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久方ぶりに署に顔を出し、そして屋上で溜め息をひとつ。
あの後、中嶋は逮捕されたらしいが、しばらくアンダープリズンには出入りできなくなった。
必要最低限の人を残し、それでも坂田は独房の中らしいが、あれだけの事件の後始末を、しかも秘密裡に行わねばならないのだ。
縁にとっては、そこまで関係のあることではないが、アンダープリズンの職員達には同情する。
楠木辺りはピリピリとしていそうだし、エンジニアとして生き残った桜も、人手が足りないということで現場復旧のために奔走しているとか。
この辺りの不備の多さは、いかにも現場のことを知らない頭でっかちが、思いつくままにアンダープリズンの運営をしてきたツケだろう。
縁
ふと、誰に問うでもなく呟く。
それに対して、誰も答えてはくれない。
アンダープリズン占拠事件。
これが後にきっかけだったのだと縁は思う。
そう、全てが壊れてしまう始まり――。
この時すでに、瓦解は始まっていた。
警察病院――そこには、かつて罪を犯し、けれども相応の治療が必要な人間が収容される施設。
その監視カメラは、真っ白なワンピースを着た人影を捉えていた。
ふらふら、ふらふら、ふらふら――人が歩いているとは思えないほど、左右にぶれながら、その人影はカメラの前から消える。
次にカメラに映ったのは、とある病室にワンピースの人物が入る場面。
しばらくすると、またしてもふらふらと揺れながらカメラに映る。
その白のワンピースは白から赤へと染まっていた。
その手には血の滴るナイフが。
――後に警備員が異常に気付き、病室を調べた時にはすでに遅かった。
殺人蜂こと岡田が、ベッドの上で血の海に漂いつつ、絶命していたのだった。
そのかたわらに、意味深な記号を残して。
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