ひとりになった俺は深くため息をつき、弟に当たりそうになった自分を思い返して思わず苦笑いを漏らした
天乃 絵斗
短期な性格をどうにかしたくて何度もさまざまな方法を試してみるが効果を実感した事がない
気を紛らわすためにボロボロのスマホを取り出してインスタを開くと1番上のらっだぁの投稿が目に入った
らっだぁと女が、お揃いの指輪をつけて幸せそうな写真が投稿され一言「結婚した」と文章が添えられている
スマホを閉じることも目を逸らすこともできない俺はその投稿をしばらくの間じっと見つめた
画像をどれくらいの間眺めていたのだろうか?
見つめ続けるうちに浮かんできたのは身勝手で、相手のことなど微塵も考えていない考えだった
だから必死に別のことへと意識を逸らそうとしたが、らっだぁを振り向かせたいという執着だけが頭の中に残り続けた
天乃 絵斗
ネットや神社で目にする縁切りや呪いの類も、もしかすると案外有効かもしれない
漸く、インスタを閉じ今度は別れさせる"方法"や"緑切り効く神社""呪い本当に効く"などの単語で調べ物をした
天乃 絵斗
天乃 絵斗
天乃 絵斗
調べる中俺の母校、零陀小学校に奇妙な噂があることが判明した
天乃 絵斗
昔の俺は今以上に好奇心旺盛で、こんな面白そうな噂があれば試さずにはいられなかったはずだ
しかし、6年間通っていて一度もそんな噂を聞いたことがない
天乃 絵斗
ホームページを開くと妙に古臭く、怪しげななのに目を離すことができず、俺は儀式の詳細をじっくり読み進めた
熱中して読んでいると、気づけば時計の針は深夜を回っていた
このホームページが正しければ儀式の実行に適した時間の丑三つ時なので今から急いでいけば間に合うはずだ
天乃 絵斗
書いてあったことに信用できることは一切ない
けれど、何かに突き動かされるように俺はコートを着て家を飛び出した
1:38
学校についたが予想通り、校門が閉まっていた
天乃 絵斗
周りを見渡し、仕方なく塀をよじ登り学校へ侵入した
天乃 絵斗
ホームページに書いてる通りの場所には記憶にない赤い鳥居に小さな祠が立っていた
天乃 絵斗
噂だけではない
らっだぁと小学校のすみずみまで探検したはずなのにここに来た記憶がない
天乃 絵斗
気になることはたくさんあるが、今はとにかく丑三つ時になる前にここに願わなければならない
気を取り直して鳥居に足を踏み入れたその瞬間、背後から懐中電灯の光が俺の体を照らした
??
呆れた声でこちらに話しかける彼の声は聞き覚えがある
でも、この時間たちに彼がいるはずはない
きっと俺が会いたいあまりに想像した幻の声だと自己完結し鳥居をくぐろうとすると腕を強く掴まれた
猿山 らだ男
猿山 らだ男
唖然とした声と手に伝わる熱が俺にこれは妄想ではなく、現実だと教えてくれる
天乃 絵斗
互いに状況を理解しきれずにいると、らっだぁが少し間を置いて口を開く
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
彼は皮肉たっぷりに俺に笑顔で返答するがその会話すらとても楽しく嬉しい
猿山 らだ男
天乃 絵斗
俺の返答を聞いたらっだぁはわずかに目を見開き、心配そうな表情で「なにか辛いことでもあるのか?」と問いかけてきた
相変わらず優しい
本来なら、すぐに追い返すか、追い返せなかったら警察に通報などをしなければならないのに
そんなことは二の次で少しでも異変を感じた途端、真っ先に心配してくれる
やはり、彼のことが好きだ
......だからこそ、彼の左手の薬指に光る指輪が、どうしても気に入らない
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
天乃 絵斗
天乃 絵斗
できるだけ嘘と気づかれないよう、泣き出しそうな声と表情をすると彼はそれ以上深くは聞いてこなかった
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山に強く掴まれていた腕を解き、俺は祠の費銭箱の前まで歩いた
天乃 絵斗
単純に、猿山と彼女が別れるよう願ったとして、彼がまた別の俺以外と付き合うかもしれない
俺と結ばれるよう願う方が確実だろうか?
天乃 絵斗
ぐだぐだするなら行き途中で考えとけばよかったと思いながら頭の中を整理した
それから数分間俺はどんな願いにすべきかを真剣に考えると、結局自分と彼が付き合うのが一番いいと言う答えに辿り着いた
願い事が決まった俺はサイトに書いてあった通り、俺は手を合わせ
とても強く願いを込めて、同じ言葉を何度も心の中で自分の願いを呟いた
そうしているうちに心が軽くなり、願いを叶えるための方法が自分の中にはっきりと浮かび上がってきた
天乃 絵斗
猿山 らだ男
真っ赤な鳥居の下をくぐり、出口へ向かって歩いていると猿山が興味深そうな目をして俺に声をかけてきた
天乃 絵斗
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山はホッとした表情で俺の隣を歩き出し校門まで送り届けようとしてくれる
本音を言うならもっと一緒に話したりしたかったが
ただでさえ、不法侵入した俺を見逃してくれたのだからこれ以上我儘を言うわけにはいかない
それに、先ほど心に浮かんだ "彼と付き合うための方法 "も、確かなものとは言えない
だから、無理に試そうとはせず一度家に帰って焦らずに準備を整えることが大切だ
確実に願いを叶えるために
コメント
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ギャァァァァァァァァ!!!!神だァァァァァァァァァァァァ!!!!(すみませんうるさくて┏○ペコ