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さて、なぜ俺はこんなとこで この人と気まずい空気作って勉強してんだ

思えばあの時ノリだけで この人に連絡したのが間違いだった

………

翔太

…………

………

翔太

………

翔太

(うん…気まずい)

翔太

(いや確かに勉強教えてと言ったのは俺だが…)

翔太

(ちょっと空気感が重いような息苦しいような…)

……ねぇ

翔太

は、はい!

そこ間違えてる

翔太

ふぇ?

その計算式間違えてる

翔太

と、言いますと?

………

だからね…

翔太

(なんだかんだ教えてくれるこいつは優しいと思う今日この頃…だが)

翔太

(こいつからしたらただの仕事みたいなものなんだよな…)

翔太

(なんなら貴重な時間を削ってんだよな俺…)

…て事なの

翔太

う、うん…

ちょっと集中切れてきてるわね?

翔太

おっしゃる通りでございます

なら一旦休憩しましょう

疲れてる人にあれこれ言っても身につきませんし

翔太

ありがとうございます…

そう…今俺は学年1の美人(らしい) 須崎 雫に勉強を教えてもらってる

勉強の場所は須崎家という ある意味恵まれた環境下でやっている

ちなみに須崎家には俺と雫の2人 両親は共働きで帰りは少し遅れるとの事

須崎家で勉強する理由としては図書室とか 図書館とかだと知人に会う可能性があって 俺と一緒に居るというのが嫌との理由

そりゃそうだよな運動しか取り柄ない奴と しっかり両立できる天才ちゃんが一緒とか 見られたら報道モノなんだろうな

そのうえ雫は容姿も評判が良いみたいだし 俺と一緒に居るとこなんて見られたら 尚更恥みたいなとこあるよな…

まぁ今年中に落としてみせるんですけど

……

翔太

……

…ちょっと質問いい?

翔太

んぁ?

なんで私を落とす気でいるの?

あんたなんかが私を落とせるわけないのに

翔太

それは前言ったろ?

翔太

お前の上からの態度が気に入らない

翔太

それだけなんだけど?

私の態度が気に入らないだけでそんな馬鹿みたいなことやってんの?

翔太

そーだよ?

翔太

俺みたいなバカがみんなの言う天才ちゃんを落としたらそれはもう学年で大ニュースでしょ?

あなたほんとに単純な頭してるのね

翔太

まぁ俺はこんな頭してるけどそれに関して特に危機感なんかは持ったことあんま無いな

考える事も辞めたのね

翔太

ちげーよ

翔太

無駄に着飾る必要がねぇからだよ

は?

翔太

たまにいるだろ?

翔太

本当は馬鹿なくせに自分賢いんですけどみたいな態度するやつ

世の中にゴロゴロいるわねそんなの

翔太

あいつらの方がよっぽどバカだと思うけどな

翔太

そんな賢いアピールしてバカバレたら生きづらいのそいつじゃん

翔太

でも俺みたいなバカは自分がバカと言うのを認めた上で着飾ることなく素を出してる

翔太

それで俺には仲のいい友人だってできてる

翔太

まぁ俺の頭の悪さを正当化したみたいなもんなんだけどな

……

ほんとに馬鹿らしいわね

翔太

そりゃどーも

……私もそうなりたいな

翔太

なんか言ったか?

別に何も言ってないわよ

休憩もできたでしょ?

そしたらさっきの続きやる

私は飲み物持ってきてあげるから

翔太

あざマース

翔太

………

翔太

そーいやなんであいつそんなことを聞いたんだ?

天才…か

私は天才でもなんでもないんだけどね…

須崎家の親はどちらとも 有名な高校や大学に通い 社会に出て出世している

そのせいなのか娘の雫にも 自分達と同じ道を通って欲しいと 願っているようなのだ

私からすればいい迷惑…

なんで常に完璧を求めないといけないのか…

どうして完璧でないと怒られるのか…

そう考えるとあいつのあの性格や過ごしてる環境下が羨ましいわ…

そう思いふけてると 用意していたコップを落としてまった

あっ……

落としちゃった……

また怒られるのかな…

ドタドタドタ…

階段をすごい勢いで駆け下りる足音が 聞こえてきたどうやらさっきコップを 落とした音に反応して来たのだろう

翔太

だ、大丈夫かよ!?

ちょっとコップ落としただけでしょ…

それよりあんたは上で勉強……

翔太

してられるかよ!

翔太

怪我はないか?

ないわよ…

翔太

よかった…じゃあ片付けるから

翔太

新聞があるなら新聞持ってきてくれ

翔太

ついでにちりとりやほうきもあるとありがたい

だから片付けは私が…

翔太

俺が家に来たせいでこんな事になってんだろ?

そうじゃ…

翔太

慣れないことするからか

翔太

もしくはなにか考え事してるからなんだろ?

翔太

とにかくお前は片付けなくていいから道具の場所を教えてくれるか持ってきてくれると…

新聞はお父さんの部屋にある

ちりとりほうきは用具入れに…

翔太

分かった

翔太

雫は怪我してんなら治療しっかりしとけ

翔太

片付けは俺がやるから…

う、うん……

その後翔太が後片付けをしてくれ その上傷の手当てもなんだかんだ言って やってくれた

翔太

大した怪我じゃなくて良かったよ

……

なんでここまでしてくれたの?

翔太

一応俺は客人だし

客人なら尚更よ

大人しく部屋で待ってればいいのに

翔太

なんでだよ

翔太

いくら客人とはいえ何かあったら駆けつけるだろうが

翔太

それが女なら尚更だ

…意味わかんない

翔太

そうだな

翔太

天才ちゃんにはバカの俺の考えなんて分からねぇよな

翔太

まぁとりあえずただの親切ってことで受け止めてくれて結構だから

…………

翔太

なんだよ睨みつけて

その……

翔太

あ?

………ありが…とう

翔太

………

翔太

礼を言われるようなことはしてねぇよ

翔太

本当はもう少し勉強してぇとこだが

翔太

お前さんが怪我しちまったならしゃーねぇな

翔太

今日は帰らせてもらう

別に大した怪我じゃない…

翔太

なんか考え事もあるようだし

翔太

俺じゃ力になれるか分かんねぇけど

翔太

もしなんかあったら連絡しろよ?

翔太

とりあえず俺今日は帰るから

翔太

勉強教えてくれてサンキューな

翔太

あっ…それと天才ちゃんって言葉キャンセルな

翔太

裏でしっかり頑張ってる頑張り屋って事にしといてや

そう一言言って荷物をまとめ 家を出ていった

…………

これが…人の優しさ……

……フフっ

悪く…ないかな

しれっと女性を気遣い 男らしい所を見せた翔太だが 当の本人は全く気づいていないのだった

バカと真面目は紙一重!?【終?】

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