テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
人身売買とかしたやつ〇す
かなたん出てくるんすけど、アイコン2種類あるうちの1個で猫耳あることに気づかず制作してたので途中まで耳無しかなたんです 𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡
どう?
話してくれる気になった?
…どうだろうね
いいんじゃない?
…本当に?
苦しいよ、きっと
……うん
そうだけどね
僕は人身売買で売られた
親から直接買い手の元に連れて行かれた
一言でどストレートに言ってヤバい奴だった
男に女装させてそいつで遊んで楽しんでたヤバい奴だった
今でこそこういう格好してるけど、ホントに、
フリフリのワンピースっぽいのとか、網目のやつとか
純粋にイカれてるヤバい奴のもとに売られた
買い手
子麦粉
買い手
子麦粉
買い手
ドッ
子麦粉
買い手
子麦粉
子麦粉
買い手
買い手
ガチャ……バタン
そうやって生きないといけなかった
そうやって生きて、ご飯を貰って、
か細い光を灯していってた
ある日
新しい男の子が来た
そりゃウィッグつけてたし、服だって女の子が着るようなやつだし
でも見惚れちゃうくらい可愛かった
それとチャンスだと思った
あいつはどんなことも「女の子の個性」って受け取るから、隠れてればある程度は避けれる
この子が相手してればなおさら
一生あれの相手するより、空腹と涸渇に苦しんで死ぬ方がマシだと思った
あの子が来てから数日経った
その日から僕の分は用意されて無かった
当たり前だ
ずっと、見に行かないと目に入らないような場所に隠れてたから
きっと忘れ去ってたんだろう
あいつはそういう奴だ
すごい空腹に襲われてたのに、体は何も反応を示さなかった
このまま死んじゃうんだなって
次は幸せになりたいなぁ、なんて考えてた
ヒョイ、
不意に何かが目の前に差し出されてびっくりした
少し顔を上げたらあの子がご飯半分持ってた
Kanata
Kanata
多分、これが初めて
僕が「初めて優しさに触れた時」だった
子麦粉
Kanata
子麦粉
Kanata
子麦粉
心底驚いた
僕にとって、あいつ以外から与えられるものには何か入ってた
弱い毒だったり、
………びやく、だったり、
だからどうにも、まともな人から貰った初めてのご飯が嬉しかった
Kanata
子麦粉
子麦粉
それから少しだけ人生が色付いた
あのあと初めて名前を聞いた
名前も微妙に女の子感あったから、「かなた」って呼んでた
昼間僕はずっと隠れてるだけだし、たまに何も食べれない日もあるけど、
そういう日の次の日はいつもよりちょっと多めに食べさせてくれた
僕にとってかなたが最初の希望だった
でも事件を起こしたのは、それから1年も満たない日だった
事件?
うん、
この話も今となっては何年も前なんだけどね
いつも見たいに同じ場所に隠れてた
声も聞こえるし、ちょっと姿も見えてた
その日、かなたがあいつの逆鱗に触れてしまった
喉が張り裂けそうな声で怒鳴りつけて、すごい勢いで殴りかかってた
かなたが死んじゃいそうで、
「助けないと」って
ゴト、
何回も何回も、助けてもらってばっかりだったから
助けないと、
このままじゃダメだって、
腕にすごい重さを感じた
視界に赤いのが飛んできた
もう気づいた時には人だったものが転がってた
怖かった
自分があいつ以上のことをしたのが
自分も罪のないかなたも血に塗れてるのが
怖くて
怖くて怖くて
恐ろしくて
でも
ギュウッ
子麦粉
Kanata
Kanata
初めて「ありがとう」って言われた
謝る必要なんか無いのに、謝ってくれた
それがなんだか少し可笑しくて
どうにも嬉しくて
でもなんだかすごく安心して
そのまま眠った
目が覚めたらかなたに背負われてた
子麦粉
Kanata
かなたは見慣れない格好してたけど、かなただった
子麦粉
Kanata
子麦粉
子麦粉
Kanata
子麦粉
かなたは僕より1個下だった
お互い僕の罪の認識も、1人じゃ生きていけない認識もあった
この日、この家にある使えそうなもの全部持って
ここから僕達の逃亡生活が始まった
とったスマホで世間の様子を調べたし、
あいつを心配するような家族も友人もいないらしかった
モバイルバッテリーもたくさんあった
あいつはすごい大金をいろんなとこに散らして隠してた
まぁ売られたんだもんね、僕達
行く場所なんてもちろん決まって無かった
それでもかなたといるのは楽しかった
こういうのが、ずっと続けばいいなって
でも、やっぱりそんな甘くなかった
ある日2人で崖に行った
事件はまだ時効になりきらないときだった
適当に森歩いてたら辿り着いた
子麦粉
Kanata
初めて海を見た
輝いてて綺麗だった
その頃、僕達の資源は底が見え始めてた
もうじき生きれなくなる
これ以上罪を重ねれば、2人別々で死ぬ
それはなんとなく嫌だった
子麦粉
水難事故とか、スマホで見たことあった
Kanata
ずっと死がすぐそこの状況で生きてきてた
子麦粉
僕達にとって死は
一緒に飛び込もうよ
死よりも恐怖すべきものは山程あった
ザブンッ
少し心地よかった
色んな景色が揺れて見えて
意識も景色と同調してるみたいだった
横見るとかなたは少し悲しそうな顔してた
もしかしたら同じ顔してたかもしれない
でもそれでも平気だった
だって僕は1人じゃないから
かなたがいたから
僕はもう孤独じゃなかった
次に起きた時は病室だった
部屋を見渡してもかなたはいなかった
医者
子麦粉
子麦粉
医者
医者
そこから医者の話は何も覚えてない
それが当たり前みたいに
かなたがいないのが普通みたいに
僕が孤独に戻ったことを、突きつけるみたいに
僕の中にあった何かを壊したことを、何も知らず
淡々と、僕に向けた説明をしてた
ただそれだけだった
死んだのはかなただけだった
僕はかなたを殺してしまった
その頃僕は17だった
僕は17年で、2人を殺した
そりゃ警察の目にも留まるし、恨みだってもたれるよね
当たり前だよ、罪人だもん
いっそ、今あの任務を遂行してみる?
それはやだって言ったでしょ
子麦粉
Ama.
子麦粉
Ama.
Ama.
Ama.
Ama.
子麦粉
子麦粉
子麦粉
子麦粉
子麦粉
Ama.
Ama.
子麦粉
Ama.
ば〜い