真冬視点 学校内
先生
じゃあ、これでテスト返却を終わります
先生がそういうと、周りの人たちはそれぞれ口を開く
男子生徒
うわ俺やばいわ〜w
女子生徒
お母さんに怒られるかも…
みんなが友達とまとまって話している中で、僕「相川 真冬」は、1人でテスト用紙とにらめっこしていた
すると突然、肩に小さい衝撃が走る
真冬
わっ!
優
まふ〜!テストどうやった?
後ろから肩を軽く叩いたのは、同じクラスの『坂田 優』だった
真冬
まあ、いい感じ…
優
……まふ、本当に流石やわ
真冬
え、何が…?
渉
え、これさっき先生が言ってた学年最高点じゃない?
すると優の後ろから、同じくクラスメイトの渉さんこと、『浦田 渉』さんが 顔を出してきた
真冬
今回のは少し簡単だったので、結構点がとれましたけど…
渉
すごいな〜
優
さすがやなぁまふ!
女子生徒
え〜真冬くん、すごい点数高いんだね!
すると、数人の女子生徒が近づいてきた
女子生徒
こんなに頭いいなんて、すごいね!
真冬
い、いや、そんなにすごくないよ…
女子生徒
やっぱり真冬くんって『エリート』だよね!
真冬
っ………
渉
? まふ、どうした?
真冬
あ、いや…何でも……
真冬
じゃあ、また明日
渉
おー
優
また明日なー!
優と渉さんと別れて、家の玄関まで行く
『やっぱり真冬くんって「エリート」だよね!』
真冬
っ…
ふと、今日言われた言葉を思い出して しまう
真冬
(そんなこと、言われるなんて…)
真冬
ただいま…
母
おかえり、真冬
お母さんはいつものように、台所に 立っていた
母
今日テストがあったんでしょう?見せて
真冬
うん……
きっとまた、僕と同じクラスのお母さんから聞いたのだろう
僕はカバンの中からテスト用紙を母に渡した
真冬
き、今日は…
母
………
真冬
(視線が、怖い……)
母
…まあ、いいほうね
真冬
!!
母
ただ、まだいけたんじゃないの?
そうだ、お母さんが素直に僕を褒めてくれることなんてない
期待なんてして、バカみたいだ
真冬
っ…はい
バタン……
真冬
っ………
真冬
(心が、辛い……)
僕の家はお父さんがいない
僕が小さい頃、お母さんは僕を連れて 家を出て行った
それからだったっけ、母があんなに厳しくなってしまったのは…
いい加減疲れてきた、休みたい
でも、まだ課題は残ってるんだから しっかりやらないと…
真冬
(でも、手が動かない…)
真冬
(……そうだ)
ちょっとくらい、いいよね?