ツヨシ
イチカを殺したのは誰なのか――か?

車とブルートゥースで接続しているため、あちらの声はスピーカーを通して車内に聞こえる。
スマホ
あぁ、ツヨシ達の話から察するに、どうやら君達に犯行は不可能だ。

スマホ
そして、そこにいるシガの親族が犯人ではないとしたら……。

スマホ
いよいよ、誰が犯人なのか分からなくなる。

マドカ
他に誰かが学校にいたってこと?

ルームミラー越しに後部座席を見ると、マドカがシガの親族にヘッドロックをかけていた。
ツヨシ
おい、マドカやめろって!

マドカ
お前か?

マドカ
あ?

マドカ
お前がやったんか?

シガの親族
いえ、ですから……やってませんって。

スマホ
マドカ、そのくらいにしておくんだ。

ツヨシ
ハカセ、こっちのこと見えてんのか?

スマホ
いや、どうせマドカのことだから、一緒にいるシガの親族さんに暴力を振るってるんじゃないかってね。

マドカ
さすが、ハカセ。

マドカ
私のこと良く知ってるじゃない。

マドカ
ハカセって今、どこぞの大学のお偉さんなんでしょ?

マドカ
私、まだフリーなんだけど、どう?

スマホ
ごめん、遠慮しておくよ。

ツヨシ
それに、ハカセは大学院生。

ツヨシ
お前が思ってるほど、金持ってねぇぞ。

マドカ
だったら、こっちから願い下げだ!

マドカ
私はそこまで安くない!

ツヨシ
(まぁ、高くても不良物件だけどな)

カシン
あの、その辺にしておかないと、本当にその人……死にますよ。

マドカの腕を叩き、ギブアップを主張するシガの親族。
スマホ
とにかく、誰がイチカを殺したのか分からない以上、気をつけたほうがいい。

スマホ
特にナンバーズ周りの人間には気をつけたほうがいいのかもしれない。

ツヨシ
とにかくシキに会って話を聞いてからだ。

ツヨシ
ニコも誰かに協力するように脅されていたみたいだし、シキにも同様の脅迫が届いているかもしれない。

スマホ
あ、その件についてなんだけど……僕は今回の【革命事件】と、イチカが殺害された件は切り離して考えたほうがいいんじゃないかと思ってる。

ツヨシ
どういうことだ?

スマホ
もう分かってきてはいると思うけど、全てが【ナポレオン】の仕業じゃないってことさ。

スマホ
例えばね【ナポレオン】がセイヤを舞台に引っ張り上げるために、僕達のことを調べ上げたとして、イチカやニコに脅迫文まで出せると思うかい?

スマホ
ましてや、イチカを殺すなんて芸当はできないだろう。

ツヨシ
それってつまり、イチカの件については、別に犯人がいるってことか?

スマホ
正確に言えば、今回の事件に便乗している人物がいる。

ツヨシ
それが分かれば苦労はしないんだよなぁ。

スマホ
とにかく、シキと会って分かったことがあったら連絡が欲しい。

スマホ
中間地点を決めて、そこで合流しよう。

ツヨシ
あぁ、分かった。

スマホ
……心配はいらない。

スマホ
セイヤなら僕達がいなくても大丈夫だ。

ツヨシ
そうだな。

ちょうどタイミング良く、ナビが目的地周辺であることを告げる。
ヒメ
なんか変な形での同窓会みたいになってるよね。

ツヨシ
だな――全部終わったら、盛大にやってやろうか。

ツヨシ
本当の同窓会ってやつを。

ツヨシ
(だからセイヤ、こんなところで死ぬなよ)
