し、そんな夢を毎日見るの

奈津子

そんな夢を毎日見るんじゃ……

奈津子

ずっと、怖かったよね……

沙織

……うん

沙織

もし、それが現実に起こったら

沙織

ママは、あたしの味方でいてくれる?

奈津子

もちろんよ!

奈津子

ママが沙織ちゃんを、守ってあげるから!

沙織

ありがとう、ママ……

沙織

……

沙織

……

沙織

……本当に、あたしを守ってね

ドッペルゲンガーの檻

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚