普段通りの学校
普段通りの4時間目
私は普段通り 授業をうけていた
菫
先生にあてられ
立ち上がり 黒板の方に向かう途中
視界が歪んだ
そのまま構える暇もなく
私はその場に 倒れ込んでしまった
名前を呼ばれる
けどその声も
意識も
遠のいた
救急車に運ばれて
私は診察室で目を覚ました
起きた後
両親が駆けつける
幾つかの検査をした後
診察室の 椅子に座らされた
聴いてください
その言葉を聴いた後
時が 止まったように感じた
音を遮断し
膝の上に置いた 手と手を
握りしめる
嗚呼 、どうせ w
何もかもが 私を捨てるんだ 、w
強制入院になり 、
個室の寝具に 寝かされた
点滴を繋がれ
私以外部屋の中には 居なくなった
親は私の 余命宣告を聞いても
悲しむどころか喜んで
保険金が______
とか話をしていた
着替えも 持ってきてくれない
だから明日外出許可を 得たので
取りに帰るつもりだ
タヒ
落ちる雫を
拭いもせず
頬を濡らして
ただぼんやりと
窓の外を見つめた
夕方頃
皆がお見舞いに 来てくれた
葛葉
大丈夫なのか ?
たわいもない会話の後
葛葉君は尋ねてきた
唇を噛んで
思わず顔を下に向ける
少しして
私は顔を上げ
笑って言った
菫
菫
数日間入院するんだ
叶
速く良くなってね
菫
ありがと 、w
人生で2回目の嘘
見破って欲しいと言う 想いのまま
溢すように言った
菫
灰
菫
暫くして
皆が帰り
私はまた独りになった
寝転んで
白い天井を見つめ
私は考えた
カゾクもガッコウも 全て捨てて
ケイサツからも ビョウインからも
逃げて
過去も未来も
見ずに
逃げよう。
携帯は位置情報が あるから駄目
ゲームも要らない
写真も要らない
そんなモノ今となっては 全てゴミだ
逃げるには 必要最低限の荷物だけ
貯金してきたお金 と 傘 、飴 、予備のパーカー 、 カメラ 、ラジオ 、 懐中電灯 だけ
後は どうにかしたらいい
" 優等生 "
" 生徒会長 "
" 天才 "
" 学年トップ "
そんな下書きも 何もかも要らない
こんな息苦しい社会から
こんな狭い世界から
逃げてしまおう。
余生を過ごすには 充分なスリルだろう
明日荷物を 取りに行ったついでに
用意をして
明後日に実行しよう。
成り行きで生きて
何処か誰も居ない遠くで
勝手にタヒのう。
カッコイイタヒに方を してやろう。
布団に潜り込んで
しっかりと目を閉じた
やがて 、夢の無い
重い鉛の扉のような 眠りがやってきた