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次の日、昨日の事をまだまだ引きずりながら高鳴る気持ちを抑えつつ登校した。
首元にあるネックレスを制服の上から触る。
そこにちゃんとあるのを感じ、昨日の事は夢ではないと実感する。
愁斗も付けてきてくれるだろうか。 そんな事を思いながら自分の席に向かった。
A
席に着いた瞬間、一軍の1人に声をかけられた。
こんな事初めてだったから何となくただ事では無いと察した。
史記
A
そう言って見せられたスマホの中にはどこかの公園に座っている愁斗がいた。
俺たちが毎週2人で会っているその公園では無いことだけは分かる。
史記
そう言うとまた別の写真を2枚、3枚と見せられた。
史記
そこには知らない男と喋っている様子と、その男とともにどこかへ消えていく様子が写されていた。
何となく嫌な予感がしたが、ただ知り合いと待ち合わせしてどこかへ行っただけともとれる。
史記
A
A
嫌な予感というものは的中する。 でも...そんな...。 愁斗がそんな事するわけ.....。
史記
史記
そういうと、また別の写真を見せられた。
A
そこには先程公園で一緒にいた男とホテルへ入っていく愁斗が映っていた。
B
B
C
D
A
D
B
クラスの連中はふざけて笑っている奴もいれば、本気で気持ち悪いというような表情をしている奴もいる。
ただ一つ言えるのは、 ここには、味方はいない。 という事だ。
史記
A
一軍の奴から送られてきた写真をもう一度よく見る。 暗くて画質もあまり良くないが、それは確実に愁斗だった。
なんで、こんな事.....。 バイトって、もしかしてこれの事? だとしたら、愁斗は本当に身体を売ってたのか?
毎日のように、知らない誰かに、抱かれてたの?
愁斗
クラス全員の視線が教室の扉へ向く。
愁斗
異様な雰囲気を一瞬で悟ったのか愁斗は扉の前で立ち止まった。
愁斗
愁斗
どうしたらいいのか分からなかった。 ただ、味方のいないここには居ちゃいけない。
気づいたら足が動いていた。 始まりのチャイムが鳴っているのも無視して。 愁斗の腕を引っ張って逃げるようにその場から立ち去った。
愁斗
愁斗
愁斗
愁斗
戸惑う愁斗に、スマホを見せる。
史記
声も、スマホを見せているその手も、震えてしまっている。
明らかに動揺した表情をする愁斗を見て、これが本当の事なのだと思い知らされる。
史記
史記
史記
史記
何も答えず、下を向く愁斗。
お願いだから、否定してくれよ...。
史記
史記
愁斗
史記
史記
史記
愁斗
史記
史記
史記
史記
史記
首元に光るそれを引きちぎり愁斗の足元へ投げ捨て、俺はその場から逃げた。
愁斗の顔は見れなかった。
なんでこんな事になってしまうんだ。 昨日の、あの幸せな時間はやっぱり夢だったのか。
首元を触っても、もう何も無い。
全てが嘘だったかのように。
あの楽しそうな愁斗も 幸せそうに笑う愁斗も 冗談を言う愁斗も
全部が、偽りのものだったかのように思えてしまう。
ただ、時折見せる悲しい表情だけが、濃く、鮮明に映し出された。
もしかしたら、ずっと、愁斗は助けを求めていたのかもしれない。
こんな事、本当はしたくなかったに決まってる。
何か理由があって、こんな事...。
もっと、冷静になって話を聞いてあげれば良かった。
お揃いのネックレス、ちぎっちゃったな...。
愁斗が戻ってきたら、ちゃんと話を聞いてあげよう。
だけど、その日、愁斗が教室に戻ってくる事はなかった。
戻ってこれる訳、ないか.....。
明日は学校に来るだろうか。 来たら、その時はちゃんと.....。
だけど、次の日も愁斗は来なかった。