優樹
亮介
優樹
今いい?
亮介
ゆーき!
亮介
どうした?
亮介
また、家で何か言われたか?
優樹
ううん
優樹
最近は減ってるから大丈夫
亮介
そっか
亮介
それなら良いんだけどな
亮介
いつでも話聞くからさ
優樹
ありがとう
亮介
どーいたしまして!
亮介
で、どうした?
優樹
あのさ
優樹
今日の放課後、空いてない?
優樹
話があるんだ
亮介
俺に?
優樹
そう
亮介
今大会前だからさ、部活長引くかも
亮介
それでもいいか?
優樹
いいよ、待つ
優樹
終わったら、屋上に来てよ
亮介
りょーかい
優樹
じゃあ、またあとで
優樹
部活頑張ってね
亮介
ありがとな
亮介
んじゃ、行ってくる!
優樹
……
優樹
(今日で)
優樹
(今日で、全てが決まる)
優樹
(……やらなきゃ)
放課後、校舎の屋上にて
亮介
悪ぃ、優樹
優樹
亮介!お疲れ様
亮介
おー、さんきゅな
亮介
自主練してたらこんな時間になってた
亮介
この校舎には、もう俺とお前しかいないと思う
亮介
で、話ってなんだ?
優樹
あのさ、亮介
優樹
この前、『死にたい』って言ってたよな?
亮介
うん、言った
優樹
だからさ
優樹
それ、叶えてあげようと思って
亮介
……
亮介
なるほどな
亮介
そう言うと思ってたよ
優樹
…え?
亮介
俺、実は
亮介
お前が政府に申請していること、知ってたよ
優樹の申請が受理される数日前
優樹
……
優樹
……よし、これで
亮介
(優樹の奴、何してるんだ?)
亮介
(あんなにスマホの画面見つめて)
亮介
(しかも、すげーニコニコしてる)
亮介
(なんか良いことでもあったのか?)
……
その時、俺は
目に入っちまったんだよ
優樹が政府に申請をしようとしている画面を
亮介
(……やっぱり)
亮介
(やっぱりお前、そこまでして悩んでたんだな)
亮介
(俺が力になれなかったから)
亮介
(……ごめん)
亮介
(ごめんな、優樹)
亮介
(でも今度こそは大丈夫)
亮介
(お前の力になるから)
亮介
(絶対に)