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タルタル
タルタル
白身
何処にでもある ダレにでもある いつもの日常 そんな日常が たまにチガウ時がある
タルタル
タルタル
ソファの隣 スヤスヤと丸まり眠る、白身を撫でる 目は閉じたまま ゴロゴロと喉を鳴らす白身 ソレに共鳴するように、遠くからの雷鳴 フと 開け放たれた窓の外を見ると 少し遠くで ピカピカと光る雷雲が 広がっていた
タルタル
タルタル
タルタル
… _____
その日は、朝から小雨が降っていた 予定もなかったので 音楽を聞きながら 部屋の片付けをしたり 続きもしない 短期集中型のダイエット動画を見て 体を動かしてみたり ただ、何となく 1日を過ごしていた
やがて 思い付く暇潰しもなくなり テーブルの下 で 香箱座りをする白身に目をつける ソファから ずるりと 身体を下ろし テーブルとの間に うつ伏せに寝転がると 手を伸ばして 白身の頭を撫でる 気持ちよさそうに目を細める白身
タルタル
外の雨音を聞きながら 目を閉じる 今日の晩ご飯は 、何にしようか? 冷蔵庫の中には まだ食材がある 、 あり物で適当に済ませよう … そんな事を考えていると パシャパシャと 水たまりの上を走り抜けていく足音と共に 子供達の声が家の前を通り過ぎていく
タルタル
時計は見ていないが 、 時刻は 15時半から16時くらいだろう スマホでも触っていれば そのうち 17時のチャイムが鳴る チャイムが鳴ったら 晩御飯を作り出そう そして この前気になっていた アニメを一気見しよう
タルタル
そんな事を考えていたのに 気付けば眠りについていた
タルタル
ゴロゴロゴロ … 小雨程度だった雨は いつの間にか 雷を伴う大雨に変わっていた 体制は いつの間にか横向きになり テーブルを背に ソファ側を向いていた
上体を逸らして 頭上のカーテンを見上げると 外はすっかり暗くなり 、隙間からは 家の前の街灯の灯りが 差し込んでいる そのまま 仰向けになり 目をきゅっと閉じながら 背伸びする まだ 意識はぼんやりしている このまま 寝てしまうか、… ? そんな考えを巡らせながら 白身を撫でようと 無意識に テーブルの下に 手を伸ばして 上下に探っていた が、手は触れない
タルタル
顔だけを テーブル側に向け うっすらと目を開けると そこに居た
テーブルの向こう側 、テレビの前 二本の足が見えた
タルタル
グレーの靴下 オフホワイトの作業服 ズボンの丈は 合っていなくて 踵のところで 生地がたるんでいた
少しずつ 目線を上げていくと ベルトをしていて しっかりとシャツの裾は ズボンに 納められていた 襟元も整えられていて そこからは 、小麦色の肌がのぞいていた
タルタル
厚めの唇 、くっきりとした二重 太めの眉 、黒々とした癖のある黒髪 20代前半くらいの、男の人
タルタル
タルタル
何となく直感的に 彼が生きている人間でないことは分かった 見ていた時間は 、 30秒に満たなかったかもしれない 足先から 頭のてっぺんまで 一度見ただけ それでも 詳細に書き残せるほど ちゃんと 彼は 、 そこに 居た
状況を理解して 一気に恐怖心が芽生えた私は テーブルに背を向け ソファ側を向くと ソファの下の15センチ程の隙間に 顔を 横向きに すっぽり はめ込んだ
なぜ? 何のために? だれ?
ぐるぐる と 頭の中 その言葉たち が 繰り返される 視線に気付き ピントが合った 目線の先 白身がコチラを 見つめていた ソファの下で眠っていたようだ
白身
白身を見て 少しホッとした私は そのまま 意識を手放すように 眠りについた
夢の中 、何が起こるわけでもない 白くぼやけた空間の中 丸いパイプ椅子に座り 俯く彼が居た 夢と夢の間に その映像が差し込まれたわけじゃない 悲しそうに俯く彼を ただ見つめる 、それだけの夢 私に いや、誰でもいい 、 誰かに 伝えたいことがあるのか 、 彼が何を考えているのか 、 それとも 考えていないのか 何一つ分からなかった ただ、私はそれが 分かりたかったし 、 彼が とても 可哀想に思えた
次に目を覚ました時 横向きで テーブル側を向いていた
タルタル
先ほどあった出来事を思い出し 手をついて上体を起こして 部屋を見渡すも 彼の姿は何処にもなかった 相変わらず 外では 雨が降っている
床についた手に 体をすり寄せて ころん と 床に寝転ぶ白身 そっと お腹を撫でながら 時計を見ると 時刻は25時前くらいだった
タルタル
立ち上がり 部屋の電気をつけて 浴室へ向かう
タルタル
気分を切り替えようと ぺちん と 自身の頬を両手で軽く叩き そのまま 包む
違和感 が あった
指の腹で頬をなぞる
タルタル
パッと脱衣所の鏡に視線を向ければ フローリングの溝 と ソファの縫い目が凹凸となり 左右の頬にくっきりと 痕を残す 私の呆然とした顔が映っていた
タルタル
タルタル
_____ …
タルタル
白身
白身は 口を大きく開け 欠伸をする そのまま 起き上がると ソファを降りて ぐーっと 体を伸ばしている
タルタル
タルタル
タルタル
雨は まだ降り止まない
タルタル
白身