テラーノベル
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人目につかないところまで行って鳴女ちゃんに移動させてもらお。
…
ただ歩いてるだけなのに…
どうして…どうしてこんなに涙が止まらないの。
るなはその場にしゃがみ込んだ。
月
ーーわんっ…きゃんっ!!
聞き覚えのある鳴き声。
胸が跳ね衝動的に翼を使った。ふらつきながらも宙に浮いている。
きゅーっんと怯えた声が聞こえ続ける。
月
月
必死に探して下を見る。いた。
数人の男たちが遊んでいたあのわんちゃんを囲んでいた。
その瞬間頭の中が真っ白になった。怒りが一気に噴き上がる。
羽は黒く染まり輪はひび割れ赤い角が生えた。
もう天使ではない。堕天使だ。
考えるより先に体が動いた。一瞬だった。
気づいた時にはそこは赤く染まっていた。
はっとすると角は消え羽も元の色に戻っていた。
慌ててわんちゃんの元へ駆け寄り抱き上げると呼吸はとても弱い。
やだ…
まだ遊郭になれていないとき一緒に遊んでくれたわんちゃんなのに
月
震える声で叫んだ。視界が歪み気づけば無限城。
月
必死に頼むとすぐに部屋へと飛ばされた。
無惨を前にるなはわんちゃんを抱きしめたまま頭を下げた。
月
月
しばらくの沈黙。やがて無惨様は静かに言った。
無惨
遊郭を離れさせた詫びとして血を与えてくれた。
みるみるうちにわんちゃんの体は変わり息を吹き返す。
けれど目を開いた瞬間――飢えたように襲いかかってきた。
飢餓状態。
るなは素早くかわし、さっきの堕天使へと変わる。
月
びくっとして、きゅんと足に頬をすりすりとした。
そう尋ねると無惨様は少しだけ目を細め頷いた。
お気に入りだからだろう。
遊郭のみんなにはもう会えないけど腕の中の大きな狼を見つめる。
この子が私の穴を埋めてくれるはず。
月
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