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唯夏

・・・分かった

唯夏

でも、ここだと周りの人もいるから1回外のベンチに行って話そう

・・・そうだな

俺もここだと素直なこと言いにくいし

唯夏

・・・

・・・素直に話すの、俺これが初めてかもな

唯夏

・・・あのさ、嫌いになったなら言ってくれたら・・・

今から全部言うから・・・聞いて

唯夏

・・・うん

結構前の話に戻るけど

俺らが中一の時

入学式で、俺と唯夏は隣だっただろ?

唯夏

うん

それで、俺が緊張して足くじいちゃったときに唯夏が助けてくれた

その時、俺思ったんだ

恩返しがしたいって

唯夏

そうなの?

唯夏

私あの時・・・迷惑だったかと思ってた

いや、むしろ助かった

初日に足をくじいて動けませんなんて、恥ずいからな

で、中一の時、同じクラスになったろ?

それで俺は仲良くなりたいと思った

・・・感じたんだ

俺は、この人になら素直になれる日が来るんじゃないのかって

なんか、足をくじいて助けて貰っただけで大袈裟って思うかもしれないけど、

素直じゃない意地っ張りの俺はいつも1人で放ったらかしにされてたから嬉しかった

唯夏

瀧・・・そんなに意地っ張りじゃないと思うけど

小学生なんて小さなことでハブられるんだよ

だから俺、なんか・・・めっちゃ恥ずいけど・・・ドキッとしたんだ

いい意味で。

仲良くなるのも、本当は少し勇気が必要だった

俺のせいで傷付けてしまったらどうしようって思ってさ。

だけど・・・男子も俺のことをハブらないでいてくれた

男友達・・・結構出来た

怖かった気持ちが全部嘘のように俺の世界は色付いた

ひとりぼっちじゃなくなった

でもそれもこれもあれも全部唯夏のおかげだと思った

だから俺さ・・・実は唯夏に告白される前から好きだった

唯夏

・・・えぇ!

唯夏

う、嘘・・・だって・・・

俺がここ最近元気がないのは・・・唯夏の気のせいじゃなくて・・・その・・・

傷つかないで聞いて欲しいんだけど

・・・唯夏が記憶を無くしてしまう時が近づいていると思うと苦しくて、泣きそうになって・・・嫌だ

忘れて欲しくない

そう思ったら元気が全部吸い取られてた

ごめん

唯夏を嫌いになった訳じゃない

むしろ好きだ

だからこそ苦しかった

・・・笑えるように、唯夏の前で笑顔でいられるように頑張るよ・・・

唯夏

瀧・・・

唯夏

本当にごめんね

唯夏

それと・・・私のこと、好きって言ってくれてありがと!

唯夏

私が好きって言っても瀧いつも素っ気なかったから、言って貰えてめっちゃ嬉しい!!

ばっ、バカ!俺が・・・す・・・好きって言ったことは忘れろ!!

唯夏

あ〜照れてる〜

唯夏

可愛い〜!

う、うるせぇ・・・!

なんでもないこの時間が

ものすごく幸せだ

家に帰った俺は、今日の遊園地デートのことを思い返していた

あの話をした後、俺達はまだ乗っていなかった乗り物に乗って解散した

いつもなら家まで送るけど、今日はなんだか1人になりたくて送れなかった

ダメなんだ・・・俺は・・・唯夏の隣にいると・・・泣きそうで・・・

悠河

父さんの隣がそんなに嫌か

・・・ふ、ふぇぇ〜父さん?!いつからそこに?!

悠河

唯夏って、あの可愛い子ちゃんか?

・・・

悠河

(確かあの子、持病だったよな・・・)

悠河

何があったのかは、あえて聞かない

悠河

だがなぁ、元気がない瀧を見ているのは辛いものがある

悠河

ほら、これやるから、元気だしなさい

そう言って父さんは俺に大好物のミルクティーをくれた

・・・せんきゅ

悠河

・・・

悠河

瀧。

悠河

・・・話せるようになったらでいい

悠河

父さんにも話してくれ

・・・話せるようになったら、な

俺は

この気持ちをどうしたらいいんだ・・・?

ピコリンッ!

俺のスマホにLINEの通知が来た

唯夏

ねぇねぇ、明日は日曜だから2個目のところ行こうって言ったじゃん?

うん

唯夏

私がリストに書いた水族館ね、明日イベントがあるらしいんだけど・・・

唯夏

イベントに参加するには8時には家を出る必要があって・・・

唯夏

だけど瀧って朝弱いよね?

あぁ〜まぁな

でも唯夏は行きたいんだろ?

唯夏

・・・うん

父さんに起こしてもらったら起きられるはずだから行けるよ

唯夏

本当に?!

唯夏

やった〜!

唯夏

ありがとう、瀧

うん

じゃあ、また明日な

唯夏

うん!明日8時に瀧の家行こうか?

いや・・・

あ、・・・

うん。ごめん。

お願いしていいか・・・?

唯夏

もちろん!明日行くよ〜

唯夏

またね👋🏼

👋🏻

俺は

このLINEが出来ることも

唯夏とデートに行けることも

あと1ヶ月ほどしかないのだと思うと

堪えていた涙が出てきた

(かっこわりぃよな、俺)

たとえ記憶が消えても俺らは

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