夕日が登り静かに私たち
体を撫でるように照らしている。
そんな中、夕日のように私たちも静かに
並んで歩いていた。
竜
なぁ、

竜
あそこのベンチで待ってて

竜
すぐ戻ってくる。

桜
は、はい

竜
お待たせ。

竜
はいこれ、

それは透き通ったコップに入った、ライトシアン色で
落ち着く色だ。
桜
これ、は?

竜
微笑みサイダー。

桜
初めて聞きましたっ!

竜
俺の手作りだぜ?

桜
手作り?

竜
あぁ。俺、バイトでレストランで働いてて...

竜
何を混ぜれば美味しくなるかとか...分かるんだよ

竜
ほら。微笑みサイダー。

竜
お前が笑わねぇから。

桜
なっ!失礼ね

竜
ははっwまぁ飲めよ

桜
う、うん。

桜
ゴクコクッ

桜
っ!

飲むと口にサイダーの香りが広がって、
口の中でしゅわしゅわと音をたてて泡がたつ。
あぁ、これが青春か...
なんてははっ、と微笑んだ。
桜
お、美味しいですっ!

桜
すごいっ!

竜
ほら。微笑んでる。

竜
お前って子供みたいにくしゃっと笑うんだな。

桜
////

竜
いいことだよ。

竜
俺のことどう思ってる?

桜
っ....

竜
なんで黙ってんの?

桜
だっ、だってっ.....!

桜
元はと言えば先輩が....

竜
分かってる。

竜
元はといえば俺が脅して無理やり彼女にさせたから、

竜
怖いんだろ...

桜
はいっ....

竜
俺でも今思えばそりゃ悪りぃと思ってる。

竜
けどさ、

竜
あの時の俺は

竜
お前に振り向いて欲しかっただけなんだ。

桜
え.....?

竜
俺はずっと桜に片思いをしてた。

竜
そんな片思いから逃げ出したくてな...

竜
俺は無理矢理振り向かせようとしてしまった。

竜
もちろん....!

竜
本当悪かった。

竜
ごめん。

桜
(ちゃんと、反省してる...のかも。)

桜
(それに、優しいし。)

桜
(これも廉君を諦めることができる1つの方法なのかも。)

桜
うん....

桜
もう、いいよ。

私は夕日に照らされながら
竜君にあのサイダーの様に優しく微笑んだ。
竜
さくら.....

桜
だから、もうそんな悲しい顔を私に見せないで...。
