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初雪の降る朝。

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初雪の降る朝。

1 - 初雪の降る朝。

♥

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2020年01月19日

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朝。

ただ、布団の中に居た。

今日は どんな夢を見たのか

さっぱり思い出せなくて。

でも、きっと

暖かい夢だった。

…どうやら外は寒いらしい。

やたらと冷える体温と心。

カップにココアを注ぐ

想像上の自分。

そんな中

思い出した。

今日は初雪が降るのだと。

天気予報は、たしかにそう言っていたんだ。

なんとなく布団から出て

カーテンと窓を開けてみる。

雪花

雪かぁ…

雪は好きだ。

子供の頃からずっと。

積もらなくても全然良くて

ただ

ただ

はらはらと落ちていく。

そんな雪が、私は…

雪花

大好きだったのにな…

1年前

冬真

行ってくるね

雪花

え…でも…

雪花

今日は雪が降ってるんだよ?

雪花

相当積もってるし

雪花

もし倒れたりしたら…

冬真

大丈夫だよ!

冬真

病状はだいぶ良いからさ!

冬真は

私の彼氏で

数年前から重い病を患っていた。

雪花

病状は良くても、倒れない保証はないんでしょ?

雪花

だから…

冬真

大丈夫だって!

雪花

せめて私がついていく

冬真

そんなのいいよw

冬真

たかが買い物だし!

雪花

でも…

雪花

雪花

絶対、帰ってきてね…?

冬真

あぁ、絶対帰ってくるよ!

冬真

じゃ、行ってくるな!

雪花

行って…らっしゃい…

なぜか不安になった。

今までに感じたことが無いほどの

強く鋭く、確信的な不安だった。

雪花

なんで…?

雪花

なんで帰って来ないの…!?

結局

冬真は帰って来なかった。

花屋の近くの道で倒れて

そのまま雪に埋もれて

1時間もの間

誰にも見つけて貰えずに

ずっとずっと

ずっと…

雪花

だから、もう

雪花

雪なんて嫌いなはずだった…

雪は貴方を 奪ってしまったから…

雪花

でも…

雪花

それだけじゃない。

あの日の1年前に

冬真に告白をした私も

それをすっかり忘れていた

あの日の私も

私の名前も…

雪花

全部全部大っ嫌いっ!!

雪花

最初から無ければ良かったんだっ…!!

そう、思えてしまえば楽だったのに。

冬真

雪花…

冬真

綺麗な名前だね

そう言ってくれた貴方の声が

表情が

今でも

焼きついて 離れないの。

雪だって、そう。

積もらなくても全然良くて

ただ

ただ

はらはらと落ちていく。

その儚さに

心を打たれてしまう。

雪花

退屈で仕方がなかった人生の中に

雪花

突然貴方が現れた。

雪花

貴方と過ごした日々は

雪花

きっとずっと色褪せない…

雪花

ねぇ…

雪花

冬真…

雪花

私は…

雪花

これからどうしたらいいの…?

その時

まるで春が訪れたかのように

強く暖かい風が

優しく優しく

私を包み込んだ。

雪花

冬真…?

雪花

雪花

ありがとう…

雪花

もう、大丈夫だよ…

いつの間にか溢れていた 涙を拭って

私は

朝食の支度を始めた。

この作品はいかがでしたか?

350

コメント

11

ユーザー

悲しいな…。読んでいて面白かったです。 あと、機種変更をして、一から始めようと思うので、また仲良くしてくださると嬉しいです!

ユーザー

フォローありがとうございます!!

ユーザー

切ないな....、 恋には山あり谷ありって事が学べるストーリーだった(๑´罒`๑)

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