スノ短編集

俺の家で翔太はテレビと真剣ににらめっこ

手元のコントローラーを身体と一緒に動かしながらゲームに没頭していた

苦手なゲームにだんだんと唇が尖ってきてて……可愛い……

俺は、ずっと前からこの翔太の事が好きだ

可愛くてカッコよくてツンデレで実は誰よりも優しくて……気付いたら特別な感情を抱いていた

そんな翔太が自分の家にいる……それだけでドキドキしてるのに、そんな唇尖らせたら……

邪な気持ちが顔を出してくる

自然と俺の唇も尖っていた

何度目かの落下でコントローラを投げた翔太にハッとして現実に戻された

苦戦する可愛い翔太が見たくて選んだコース

不貞腐れた顔で睨むその顔すら可愛い……わら

それは誘われた時からずっと疑問に思ってた

何故か目が泳ぐ翔太

不思議に思い見つめていると、それに気付いた翔太の頬が赤く染まった

何その反応……かわいくね？？

なんじゃその可愛さは！！？？

どんどん真っ赤になっていく翔太

もう可愛くてしかたない！

ちょっと待って

俺……今、なんて言った……？

翔太は真っ赤な顔でパクパクと口を動かしていた

思わず誤魔化すように笑う

だって、伝えるつもりなんてなかったから

笑いながら翔太を見てギョッとした

ポロポロと溢れる涙

上目遣いで見てくるその姿に顔が熱くなる

また尖らせてる唇

吸い寄せられるように、唇を重ねていた

気付いたら目の前には翔太の驚いた顔が

思わず驚いて飛び退いた

両手を降参のように上げていると、俯いた赤い顔の翔太が小さく呟く

突然強い視線で睨まれ、思わず背筋を伸ばす

ヤケクソのように叫んだ

なんだよこの告白の仕方……

最悪じゃねぇか……

泣きそうになっていると、翔太が立ち上がる気配

と、身体に温もりが

俺は翔太に抱きしめられていた

耳元で聞こえてきた言葉に思考が停止する

なんて？

俺もふっかが好き？

俺って……なべだよな？

ふっかって誰？？

あ、俺だ。わら

俺？

顔を上げると赤い顔をした翔太が

いや、可愛いなオイ！

いやいや、そうじゃなくて……そうじゃ、なくて

翔太が可愛い顔して笑う

それを見て、両手を強く握り締め……

叫んだ

またまた可愛い顔で笑う翔太を勢いよく抱きしめる

ペロッと舌を出した翔太

2人笑い合い、どちらかともなく再びキスをした

おしまい